だがそこに帝国軍が持ち出したのは、外法の技術で造り出された巨大人造兵器サイクロプスであった。その巨体の前に、連合兵士達は立ちすくむ。
カイムは連合軍の戦況を有利に導くために、空からサイクロプスをドラゴンで攻撃する。契約者の圧倒的な力で連合軍を勝利に導け!
「ギャラルと七支刀は地上の兵を支えよ。一つ目は我の炎で焼き尽くしてやろう!」
カイムとレッドドラゴンはサイクロプスを破壊すべく空に飛び立つ。山のように巨大であり、頭の周りに作業用の足場が取れずに残っており、両手を後ろで縛られているという奇妙な姿をしている。
まずは一番近くのサイクロプスを破壊するために飛び立つが、サイクロプスを守るためか帝国軍の小型兵器も複数配置されている。しかし小型兵器など今更敵にもならず、軽くいなしながら次々と炎で破壊していく。
しかし小型兵器に気を取られている隙を狙い、サイクロプスは一つ目から巨大なな魔力弾を放つ。ぎりぎりで魔力弾を躱し、更に小型兵器を全滅させる。更に弱点でもある一つ目へと炎を連続で撃ち込んでいく。一対一に持ち込んでしまえば、動きが愚鈍なサイクロプスに勝てる要素はない。
何度も弱点に当てられるドラゴンの強力な炎に遂に耐えきれなくなったサイクロプスは破壊されていく。
次のサイクロプスまで飛翔するレッドドラゴンだが、そこにも小型兵器が複数配置されている。だがやることは同じだ。
2体目のサイクロプスも、まずはサイクロプスの攻撃に警戒しながら小型兵器を軽く蹴散らし、一対一に持ち込む。そうなってしまえばやはりサイクロプスには勝ち目がない。ある程度は耐えても、破壊されるのは時間の問題だ。
更に、レッドドラゴンとカイムによって次々と破壊されるサイクロプスを見て、怯えていた連合軍の兵士たちも士気を取り戻す。いや、開戦前よりも更に上がっている。カイムと同行していた隊を除けば、彼らの力をこの目で見たものはいなかった。その圧倒的な力で絶望的と思われたサイクロプスを破壊していく様は、希望と言っても違いないだろう。
「サイクロプスを人工的に繁殖させるなど、正気の沙汰とは思えぬな」
複数いるサイクロプスを前に、レッドドラゴンがふと呟く。カイムはあのサイクロプスというものが具体的にどういうものかは知らないが、レッドドラゴンは知っているのだろうか。
しかしサイクロプスが何であれ、破壊するのみ。
次のサイクロプスに向かうと、今度は小型兵器ではなく蝙蝠型の魔物が周囲を飛んでいた。うっとおしくはあるが、こちらへの攻撃も特にしてこない、先程と同じく破壊してやろうとするが、サイクロプスが攻撃しようとした瞬間に蝙蝠が一つ目の周りに集まる。
嫌な予感がしたカイムはサイクロプスの後ろに回るように指示。直後発射された魔力弾は分裂、反射し追尾弾となりレッドドラゴンを襲う。背後までは追尾しきれなかったか幾つかは明後日の方向に飛んでいったが、逆に残りの幾つかがレッドドラゴンの方向まで向かってくる。弾はかなり素早く、躱しきれずに少しだけ当たってしまう。
しかし、弾を分裂させていたからかそこまでの被害はなかった。一撃なら大したことがないとはいえ、連発されると危険だと考え、蝙蝠の駆除を優先する。
サイクロプスの周りを飛び回るため素直に炎を吐くだけで仕留めきれないと、大魔法を解放する。追尾弾で当てられたならこちらも追尾弾をお返しだと言わんばかりに、大量の炎の追尾弾は撃ち出され蝙蝠が殲滅されていく。
そうなればサイクロプスも先程の二体と変わらない。レッドドラゴンの炎によって塵になる。
最後の一体も追撃すべく迫るレッドドラゴン。蝙蝠の魔物がまたいるため、先制攻撃で大魔法を解放。最初の二体には温存していたこともあり、もう一度放てるだけの魔力が残っていた。
蝙蝠も突然の攻撃を避けきれるはずもなく全滅。丸裸になったサイクロプスも同じく撃沈される。
「これで一つ目は全て倒したようだ。あとは帝国の残党狩り、おぬしの好きな時間だぞ」
地上部隊へ加勢するために戻るカイムには、凶悪な笑みが浮かんでいた。