ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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海上要塞で祭壇に辿り着いたカイム達だったが、フリアエは空中要塞に運ばれた後だった。絶望するレオナールを叱咤し、カイムは空中要塞に空間移動する。
そんなカイムの前に、ギャラルホルンが現れる。


第拾壱章 別離
第1節 罠


 転移の光が収まると、そこは要塞の中だった。

 

『カイム。私は別の場所へ飛ばされたようです。手分けして女神を探しましょう』

『空中要塞だな?我も向かおう。……死ぬなよ』

 

 レオナールとアンヘルからそれぞれ声が届く。カイムもフリアエを探しに行きたいところだが、目の前にいる相手のせいで動けない。剣を抜き警戒する。

 

「ふふ、そんなに警戒しないでよ、カイム」

 

 ギャラルホルンだ。相変わらず赤い目でこちらを見ている。ここに来るのが分かっていたのか、ここで待っていたのか。しかも他の帝国兵の姿はない。

 

「フリアエの所へ案内するわ」

『何故だ?お前はフリアエを殺し世界を再生させるのではなかったのか?』

「サイセイ……?」

 

 まるで初めて聞いた言葉化のように、目を丸くしながら呟く。なるほど、もはや何が目的だったかも見失っている。狂気に飲まれたか。

 

「もう十分時間はあげたでしょ?世界が滅ぶこと、受け入れられるわよね?」

『ふざけるな。フリアエを殺させはしない』

 

 ハッキリと否定する。帝国の傀儡と化したこの女と話すことなど今更ないが、かなりの強敵なのは事実。襲いかかってくるかと思い構えるが、想像もしてなかった反応をした。

 

「……なんでギャラルを否定するの!?カイムの馬鹿!世界が滅んだ方が絶対に幸せだよ!?」

 

 それは、癇癪を起こした子供のようだった。ぎゃんぎゃんわめいたと思えば、ぎゃーぎゃー泣き出してしまう。

 相手にするだけ時間の無駄だと思い、無視して進もうとするが腕を掴まれる。振り払おうとするが、見た目からは想像できないほどの怪力だ。

 

「ギャラル、司教にカイムを連れてきてって言われてるから、一緒に行けば帝国兵もいないわ」

『……何?』

 

 司教が俺を連れてこいと言った?分からないことが多すぎる。

 間違いなく罠だろうが、こちらにとっても好都合だ。罠など壊してしまえばいい。

 

「ギャラルはね、カイムを悲しませたい訳じゃないの。ただ世界が滅んだほうが幸せだってみんなにわかって……!?」

 

 言い訳するようにまくし立てるギャラルの頬を叩く。

 

『俺のためだと言うなら早く案内しろ』

「……うん」

 

 ギャラルホルンは、まるで空中要塞を自宅の庭のように慣れた手つきで進んでいく。レオナールが戦っているのか剣戟の音は響いてくるが、自分たちの進む道には誰もいない。

 

『司教は何故俺を連れてこさせる?』

 

 間違いなく狂ってはいるものの、カイムのためカイムのためだとわめいてるギャラルホルンなら、答えるのではないかと質問をしてみる。

 

「封印を破壊するためだって。カイムのお陰で世界は救われるのよ?ぬひひ」

 

 世界が滅ぶことを、世界が救われると本気で思っているのだろう。そこには邪気のない、純粋な笑顔を浮かべるギャラルホルンの姿。

 こいつと会って、帝国に堕ちるまでの僅かな時間を考えても、そういうことを言いそうには見えなかった。何がこいつをこのまで狂わせた?

 ……少し考えて、どうでもいいと思考を終わらせる。中途半端に理性が残っているせいで相手しづらいが、敵は敵だ。フリアエを助けたら殺してやる。

 カイム達は要塞を下っていく。どうやら高い階に来ていたようだ。レオナールの気配は遠のいていく。あくまで俺に用があるということか。

 

『我の"声"が聞こえていたら、返事をしろ。無事にたどりついたのか?』

 

 アンヘルの"声"が届く。空中要塞まで近づいてきているのだろうか。

 

『ああ、俺は無事だ。だが罠かもしれない』

『ほう?あのキル姫がおるのか。気をつけよ、何が仕掛けてあるかわからんぞ』

「……どうしたの?祭壇が見えてきたわ」

 

 "声"でアンヘルとやり取りしていることには気づいてないようだ。ギャラルホルンの案内で、祭壇とやらに近づいている。

 扉を開け祭壇に飛び込むと、そこにはフリアエがいた。

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