この世界の事を知るべく、赤いドラゴンに促されるまま城内へと突入していく。
城内に突入して見たものは、死体の山だ。無惨にも斬り捨てられた死体があちらこちらに倒れている。
ドラゴンの言い方だと、一人の男が戦っているように聞き取れたが、まさか一人でこれだけの相手を倒したのだろうか。
……いや、耳を澄ませばまだ剣戟は聞こえる。それも複数だ。流石に一人ということではないらしい。
走るよりも飛んだほうが早いだろうと、ギャラルは飛行に切り替える。その分魔力を少し使ってしまうが、道を知らない城の中を彷徨い続けるよりかはよいだろうと考えたのだ。
「子供!?何故こんなところに」
「待て、飛んでいるぞ。普通ではない」
兵士たちがギャラルを見つけ、声を上げる。ギャラルもそちらを見るが、どうやらこの兵士たちは先程の男と違い、明確な殺意は持っていない。こちらの正体が分からないから警戒しているだけだと理解する。
「ギャラルは帝国側じゃないわ。貴方達は?」
兵士たちはお互い顔を見合わせ、少し警戒は残しつつも話してくれる。
「私達は連合軍だ。知らないのか?」
「そもそも何故こんな所にいる。ここは危ないぞ」
「ギャラルも分からないの。気がついたらこの近くにいたわ」
連合軍。どうやら帝国軍と連合軍による争いらしい。
彼らは、帝国軍と戦っており、今はこの城の上部にいる封印の女神を守るために戦っていることを話してくれた。
更に、その上部にはカイムという男が駆けつけていることも話した。きっと、その男がドラゴンの話していた男なのだろうと考えた。
「ありがとう。私も行くわ。止めないと」
「何度も言うが、ここは危険なんだ。子供は……」
「ギャラルは平気よ。強いから」
また飛び立とうとした直後、複数の足音がする。甲冑を纏っているからこそ、その音はよく聞こえる。
彼らを説得するため強さを証明するのにもちょうどいいだろうと、そちらへと向かう。待ち構えるように剣を握る兵士たちを押しのけ、神器ギャラルホルンを手に取る。
魔弾を生成し、次々と撃ち出す。今度は殺すつもりで。もしここでトドメを刺さなくとも、連合軍の者たちがトドメを刺すか、逆に殺されかねない。
狭い通路だからこそ、帝国軍の兵士たちは避けることは出来ない。盾で防ごうとするものの、一撃で盾が吹き飛ばされ、その次の弾に直撃する。魔弾は炸裂し、周囲の兵士も巻き込んでいく。
……気配はなくなった。
「強い……魔法まで使えるのか」
「何なんだ、その角笛は。武器なのか?」
「そんな所よ。じゃあね」
連合軍の兵へ別れを告げて、改めてカイムという男の元へと向かった。