ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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空中要塞内部に降り立ったカイムとギャラルホルンは、フリアエを救うために奔走する。
しかし帝国兵達もそれを阻止すべく立ちはだかる。


第4節 汚れた祈り

『まよわず突き進め!その手でおのれの妹を連れ帰れ!』

 

 "声"で、カイムを後押しすべくレッドドラゴンが叫ぶ。ギャラルには聞こえないが、カイムにはしっかりと聞こえている。

 普段なら帝国兵を皆殺しにすべく剣を振るうカイムだが、今だけは違った。一刻も早くフリアエを救うべく、邪魔な帝国兵だけ斬り捨て進んでいく。

 ギャラルも同じくカイムが安心して進めるように、背後から迫る帝国兵を魔弾で吹き飛ばしていく。ここまで魔力を温存できたからこそ、ここから好きに暴れられる。

 しかし、すぐにその作戦は止まってしまう。敵の本拠地なだけあり、赤鎧の兵士が多いのだ。魔弾が大して使えないのならばと、神器の能力を迷わず解放する。カイムを少しでも早く辿り着かせるために、ギャラルホルンを鳴らす。

 その音色を聞いたカイムの手はより強く剣を握り、迷わず帝国兵を一刀両断する。カイムの動きの変化を確認したギャラルも、デボルポポルに持ち替え帝国兵を斬り刻む。

 迷宮のように複雑な道を走らないといけないため、どうしても道に迷ってしまいそうになる。何か道筋がないかとカイムはギャラルに尋ねようとするが、当然声は出ない。"声"も駄目なので、素直に帝国兵を倒していくしかないだろうかと考えた矢先、ギャラルが何か気がついたようだ。

 

「奥から来る帝国兵の音を聞ければ、道が分かるかもしれないわ」

 

 手段を選んでいる時間はない。カイムはギャラルが音を聞き分けるのに集中できるように、周りの敵を排除しながら進む。

 そしてカイムを先導するように進み始める。一般兵が雪崩込むようにやってくるが、扉を呼び出し強大な魔力で一掃する。赤鎧の兵士でなければ、敵でさえない。

 

「天使、女神、天使、メガミ、テンシ、メガミテンシメガミ……」

 

 壊れた機械らしく何か呟いているのがギャラルには聞こえてしまうが、恐怖する心の余裕さえも残っていない。

 世界を、カイムを守るために、フリアエだけは救わないといけないのだ。今足を止めてしまえば、それだけフリアエを救える可能性を失っていく。

 音を聞き分けていく中で、どうやら上の階から降りてきていることに気がつく。とある方向に集まり、音は降りてくる。階段がそこにある筈だと、カイムと一緒に進んでいく。

 音を頼りに進んだ先に、予想通り上りの階段がある。カイムが先に上っていき、下の階から押し寄せる帝国兵にはギャラルがもう一度扉を呼び出し蹴散らしていく。

 上がった先の階で、真っ直ぐ進んでいくと結界が見える。わざわざ結界を張っているということは、正解の道で間違いない。問題は結界を張っている人、または装置を探さないといけないが、別れて探すべきか一緒に探すべきか少し考える。別れて探せば効率がいいが、二人一緒なら邪魔する帝国兵を蹴散らすのが速いだろう。

 しかし、二人の思考は止められる。

 

「兄さん……兄さん……いやぁぁあああああ!」

 

 カイムには"声"として、ギャラルには声としてハッキリと聞こえた。フリアエの身に危険が迫っている。

 

『フリアエの"声"が聞こえたか?走れ!』

 

 考えている余裕さえ残されていない。二人は自然と別の方向へと動き出す。

 もはや帝国兵を相手している余裕さえないのかもしれない。カイムは信義の魔法で凍らせ、ギャラルもデボルポポルの魔法で炎を纏いつつ天井スレスレを飛び、帝国兵を躱していく。

 二人共、何らかの装置を発見する。それを守るように帝国兵が何人か配置されているからには、重要な装置なのは間違いないだろう。

 装置の破壊の邪魔になるであろう護衛の帝国兵を斬り、或いは魔法で吹き飛ばし、二人は装置を破壊する。しかし、ギャラルは結界へ流れる魔力が残っているのを感知する。カイムはそこまでは分からないだろうと、ギャラルホルンを鳴らしながら別の装置を探し飛ぶ。

 カイムも反響するギャラルホルンの音を聞きつつ、これで終わりでないことを悟る。まだある筈の装置を探すために走り出す。

 お互いにもう一つづつ装置を発見し、護衛の帝国兵ごと破壊する。

 

『………き……』

 

 カイムへと、"声"が聞こえる。あまりにもか細く弱い声は、流石にギャラルには聞こえない。

 何て言ったのかさえ分からないくらいに弱々しい"声"に、カイムは怒りを高めていく。それと同時に焦燥感に駆られる。

 ギャラルホルンの音は鳴らない。先程結界があった場所まで走ると、ギャラルも戻ってきていた。結界は消滅し、道は開けている。

 カイムの顔を見たギャラルは少し驚きながらも、本当に時間が残されていないことを察してしまう。

 結界の先は階段になっており、三階へと上がっていく。念のためまた扉を呼び、迫る帝国兵を散らしつつ進む。

 

『女神の"声"が……弱い。弱いぞ。急げ!』

 

 レッドドラゴンに言われるまでもなく、二人は急ぎ要塞内を進んでいく。

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