ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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ブラックドラゴンが入る気流を利用して空中要塞の高度に達したカイムたち。

要塞内部へ侵入してフリアエの捕われている祭壇に進め!


第3節 定め

 カイム達を迎え撃つためか、貝殻の周囲にはワイバーンが集まっていた。レッドドラゴンの敵ではないが、進路を妨害されブラックドラゴンを見失ってしまう。

 数も多く、飛ばす炎は小さいが弾幕が作られ中々貝殻に接近できない。

 いち早く要塞内部に突入し、フリアエを救わないといけないカイムが焦れている。その様子に気がついたギャラルが、カイムの手を優しく握る。

 少し驚いたようにギャラルへ振り向き、それから前を向き直す。繋がれた手を、離すことなく。

 少し時間は奪われたが、ワイバーンの炎ごときでレッドドラゴンの炎を止めることなど出来ず、道は開かれていく。

 要塞へと接近するも、貝殻の内部から複数の砲台が狙っている。

 

「まずは砲台を倒して近づくしかなさそうだな」

 

 レッドドラゴンも流石に砲台を無視してカイム達を要塞へ突入させられるとは思わないのか、砲台を壊していくことを優先する。

 ワイバーンの群れを振り切り、貝殻の内部へ侵入。設置されている砲台を順番に破壊していく。

 

「この程度の攻撃で我が落ちるとでも?笑止!」

 

 カイム達を降ろすのはともかく、自由に飛び回れるならこの数の砲台など大したことないと、軽く避けながら砲台へ炎を返していく。

 

「奴らはもう人間ではない。壊れた機械だ。倒すのも虚しかろう」

 

 砲台を操作している帝国兵を見ながらレッドドラゴンは呟く。今までの戦いでも見てきはしたが、人間ではないと言われて納得できるものはある。

 

「せめて、死んだ後は報われるのかしら」

「行き先があるとすれば、地獄だろうな」

 

 帝国、いや天使の教会に操られ壊れた機械にまで墜ちた帝国兵でも、死が悲しみを終わらしてくれるのではないかとギャラルは考える。

 しかしレッドドラゴンの言う通り、ここまで世界を滅茶苦茶にし殺し回ってきた帝国軍が、天国に行けるとは中々考えられない。

 雑談に応じる余裕もあるのか、ひらり砲撃を躱し順調に砲台を殲滅できている。周囲の砲台は全て破壊し終え、より内部へと侵入していく。

 

「さすがのおまえも、これだけの命を奪うのは心苦しいか?そうでもない……か。ギャラルもよくこの男に付き合おうと思ったものだ」

「ギャラルだって、世界を終わらせようとしたことのある悪い子よ?ふひひ……」

 

 カイムはともかく、ギャラルは流石に思うところはある。世界を終わらせようとしたことだって、歪んではいたが善意からの行動だし、今だって世界を救うという大義名分はあるが、だからといってこれだけ殺し続けていることに何も感じないほど割り切れる性格でもない。

 それでもやらなければ世界は滅ぶし、カイムにも付いていけない。だから平気なフリをしてでも、無理矢理でも笑った。

 レッドドラゴンも、それがから元気だと理解できないほど頭が悪くはないが、あえてそれを指摘するほどの愚かさもない。

 要塞中枢部まで突入すると、縦に広い空間に出る。貝殻と言うだけあり、外周は横に広く縦に狭い空間だったがここだけはその反対だ。更に、内側の壁には先程までとは比べ物にならない数の砲台が並んでいる。

 しかし、それらをまともに相手する気などなかった。ワイバーンや外周の砲台を素直に落としてきていたため、魔力は十分溜まっている。

 大魔法を解き放つと、砲台は次々と焼かれ破壊されていく。本来なら大量の砲台でレッドドラゴンを袋叩きにするつもりだったのだろうが、逆に砲台があっという間に全滅させられる。

 更に、内部へ入れるだろう道を発見する。

 

「我は狭くて付いていけぬ。ギャラル、おまえが暴れる番だぞ」

「ぬひひ。カイムのことは任せてほしいわ。行きましょう!」

 

 二人はレッドドラゴンの背から飛び降り、内部へと突入していく。

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