カイムに剣を託されたギャラルホルンは、神殿を防衛するために戦う。
神聖な場所を汚す奴ら、一人たりとも生かして返すな!
カイムとギャラルを見た帝国兵の内、大柄で太った体型をした帝国兵が次々と殺到する。
剣で戦うのは初めてのギャラルは、カイムから離れないことを意識して戦うことを選ぶ。カイムはその意志を理解してるかしてないのか、迷うことなく帝国兵の群れに突っ込んでいく。
ギャラルは何とか追いつくが、カイムは帝国兵を次々と斬り刻んでいく。カイムが狙っていない帝国兵に剣を振るうが、簡単に盾に防がれてしまう。
一般人、少なくとも見た目よりかはよほど力はあるが、普段は魔力を用いた戦い方をし、そういうキラーズに適合しているギャラルは怪力というわけではない。対して帝国兵は大柄であり、しかも妙に高い筋力を有している。カイムは元々強かった所をドラゴンとの契約でより強くなり、それにより一方的に虐殺出来るだけの力があるだけで、ギャラルにはそこまでの能力はない。
「ギャラルよ、魔素を使え。この世界の魔法ならお主自身の魔力は大して使うまい」
レッドドラゴンのアドバイスを聞いたギャラルは、迫る帝国兵の剣を何とか躱しカイムとは離れすぎないように距離を取る。
デボルポポルに秘められた魔法の力を解放する。すると、ギャラルの周囲に炎の弾が8つ現れ、回転しながら広がっていく。
武器に魔法が秘められている。武器自体に力があるというのは、まるでキラーズのようだと関心する。
「これほどの帝国軍が……このままでは神殿が落ちるのも時間の問題だな」
カイムとギャラルは、剣と魔法を駆使し次々と帝国兵を殺していくがそれ以上に帝国軍が現れる。剣で戦うのにも限界はある。レッドドラゴンで殲滅した方がいいだろうと考えたギャラルはカイムに提案する。
「ギャラルが弓兵や赤い鎧のやつを引き付けるから、カイムはドラゴンに!」
カイムは頷き、レッドドラゴンの元へと飛翔する。ギャラルも帝国兵の輪を抜け出すように、低空を飛びまずは弓兵を探す。
神殿へ侵攻している部隊だからか、弓兵はあまり多くない。クリムゾンフィーラーを唱え、炎の弾と共にギャラルは弓兵の部隊へ突っ込む。矢は炎に防がれ当たらず、0距離まで詰めたギャラルは何度も斬り刻む。カイムのように一閃して終わらせることは出来ないからこそ、何度も剣をぶつける。
カイムが戻ったレッドドラゴンも、ギャラルの元へ走る部隊を炎で焼き付くしていく。ギャラルは赤い鎧の兵も相手にすると言っていたが、先程の様子を考えたのか、或いは自分の手で殺したいのか……カイムは赤い鎧の兵の元へ飛び降り剣を振るう。
殺戮の繰り返しで、何とか神殿の近くへ辿り着くカイム達。どれだけ殺しても無尽蔵に湧く帝国兵、彼らの侵攻を許してしまえば世界は終わるかもしれないのだ。
世界を守るためか、復讐のためか、その手伝いのためか。もはや理由など意味はない。ただひたすらに剣と炎が飛び交い帝国兵を殺していく。
殺し、殺し、殺していき、どうにか数が減ってきたという所で次々と矢が降り注ぐ。弓兵部隊の増援が現れたのだ。
「イウヴァルトのハープが落ちておったな……」
空から戦っているからこそ、レッドドラゴンは気がつく。イウヴァルトのハープが戦場に落ちていることに。イウヴァルトの行方は気になるものの、まずは目の前のことが優先だ。
弓兵部隊を殺すために、レッドドラゴンの背に戻ったカイムと共にそちらへと向かう。矢を躱しながら接近し、カイムを弓兵部隊の近くへと落とす。
カイムはブレイジングウィングを唱え、次々と炎の弾を撃ち出す。炎は炸裂し、弓兵を焦がしていく。
直後、角笛の音色が神殿の方向から鳴る。何かの能力をはらんだ音ではなく、ただ純粋な音。
「こちらは陽動であったか!急ぐぞカイム」
急いで神殿の近くに戻れば、赤い鎧の重装兵に囲まれ身動きが取れなくなっているギャラルと、守りのいない神殿へと走る帝国兵の残党達。
ギャラルも剣での戦いに慣れてきたのか、重装兵の剣をうまいこと躱し、鎧と兜の隙間へと剣をねじ込んでいく。そこにカイムが現れ、あっという間に重装兵を死体へと変えていく。
剣での戦いなら、カイムに勝つことは難しいなと少しだけ考え、今は考えごとをしている場合ではないと正気に戻ったギャラルは、カイムと共に神殿に向かった残党を追撃すべく走り出した。