皇国最後の反攻:novelized   作:[このユーザーは存在しません]

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第十二話:独立

 インドネシアのジャカルタ。聯合艦隊の寄港により賑わいを増したこの街を眺めながら日本語で話す二人の男がいた。

 

「久しぶりだな山本。」

 

「今村か、2年ぶりぐらいか?」

 

「そんぐらいだろうなあ。」

 

 他愛のない、友人同士の会話に、二人の顔に笑みが漏れる。

 

「あの後にお前がブーゲンビルで撃ち落とされたって聞いた時は思わず心配で泣いてしまったよ。」

 

「心配性だな、この通り俺は健康だ。」

 

「それは良かった!」

 

 今村は笑いながら世間話を続ける。

 

「そういえば、インド洋でまた戦果を挙げたらしいじゃないか!」

 

「オーストラリア海軍をいくらか撃沈したな。艦隊の点検と修理のためにここへ寄港したんだ。」

 

 山本はふと思い出したように話を変える。

 

「それにしても、今村はラバウルに配属じゃなかったのか?」

 

「魔理沙大臣の気遣いでインドネシアに戻してくれたんだよ。スカルノにも会ったが元気そうにしていたな。」

 

「良かったじゃないか……どうした?」

 

 今村の様子にどこか変なものを感じたのだろう、山本は心配そうに今村に尋ねる。

 

「山本はビルマでの話、聞いたか?」

 

「4月のバー・モウ暗殺未遂か、艦隊の中でも話題になっていたな。」

 

「あの事件以来、アジア全体で日本に対する不満が増大している。」

 

 そこでいったん声を途切れさせた今村は、まるで暗殺計画を話すかのように声を抑える。

 

「実はな、スカルノが先月日本を訪れたんだが、またインドネシアの独立を東条首相が認めてくれなかったらしい。」

 

「2年前も独立を断られていたな、スカルノが号泣していたという話を以前聞いたぞ。」

 

「インドネシア内だと反乱の噂もある……一緒に苦楽を共にしてきたここの人々に銃口を向けたくはない。」

 

 今村は息を吸い込んで本題を切り出す。

 

「近い日に東京に戻る時はあるか?」

 

「スエズ上陸の準備のためにこの後帰国するが……。」

 

「その時に、魔理沙大臣にインドネシアの今後の方針について聞いてきてくれないか?嫌だったら勿論遠慮なく断ってほしい。」

 

 最後に付け加えられた一言に山本は怒りと笑いの混じった声と顔で答える。

 

「誰がお前の願いを断るか。よし、聞いてきてやる。ただし回答がもらえるとは限らんぞ。」

 

「やり手の山本のことだ、上手く行かなかったら100円を捨ててもいい。」

 

「そう言われたら仕方ない、しっかりやり遂げてくるからちゃんと100円用意しておくんだな。」

 

 今村はまた遠くへ行ってしまう旧友を笑顔で見送り、山村も故郷からずっと遠い所に残る旧友に笑顔を送った。

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