ギャラルはユグドラシル、いや花の前に辿り着いていた。この花をどうやって破壊すればよいのだろうかと考え、眺める。
ギャラルホルンの力なら、この花が咲く前に終わらせることが出来るだろうかと考え、神器を手に取り飛んでみる。そして、神器を鳴らそうとした瞬間、何かが飛んできた。
反射的に躱すが、攻撃は神器の紐に当たり千切れてしまう。そしてそのまま地上へと落下していく。
「ユグドラシルだけは破壊させません」
「……エンヴィ?」
カイムの剣を構えながら声のした方を見ると、見覚えのある顔。ついエンヴィかと思ってしまったが、普通にロンギヌスなのだろう。しかも所々に花があり、骨のようなものまで飛び出している。あの姿は、
……花。なるほど、ユグドラシルが変わってしまったのは彼女らのせいなのかもしれない。
「退いて。花を壊して、この悲劇を終わらせるの」
「この花はユグドラシルです!破壊なんてしたら、ラグナロク大陸ごと消滅してしまいます!」
「そう」
あなたも神に操られてるのね。
口には出さず考えてからロンギヌスの元へ飛翔する。当然カイムの剣を構えたまま。
ギャラルの敵意に気が付いたロンギヌスも槍、神器ロンギヌスを構え防御しようとする。しかしカイムの剣は滑るようにロンギヌスの槍をやり過ごし、そのまま刃がロンギヌスへと迫る。
触れる前に後方に飛びそのまま急降下し、そのまま真下からの反撃を試みるがしっかりと剣で防がれる。更に空いた左手に炎が集まっていく。鍔迫り合いながら、至近距離での魔法。まともに直撃したらマズいと考えロンギヌスは骨による攻撃をしかける。
背中から二本の骨が伸びていきギャラル背後まで回り、触手のように迫る。至近距離だからこそ骨が伸びたことに気がつくのに遅れたギャラルは、既の所で飛び上がり攻撃を回避。更に追尾する炎の玉をいくつか放つが、全て槍で弾かれてしまう。
更に追撃するためにロンギヌスも飛び上がる。ギャラルは炎の弾をバラマキ牽制するが必要な分だけ弾きながらも距離を詰められる。
そうしてロンギヌスの槍が届きそうになったところで、声が響いた。
「避けろ!」
「っ!?」
ロンギヌスは咄嗟に急降下する。ギャラルの周りには炎の剣が現れていた。ギャラルを守るように周囲を周り始めていた。そのまま突っ込めばあの炎に焼かれていたのだろう。
二人がその声の主を確認すると、新たな
「……パラシュ?」
「ああ。こんな形の再開には思わなかったけどね」
ギャラルは呆然とする。何故今この場にパラシュが現れたのか。しかもその姿で。
間違いなく彼女は、自分ではなくロンギヌスの味方だ。つまり、つまり?
「僕は言った筈だよ。理想を追い求めることと、エゴを押し付けることは違うって」
「パラシュまでこの花を守るっていうの?」
「ああ。今の君はこの花こそが全ての元凶という思い込みで動いているにすぎない。少し頭を冷やしたほうがいい」
あくまで冷静に語るパラシュだったが、気がつけばギャラルからは笑い声があがっていた。あはははとひとしきり笑った後に、激情に呑まれた表情になっていた。
「神が……パラシュを騙るな!」
「僕でも駄目か!?」
パラシュは説得するために出てきたのだが、その目論見も失敗。それを理解すると防御のために神器パラシュを構える。
炎の槍を生み出し、連投しながら接近していく。パラシュは槍を何とか防ぎきるが体制を崩してしまう。その隙を狙い斬ろうとするが、文字通りロンギヌスの横槍が入り弾かれる。
弾かれた勢いで距離を取りつつ、炎の幻影を放つ。パラシュとロンギヌスを囲うように現れた幻影の斬撃をお互いにカバーしあいながら防ぐ。
しかしその僅かな時間でギャラルの姿を見失ってしまう。背中を向け合いながら周囲を探るが、見当たらない。まさかと思ったパラシュが見上げると、予想通りそこにギャラルが、予想外の姿でそこにいた。
巨大な炎の拳と共に落下してくるギャラルに驚きながらも二人は迎撃しようとするが、間に合わず拳が叩きつけられる。
直撃こそ免れたが、衝撃を殺すことまでは出来ずに重力に沿って落ちていく。更に炎の弾で追撃を放ちながら接近してくる。
慌てて二人は躱しながら飛び上がる。しかしそれを予測していたギャラルは炎の弾の中に追尾弾を混ぜていた。主にロンギヌスの方へ飛んでいき、ギャラル自身はパラシュの方へ。
ロンギヌスが炎の弾を必死に弾いている間に、ギャラルとパラシュは鍔迫り合いになる。パラシュはギャラルの持つ圧倒的な強さにただ困惑するばかり。
「君は誰なんだ!?これはギャラルホルンの力ではない!」
「そうよ。カイムとアンヘルの、そして契約の力だもの。神の操り人形なんかに負けないわよ」
好戦的な笑みを浮かべるギャラルを見て、もはや本来のギャラルはそこにいないとパラシュは確信する。
しかし同時に神器を弾かれる。返す刀でパラシュの首を狙おうとするが、そこに新たな乱入者。
「うざい!」
その言葉と共に、レーヴァテインがカイムの剣を弾く。
「説得とか面倒なこと考えるからこうなるんでしょ」
「……君のその性格は理想的とは思えないが、彼女を倒すという意見には賛成だね」
「出来れば、トドメは刺したくないです。冷静になればきっと話だって出来るはずです」
三人の
「かかってこい!皆殺しにしてやる!!」