ギャラル達は、「天使の教会」と「帝国軍」に何か繋がりがあるのではと考えていた。
その疑問に答えるべく、ギャラル達はエルフ救助のために
空から宮殿を目指す。
上空にも、やはり帝国軍は待ち構えていた。
「エルフ達は封印を司る神殿の番人。彼らが無事ならよいのだが……」
ドラゴンは呟くが、その言葉の意味を尋ねている場合ではない。特にギャラルは付いていくだけでも精一杯だったのだ。なのに帝国軍との戦闘とまであれば消費は激しい。
「ギャラルは先に宮殿の近くまで行ってみるわ」
ドラゴン達に伝えると、ギャラルホルンの音を響き渡らせる。
音を聞いたドラゴン達から燃え上がるような闘志と、力がわき出てくる。
「この様な力も持っていたか……!行くぞ、カイム!全て蹴散らして見せようぞ」
レッドドラゴンは高く飛翔し、追いかけてくる蝙蝠型を纏める。直後、一転し炎を吐き群れをまとめて焼き尽くす。
遅れて追尾する魔力弾で砲撃を開始する小型の兵器群。レッドドラゴンを無理に追わず数の暴力で撃ち落とそうとする。しかしそれらを避け、避けきれない弾はカイムが剣で振り払い、レッドドラゴンは炎の弾を撃ち返し撃ち落とす。
「こんな山奥に帝国軍の拠点が作られているとはな」
次々と湧いてくる帝国軍共を見たレッドドラゴンが呟く。
「しかし、数だけで我等を圧倒しようなど矮小な考えだ」
小型の兵器が壊滅していく様を見ている帝国軍は、更に中型の兵器を次々と送り込む。
小型兵器とは違い、より一撃の威力を高めた弾をレッドドラゴンに当てようとする。しかし小型兵器の弾でさえその殆どを躱していたレッドドラゴンに当たるはずもない。
こちらもより威力を高めた炎の弾で、軽く兵器を撃ち落としていく。
七支刀はその戦いぶりに驚愕する。これがドラゴンの強さなのだ。
宮殿近辺に降りようとするギャラルだが、結界が張られており、宮殿へ続く道に入ることすら出来ない。空で戦っているカイム達の代わりに、結界を張っている存在を探すために行動を開始する。
一人で降りてきたギャラルを見逃すまいと帝国兵達は姿を表す。それを確認したギャラルはギャラルホルンを鳴らす。カイム達を鼓舞した音とはまた違う音色が響く。
ギャラルの背中側に、白くて大きな両開きの扉が現れる。ギャラル二人か三人くらいの大きさだ。そこから黒い巨大な腕が、扉を開けてくる。
「薙ぎ払っちゃって」
そこから始まったのは蹂躙だ。今までは仲間の援護もあったし、様子見もしたかったので全力は出していなかったが、神器の力を解放したギャラルは今までとは違った。
黒い腕が軽装の兵士を薙ぎ払い、挽肉へと変えていく。扉の背後なら狙われないだろうと回り込もうとする者はギャラルが直接魔力弾で狙う。
腕の攻撃になんとか耐えた重装の兵士がいたが、鷲掴みにされ、扉の中へと連れ込まれた。
直後、結界が消滅していた。今の部隊が管理していたのか、或いは空にいたのか……
ドラゴンに追いていかれないように、ギャラルは進む。
「よし!宮殿への道は開かれたぞ」
空の部隊を一人残らず殲滅したレッドドラゴンは、宮殿を見据える。
「宮殿を建てるとは、帝国軍も所詮は偶像を崇める愚かな人間か」
レッドドラゴンも同じく、宮殿へ行くために翼をはためかせた。