皇国最後の反攻:novelized   作:[このユーザーは存在しません]

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第二話:協力

 机の前に歩み寄ってきた山本に魔理沙が声をかける。

 

「丁度いい所に来てくれたな。ブーゲンビルでの傷は癒えたか?」

 

「はい、お陰様でここまでやって来れました。」

 

「あの状況を生き残るとは強運の持ち主だな。」と霊夢も励ますように言う。

 

「いえ、私はあの時確かに死んでいました。最早私はこの世に未練を——大東亜戦争という大きな未練を残し、それに縛られた怨霊のようなものです。ならばこそ、この現世で魂が尽きるまで我が日本の為に全力を尽くしましょう。」

 

「そして今、」と言いながら山本は山下と永野を睨めつける。

 

「まさに刻々と敗戦が近づいているという時に陸軍と海軍で争うほど無意味なことはありません。例え負け戦だとしても、私がその防衛任務を担うことで結果的に状況が改善するなら喜んで参加するまでです。」

 

 山下は「多大なご配慮感謝いたします。」と言いながら頭を下げ、それを見た永野も無言でそれに続く。

 

「長官の言う通りだ、もはや内輪揉めをしている状況ではない。そんなことで戦争に負けたとき、後世の日本人は我々をどのように見るか、答えは明らかだ。私も山下将軍と山本長官の意見を全面的に支持する。前近代的な対立は終わりにしよう。」

 

 霊夢はそこで一息の区切りを入れ、この会議のもう一つの本題を切り出した。

 

「今日をもって陸軍と海軍の完全なる協力体制の樹立を宣言する!そして陸軍参謀本部と海軍軍令部の共通軍事作戦や兵器研究に関して一元的に管理する大日本帝国軍総合参謀本部をここに設立する!中国戦線での反転攻勢計画はこの総合参謀本部の初任務となる、絶対に成功させるぞ!」

 

「そうと決まれば話は早い、まずはどれほどの兵力を準備する?」

 

魔理沙の質問に山下は「50万の兵力があれば完膚なきまでに撃破できるでしょう。」と答える。

 

「それだけの兵力となると太平洋だけじゃ足りないな。本土から引き抜く必要もあるだろう。」

 

「米国にも段取りってものがあるはずだ、日本に飛行機を飛ばせる主要な航空基地もまだ少なく日本海軍も主力艦がまだ多く残っている状況で全てをすっ飛ばし本土を攻撃するなどはあり得ないだろう。本土の部隊の移動を許可する。」

 

 霊夢の命令に山下は「ありがとうございます。」と礼を言う。

 

「最初の攻撃目標はどこにする?」

 

「まずは大陸打通作戦時に生まれた包囲の殲滅を行います。かなりの抵抗が予想されますがこれを総兵力を挙げて撃破します。東シナ海を利用した脱出及び支援も阻止するために海軍も海上封鎖をお願いします。」

 

「中国沿岸など我が海軍の庭のようなものです。どうぞお任せください。」

 

 山本の同意を確認した山下はまた話を進める。

 

「この包囲地域を殲滅した後は列車を利用し速やかに北へ移動、北京奪還を狙う敵主力部隊の包囲を狙います。この作戦が成功すれば中国軍は防衛部隊の主力を一度に失うことになり、あとはなし崩し的に中国戦線は崩壊し重慶までの道は開けることでしょう。」

 

 説明が終わったところで霊夢が口を開く。

 

「作戦はよく理解した。陸軍は厳しい戦いになるだろうが、この作戦は戦局を好転させる為の第一歩だ。全力で容赦なく取り組んでくれ。」

 

「最大限の力を尽くして任務を遂行いたします。」

 

「そして海軍は防衛部隊が一挙に減る。こちらも厳しい戦いになるはずだ。陸軍が任務を完遂するまでの間、何としてでも耐えてくれ。」

 

「是非ともこの五十六にお任せください。」

 

 二人の強い返事を確認した霊夢は立ち上がり、力強く宣言する。

 

「それでは諸君、これより我が敵国に対する反抗作戦を開始する!」

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