皇国最後の反攻:novelized   作:[このユーザーは存在しません]

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第五話:上陸

 大陸での反抗作戦から1ヶ月が経過した時、霊夢と魔理沙は大陸にある中国戦線の司令部で現地司令官の説明を聞いていた。

 

「陸海軍に加え各軍の航空機による正確に連携が取れた我が軍の攻撃に中国軍は全く歯が立たず、包囲内にいた中国軍のうちおよそ80万人が3週間で壊滅、残存部隊も既に殲滅が完了しております。」

 

「当然とはいえ幸先の良い結果になったな。それで殲滅後の部隊はどこにいる?」

 

 霊夢の質問に現地司令官は待ってましたとばかりにはきはきと返事をする。

 

「御命令通り河北を打通し北京奪還を図る中国軍主力を包囲するニ号作戦に参戦できるよう転進させております。」

 

「時間は限られている、今すぐにでもニ号作戦の攻勢を開始せ——」

 

 魔理沙が陸軍大臣として攻勢開始を命令しようとしたその時、バタバタと足音が聞こえ一人の伝令員が部屋に入ってきた。

 

「失礼します!お取込み中の所申し訳ございません!霊夢参謀総長に緊急の入電です!」

 

「どうした?」

 

「栗林中将より、硫黄島に米軍が上陸作戦を仕掛けてきたようです!規模は約6万人、護衛として戦艦3隻がついているとのこと!」

 

「そうか、大撤退による攪乱はアメリカの作戦を乱せると思っていたがもう上陸を仕掛けてきたか。しかし硫黄島は防衛圏の縮小によって浮いた資材を利用し、この1ヶ月間で既に要塞化されている!上陸作戦は失敗に終わるだろう!」

 

 霊夢はそう声高に言うと一つ付け加える。

 

「しかしその護衛戦艦を何とかしなければ援軍が来てしまう可能性が高いな。山本長官に第一艦隊を硫黄島近海に派遣するよう伝えろ!」

 

「了解しました!」

 

 バタバタと走り去っていく伝令員が閉め忘れたドアを閉めると、霊夢は司令官の方を向き直る。

 

「アメリカは既に我々の大撤退を把握している。一旦攻勢の開始は待て。」

 

「了解しました。お二人は今後どうなさいますか?」

 

「しばらくはここに留まる。本土がこれ以上がら空きにならないよう山下将軍は日本に戻る予定だ。攻勢再開は改めて命令する。」

 

「承知いたしました。」

 霊夢と司令官が話している間にも、米軍の海兵隊は「硫黄島の防衛兵力は約1万人、我々の実力を持ってすれば3日で全員を壊滅させ硫黄島を落とすことができる」という将校の激励を頭の中で反芻しながら次々とビーチに降り立っていた。

 

 

 

 1ヶ月後、硫黄島近海に浮かぶ戦艦の上で、海兵隊の指揮を執っているレナード・T・ジェローは海兵隊の師団長たちを怒鳴りつけていた。

 

「お前らはなんでいつまで経ってもこのちっぽけな島一つが落とせないんだ!6倍の兵力差があるんだぞ!」

 

「そう言われましても、島中に地下壕が張り巡らされている上、摺鉢山に大規模な砲撃陣地があり防衛部隊の殺傷が非常に困難でありまして……」

 

「それと、既に戦力差は6倍ではありません。この1ヶ月で3万人以上が死傷し、物資の不足とそれによる士気の低下も鑑みれば戦力差は既に3倍を割っているでしょう。」

 

 師団長たちの反論に、ジェローはドンと拳を机に叩きつける。

 

「クソッ!こうなったら援軍を呼ぶしかない……すぐにでも本土に連絡しろ、援軍を6万……いや12万用意しろと!」

 

「了解しました!すぐ無線で——」

 

 ドオン、という音が響き、艦が大きく揺れる。爆発音と共に艦長室に赤い光が差し、その奥でこの作戦に割り当てられた3隻の戦艦のうち1つがひどい炎と煙を上げながら海の底に沈んでいくのが見えた。

 

「なんだ一体!?何が起こったんだ!?」

 

「分かりません!恐らくは敵の攻撃かと思われますが……」

 

「攻撃……まさか、日本海軍か!?」

 

 そう言ったジェロ―が艦長室を飛び出し甲板に駆けあがると、遠くの空に日本海軍の零戦が飛んでいるのが視認できた。

 

 

 

 

 数日後、中国戦線の司令部にて霊夢と魔理沙は再び現地司令官と伝令員の話を聞いていた。

 

「山本長官から入電です、硫黄島近海にて戦艦3隻、巡洋艦2隻、駆逐艦多数を撃沈し制海権を奪取、同戦闘において聯合艦隊は艦載機を含む全ての艦を失う事なく、現在は逃げた艦隊を補足し追撃、全て海底に沈めるとのことです。また、栗林中将より、島に取り残された米軍兵は全員が降伏したと入電がありました。」

 

「そうか、海軍の方は南太平洋海戦以来の大戦果だな。硫黄島で生き残った皆は歓喜の声を上げているだろう。それでニ号作戦の方はどうだ?」

 

「順調です。戦車部隊は騎兵と連携し次々に前線を突破、包囲は無事に完成し中国軍の精鋭40万人が包囲内に取り残されています。」

 

「解囲さえされなければ最早勝利したも同然だな。」

 

 霊夢はその報告を聞いて笑うと魔理沙に話しかける。

 

「それにしても想定外の海戦だったが、三隻も戦艦を沈められたのは嬉しい限りだ。」

 

「ああ、だがなんで敵艦隊に空母はいなかったんだろうな。真珠湾攻撃時のような薄気味悪さがある……」

 

「まさかあの艦隊も6万人の海兵隊も囮だったとでも言うのか?それほどまでの犠牲を出してやりたい事なんてあるか?」

 

 そう霊夢が言った直後、バタンと扉が開かれ、別の伝令員が入ってくる。

 

「失礼します!本土から緊急の入電!米国海兵隊が日本本土に上陸しました!」

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