ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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これまでは見下していた、人間という愚かな存在。
だが、カイムとギャラルの二人へと不思議な居心地の良さを感じながら、ドラゴンは飛び立つ。

その頃、地上では七支刀が魔物や帝国兵と戦い道を切り開いていた。

それぞれ向かう先は、司教マナ、全ての元凶。


第3節 旧き都

「もはや我らより強いものはおらぬ。命が惜しければ道をあけろ!」

 

 伝説さえ超え、己をも超えたレッドドラゴンは勇ましく吠える。道を塞ごうとする塵芥も、彼女の炎の前には時間稼ぎにもならない。

 

 空でレッドドラゴンが雑魚を蹴散らしている間、七支刀は戦っていた。連合兵も気力も体力も削がれ、自衛が精一杯。いや、それさえ満足にできずに七支刀がカバーに入りながらの戦いになっていた。

 しかし、空での戦いに触発された七支刀は、より前に出て戦っていた。巨大化させた七支刀を維持するのにある程度魔力はいるし、それを振り回すのにも体力を使う。それを理由に諦めるのは簡単だが、そんなことをして世界を救えるほど甘くはないと理解もしている。

 

「ヴェルドレ様、援護をお願いします!」

「もう無駄だ!封印の女神亡き今、私に出来ることなど」

「無駄ではありません!わたくし達に、出来ることをするのです!」

 

 もう何度繰り返したか分からない。封印が解かれ役目を見失い、更には絶望的な光景に心を折られ、帝都の恐ろしい様に恐怖し、それでも七支刀が引っ張ってきた。

 カイムであれば足手まといだと切り捨てていてもおかしくないが、七支刀にはそう簡単に割り切れるものでもなかった。

 

「カイム様も、ギャラルホルン様も戦って、エンシェントドラゴンを倒したのでしょう?」

「……そうだ、あの人達がいれば伝説だって敵じゃないんだ。私たちにもやれることはある筈だ!」

「カイム隊長はドラゴンと契約したから強いんだぞ?俺たち普通の人間に何が!」

 

 粘り強い説得の中で、僅かに士気を取り戻し始める兵士もいるが、そうでない者もいる。これまでの道中でも何人かやられ、それなのに進むたびに悪化していく状況に足が竦んでも、責められることではない。

 

「わたくしは、一人でも進みます。着いてこれない方は、休んでいてください」

「……ああ、私は行きましょう。こんなところに取り残されるくらいなら、進んだほうがマシだ」

 

 随分と後ろ向きな理由だが、ヴェルドレは七支刀に着いていくことを選択する。着いていっても怖いものは怖いが、こんなところに取り残されてもやはり怖いものは怖いのだ。

 

「七支刀さん!後ろ!」

 

 ヴェルドレや連合兵に気を使っていた七支刀は、後ろから接近するオーガに気がついてなかった。連合兵の一人に言われ、咄嗟に攻撃を防ごうとするが、間に合わない……!

 見ていた者がそう思っていた中、空から落ちてきた何かがオーガへと突き刺さる。それはオーガの背中から離れ、七支刀の方向に倒れないように蹴り飛ばす。

 その落ちてきたものの正体は、ギャラルだった。

 

「ギャラルホルン様!?」

「空はカイム達に任せて大丈夫だから、降りてきたわ。無事?」

 

 エンシェントドラゴンとの戦いの中で、ヴェルドレの声が届いていたことを思い出し、地上に来ているはずだというレッドドラゴンの主張を聞き、ギャラルは先んじて地上へ降りてきたのだ。

 強力な援軍が来たのも相まって、残りの連合兵もまた進軍するための勇気を得る。

 帝都のアスファルトを蹴り、縦に長い変わった形状の建物の並ぶ不気味な街を、彼女らは進んでいく。

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