皇国最後の反攻:novelized 作:[このユーザーは存在しません]
霊夢と魔理沙が語った作戦は成功した。2つの自然の要害を利用し構築された防衛陣地と精鋭の近衛師団、さらには試作中の新兵器たちが米軍を混乱させ、その攻勢に対する防御を成功させた。
しかし作戦は成功したものの米軍は兵力を分散させるため山口と岡山に上陸、日本側の兵力を分散させつつ補給を盤石なものとするため広島港を目指し進撃していた。
「これはやられたな……近衛師団を含めても現在の本土防衛部隊は約15万、それを4つに分割すれば兵力差に耐えきれなくなる。かと言って山口と岡山の上陸部隊を無視することもできない……どうすれば……。」
とんとんと机を指で叩きながら悩む魔理沙と、無言で考え込む霊夢の所に伝令係が走ってくる。
「失礼します!広島港に中国本土に派遣していた部隊が帰還しました!」
その声に二人は驚いてガタンと音を立てつつ椅子から立ち上がる。
「それは本当か!?」
「はい!山下将軍にも連絡が行っているはずです!」
霊夢はそれを聞くと伝令係に命令する。
「帰還兵たちに伝えろ、陸に降りた者から直ちに武器を取れ!すぐに米軍との戦闘が待っている、と!」
「了解しました!」
来た時と同じように慌てて走っていく伝令係を見送って、霊夢は呟く。
「これで日本本土での戦闘も終わるだろう。」
彼らは不運だった。ほとんど戦闘をしないまま広島港へと向かっていた米軍の新兵たちは、不運にも自分たちより先に広島港へ降り立った日本軍の兵士たちと戦闘することになってしまった。それも、大陸で中国軍を相手取り激戦の中を戦い抜いた猛者達と。戦闘はすぐに終わり、撤退を繰り返した米兵達は、近畿に上陸していた兵士たちよりも先に撃滅され、すぐに近畿上陸部隊もそれに続いた。
「ひとまず本土の安全は確保、といった所か。」
銃を持った米兵が日本本土からいなくなった翌日、魔理沙は本部で霊夢にそう話しかけた。
「ああ。だが本土に上陸した部隊は日本全土を占領するのには余りに少なすぎる。まだ米軍の主力艦隊も叩けていない、すぐにでも戦局を打開しなければまた上陸されるだろう……。」
「それなら、本土決戦と同時に包囲した中国軍の殲滅と中国方面軍の前進を開始するよう山下将軍に代わり指揮官となった松井大将に命令してある。そのまま戦車部隊を重慶に向かわせ、陥落させれば中国は組織的抵抗力を失い降伏するだろう。」
「そうすれば中国戦線を消滅させられるな。松井大将に連絡しろ、全速で前進だ!1944年中に日中戦争を終結させるぞ!」