ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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レッドドラゴンの傷の癒え、イウヴァルトを追うべく帝国領土へと向かう。
その最中に帝国領に進軍している亜人の軍団を発見する。まずは空の部隊を殲滅すべく、レッドドラゴンは飛翔する。


第3節 残存の勢力

 カイムとレッドドラゴンは上空に飛び立つ。そこで待ち構えていたのは今まで相手にしてきた兵器とは違うものであった。船と言うべきか、気球と言うべきか……少なくともこれまでとは全く違う敵に、帝国領土へと近づいていることを実感させる。

 ギャラルたち残りの者もまた、地上から進んでいく。砂漠の時とは違い、カイムたちだけで進む訳にもいかない。遅れを取らぬように進んでいく。特にヴェルドレは神官長であり、連合軍最高指揮官でもあるのだから、死なせる訳にもいかないのだ。

 気球型の船は大砲を発射しドラゴンを落とそうとする。しかし今まで相手してきた兵器群よりかよほど容易い相手だ。ただの大砲なので軌道がわかりやすく、気球でしかないのでドラゴンの炎で簡単に墜落していく。

 しかし、数が多い。気球ともなれば乗員が必要になるはずだが、その数は兵器群と同じかそれ以上あるのではないかと錯覚させるだけの物量がある。

 

「この数、どうやら帝国軍との決戦の日は近づいているようだな。と今は帝国領土に向かうことが先決のようだ。いくぞ!」

 

 イウヴァルトとの決着やフリアエのこともあるが、そもそも帝国軍に連合軍が負けてしまえば取り返しがつかなくなる。

 気球部隊を次々と壊滅させるレッドドラゴンだが、ガーゴイルやワイバーンといったこれまで戦ってきたものまで現れる。やはり帝国領に戦力を集結させつつあるらしい。

 地上にも塔のような砲台が幾つもあり、レッドドラゴンを落とさんとばかりに大砲を発射していく。

 

「エルフの里を襲ったのは、あの種族のみ持つ封印番の力を欲したせいでありましょう」

 

 戦いの中、ヴェルドレは帝国軍の目的を考え語る。各神殿には封印番となる種族が存在し、エルフもまたその一つだという。封印を破壊しようとしていることを考えれば、エルフの里を襲撃したのもおかしくはない。

 地上戦力の中で唯一飛べるギャラルは、砲台の破壊を優先するため狙える距離まで進み、神器の力で破壊していく。少しでもレッドドラゴンの負担を減らすために。

 

「"契約者"とは、かけがえのないモノを失ってでも強大な力を手に入れたいと欲した人間のことだ」

 

 圧倒的な力で帝国兵を蹴散らすカイムのことか、或いは憎しみに飲まれてしまった自分のことか、ヴェルドレは呟く。

 見える範囲の砲台を破壊し終えたギャラルは、暗い表情をしているヴェルドレに笑いかける。

 

「何も恥ずかしいことじゃないわ。ギャラルだって、力はほしいもの」

「ギャラル……憎しみに焼かれてはならぬ。慈悲を持って……いや、今の私に語れる言葉はあらぬか」

 

 言葉を止めてしまうヴェルドレを少し悲しそうな表情で七支刀は見ていた。憎しみに飲まれたヴェルドレに、他者を止める権利は本当にないのだろうか……

 帝国との戦いで"深化"していくレッドドラゴンに、今まででさえ敵わなかったガーゴイルやワイバーンが勝てるはずもなく、為す術もなく散っていく。しかし戦力はまだ増えていく。

 新たな気球部隊が姿を表すが、先程までのものとは違う。戦艦と形容もできるような巨大な気球船がいくつか姿を表す。

 

「”再生の卵””女神””天使の教会”……空洞の欠片ばかり集まりおって!」

 

 複数積まれた砲がレッドドラゴンを落とすべく弾幕をはっていく。しかしそれら以外を全滅させられているため、もはやただの大きい的にすぎない。

 レッドドラゴンの炎を受け止めきれずに墜落していく気球船、これ以上の増援がないことを確認するとカイムは地上部隊を殲滅すべく低空へと降りていった。

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