でもあった。
海の神殿、砂漠の神殿、森の神殿、そして女神フリアエ
この4つの封印を帝国の魔の手から守る事がヴェルドレ
の使命であり、その為彼は砂漠にいた。
彼にフリアエを託したカイムはエルフの集落を探索していた。
その中で、帝国兵の死体の側に血文字が書かれているのを発見する。
「……天使を語ってはならない。天使を描いてはならない。天使を書いてはならない。天使を彫ってはならない。天使を歌ってはならない。天使の名を呼んではならない。……なんだ、これは!?」
ドラゴンが血文字を読み上げる。奇妙な詩が書かれていたのだ。
ドラゴンの声を聞いたギャラルと七支刀は、カイムの元へやってきた。
「先程のキル姫か。連れて行く気か?」
「あなた様がカイム様ですね。わたくしは七支刀です、よろしくお願いします」
そう丁寧に挨拶する七支刀に、カイムは剣先を向ける。
「戦えるのか?」
言葉を話せないカイムの代わりに、レッドドラゴンが語りかける。カイムは足手まといを連れて行く気はないのだ。
「大丈夫です!世界を平和にするための戦いなら出来ます!」
「この男がそんな純粋な願いで戦っていると思ったか?」
「理由は何であれ帝国は倒さないといけないわ。目的が一致するなら大丈夫よね?」
ギャラルの問いかけに、カイムは剣を仕舞う。世界の平和など知ったことではないが、帝国に復讐しフリアエを助ける為ならば共に戦う分には構わない、そういうことだろうとギャラルは解釈する。
「しかし、天使か。お前たちは何か知らないのか?」
レッドドラゴンは、ギャラルが天使を知っていたことを思い出す。何か関係がないのかと睨んだのだ。
「そんな詩、聞いたことないわ。それよりも、さっきエルフの人が言っていた"天使の教会"の方が怪しいと思うわよ」
「そ、そうです!エルフの皆様がその"天使の教会"の宮殿に攫われたようなのです。助けに行きましょう!」
ギャラルはここまで一緒にいて、カイムが見知らぬ誰かを助けるために動くとは思えなかった。
……しかし、別の理由ならば。
「つまり、そこに帝国軍はいるのだな」
レッドドラゴンの確認。やはり、そういうことなのだろう。
「帝国と"天使の教会"か。どちらにせよ行く価値はある。飛べるか、七支刀」
レッドドラゴンは、ギャラルが飛べることは知っているので七支刀に問いかける。
「いえ、わたくしは飛ぶことは出来ません」
「そうか、ならばここで待っていると」
レッドドラゴンの言葉は中断する。
「何?乗せてやれだと?」
レッドドラゴンはキル姫もただの人間でしかないと考えている。だからこそ、契約者でもないキル姫を乗せることを躊躇う。しかし、戦力も多い方が良いというのもまた理解はしている。
少しの沈黙、カイムと"声"で話していたのだろう。
「分かった。七支刀、おまえはカイムと共に我に乗れ。ギャラルホルンは自力で飛べ。我の翼に付いてこられるか?」
「ちょっと、自信がないわね……」
カイム達のこれからの方針は決まった。近くの渓谷にあるという宮殿へと向こうことになった。
森から出てレッドドラゴンと合流、カイムが乗り、その後ろに七支刀が乗る。
まずは宮殿を探すために上空へと舞った。ギャラルも遅れ、ドラゴンを追うように飛び立った。