ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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カイム達は、モンスターの記憶から帝国領土への近道を読み取る。そこは石で造られた大型ゴーレムと帝国兵によって守られている侵食された谷だった。

だが、世界を護る封印が次々と破壊されている現在、一刻の猶予も無いカイムはその場所を通って帝国領土へと向かう。


第7節 石の声

 雪原からレッドドラゴンに従い進めば、入り組んだ狭い谷にたどり着く。レッドドラゴンだけならば超えることもできるかもしれないが、全員で進軍するために素直に谷の中を進むことになる。

 ゴブリンの部隊があちこちに隠れており、奇襲を仕掛けてくるがカイムとギャラルの剣によって殺されていく。しかしその中に、魔術士が混ざっていた。しかも赤いローブを着ており、こちらの魔法は通らなそうだ。

 ゴブリン部隊を囮にするかのように、離れた位置から魔法弾を飛ばしてくる。しかし魔術士の数が多くはないのと、ゴブリンがうまく連携を取れていないのかそこまで苦労はしなかった。

 ゴブリン部隊を全滅させた後に、ギャラルが飛翔し逃げようとする魔術士へ追いつく。逃げられないと悟った魔術士は魔法弾を飛ばすが、囮もいないこの状況で当てられるものでもない。簡単に避けられ、返す刃で斬り捨てられる。

 

「ここにはブラックドラゴンの気配はない。しかし、また別の……」

 

 レッドドラゴンが、この谷に潜んでいるのがゴブリン部隊だけではないと気配を感じ取っていた。

 カイムたちが谷を進んでいけば、その正体が現れる。岩で作られた人造兵器、ゴーレムが鎮座していた。塔に足を付け、浮遊する両腕を付けているような姿をしているそれは、カイムたちに気が付き立ち上がる。

 更に、ここが本命だったのか赤いローブを着た魔術士も複数配置されているのが見える。七支刀は神器を解放したばかりで戦力にならないため、カイムとギャラル、レッドドラゴンだけでここを乗り越えないといけない。

 ゴーレムの装甲に剣は通じないだろうと、カイムはレッドドラゴンに乗る。ギャラルはレッドドラゴンを妨害してくるだろう魔術士を斬ることに専念することにした。

 魔術士はレッドドラゴンとギャラル、半々くらいに分かれて魔法弾を飛ばしてくる。結構な数なのと、レッドドラゴンにとって狭い場所なのも相まって躱すだけで精一杯になってしまう。ギャラルはなんとか弾幕を掻い潜り、魔術士に斬りかかる。しかし、斬りかかる瞬間を狙って四方八方から魔法弾が飛んでくる。紙一重で躱したが、近くに着弾した魔法弾が爆発を起こす。それは避けられず飛ばされた方向には、振り下ろされようとしているゴーレムの腕。先には巨大な剣も付いており、まともに喰らえば死んでもおかしくない。しかし一瞬だけ動きが止まり、ぎりぎりで避けることに成功する。

 剣を振るえないからと、七支刀は呪術で支援したのだ。

 

「七支刀よ、あまり無理をするでない」

「ですが、何もしないわけにも!」

 

 しかしそのせいで魔術士たちは七支刀やヴェルドレに気がつく。何人かは狙いをそちらに変えようとする。ただ、結果としてチャンスになった。

 弾幕が手薄になった瞬間を狙い、レッドドラゴンの炎はゴーレムにぶつけられる。一撃で破壊とはいかないが、足止めにはなる。そしてギャラルが、七支刀の方向を狙おうとしている者を優先して殺していく。

 そして数が減った魔術士はもはや脅威ではなくなった。レッドドラゴンがそのままゴーレムの相手をしつつ、残りもデボルポポルの錆になっていく。残るはゴーレムのみ。

 

「ギャラルも神器を使うから、同時攻撃でいくわよ!」

「ふん、そこまでせぬともゴーレムくらい破壊できるわ」

 

 あまり乗り気ではなさそうなレッドドラゴンが、攻撃の手を緩める。ギャラルが神器ギャラルホルンを鳴らし扉を呼び出すと、レッドドラゴンも強力な一撃を放つべく炎をためていく。

 そして放たれた強力な同時攻撃に、ゴーレムは耐えることは出来ず粉砕され石に戻っていく。

 ゴーレムを倒したことで、残りは大したことはなかった。逃げずに残っていたゴブリンを殺し進んでいく。

 

「おぬし、殺すため以外に人間を見つめたことがあるか?」

 

 ふとレッドドラゴンがカイムへと問いかける。何も答えれないカイムではなく、ギャラルがそれに答えた。

 

「あるわ。少なくともフリアエやイウヴァルトのこと、そんな目では見てないでしょう?」

 

 自分のこともそうだといいなと思いつつ、あえて名前はあげない。カイムがギャラルのことをどう思っているのかいまいち分からないし、否定されれば普通につらい。

 残敵も掃討し、谷を抜ける道を発見する。ここから進めば帝国領土へとたどり着くはずだ。

 一刻も早く帝国領土へと行くために、カイムたちは進んでいくのだった。

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