と言うわけで、元一番隊隊長が死んだ後の話です。
四番隊隊舎
「え、なに?俺の過去?」
「はい。その、卯ノ花隊長と同じ時期にいたので…」
「んー…と…」
「言いづらいなら良いんですよ!べつに!」
「俺、元六番隊なんよ」
「へ?」
「ま、最初の最初だけどね。わかる?イキって入隊させてくださいって申し込んだら当時の隊長格が誰もいらないって言うのよ。」
「…?」
「そんでもって、六番隊の隊長さんが『三分間俺が攻撃するからその間に死ななかったら考えてやる』とか言われたのよ」
「え!?しょ、初代隊長格って、とても恐ろしいんじゃ…!?」
実際恐ろしかったもん。抜き出る刃全部見れずに手元だけで判断してたし。アレで総隊長じゃない?え?嘘でしょ?普通これくらいが総隊長張るよ?と思っちゃったもん。無事五体満足で生き残った俺はその後六番隊にスカウトされたとさ
「…じゃあ、なんで四番隊に?」
「それはね…隊長が死んだから」
「えっ」
「なんで死んだかは知らない。死んだって聞いただけ。ただ…死んだ時に、回道って言うのを聞いた」
「それって」
「卯ノ花剣八から」
話しかけて来て開口一番に『回道に…人を治すことに興味はありませんか?』だもん。理由?理由は確か、俺が隊長になるにはあまりにも中途半端すぎるから、らしい。剣術に頼ると言われたらそうでもなく、他に抜き出るものがあるのかと言われればそうでもなく。なら回道修めろって。
「ま、俺回道の才能はからっきしだったけど。そもそも俺霊力少ねえし」
「…そうでしたね。何年もやっているのに無席のままだ、って卯ノ花隊長言ってました」
「え、ひどっ…いや違う。俺が無席のままだったのはな…」
「何かあったんですか?」
「六番隊以外の副隊長とかの、腕に巻き付けるアレ…腕章だっけ?」
「これですね」
「まあとにかく、六番隊以外でそれつけたくなかったんだよ。そしたら…恋次君が副隊長になったでしょ」
「そうですね」
「…ようやく分かったんだ。もう六番隊に帰れないのは」
「そうなんですか」
「なんでお前ちょっと他人行儀なんだよ。勇音が聞いて来たんだろ」
「…それで、ようやく席官になろうと?」
「してたんだけどねぇ…ほら、藍染の騒動。虚圏に行っちゃったし」
「ありましたね」
「それで…俺は…護艇隊辞めたつもりだった。蓋を開けたらどうよ、戻ってこいって言われてたし。その上卯ノ花隊長から指名されたし」
「あはは」
笑ってられねーぞ。決めた、俺が死んだ時にはお前を隊長に指名してやる。次期隊長は虎徹勇音…うん、絶対無理だ。すまん、俺も鬼ではない。永遠に副隊長の任に就かせる。悪かった。てゆーか?今の隊長格で俺に剣術で勝てる奴は剣八くらいだし?
「日番谷隊長も中々じゃないですか?」
「どっちかっつーと浮竹とかが出てこない?」
「あの、ボクは?」
「うわ京楽」
「君ねぇ…僕は今総隊長だよ?」
「ざけんな、あの総隊長とお前を一緒にできるか」
「早めに順応してね」
「そう言えば総隊長」
「ん?」
「総隊長から見た便白隊長って、どんな人でした?」
「んーとね…最初は名前を呼んでも無視されてたよ」
「え!?」
「仕方ないだろ」
「無席の割に回道の腕が良いとかって、彼結構人気だったんだよ?卯ノ花さんは怖いし」
「わぁ…」
「その上、腕も立つ。僕がまだよわよわだった時に彼と一緒に現世に行ってたんだ」
「京楽」
「良いじゃんこれくらい」
「次からお前の傷は下手くそに任せる」
「えぇ!?…それで、その時に僕がギリギリ勝てるかなーとか思って、虚に向かったんだよ」
「その虚は…?」
「中級虚。つまり、当時の僕では手足を切ることすら叶わない相手。それが現世にいるわけがないって思い切ってたよ」
…俺がちょっと危ないところあったかなーってくらいの相手だったな…うん、これは勇音に黙っておこう。お前が初手遅れたのは現世で見つけた美人(本人談)に夢中になってたからだったな。その後剣を握ったのは良いけど…俺が先に倒しちゃったもんな。
「いやあ、中級をいつもの虚と変わらない感じで斬っていくのが見えてね。実はあの虚は中級じゃなくてただの大きい虚だったんじゃないか、って思えるくらいに」
「そんなにすごかったんですね!」
「いや、それがね…その虚との戦闘でついた傷が今でも背中にあるんだよ!」
「…本当ですか?」
「本当本当。背中だから回復しづらいって放置してたっぽいの」
「本当ですか!?」
「全部嘘だ。虚圏から全虚連れて来ようか?」
「流石にやめとくよ」
「ははは…」
「…それじゃあ俺は飯食ってるから」
「ほい」ブンッ
「隊長羽織が!?」
「続いて━」
「破道の九十九 禁」
「ぇ!?」ガシッ
「そもそも俺が出張ることになったのは…」
「あ、ちょっ」
「テメェが女に夢中で━」
「待って!?」
「虚に気が付かなかったからだろうがぁ!」バギィッ
「あだっ!?」
「…総隊長」
「勇音副隊長…」
「流石にそれはダメです」
後日、なんだかよくわからないが、誰かがその話を漏らしたのか、わかんないけど彼の副隊長である伊勢さんにブチギレられてたな。もう今はしないでしょうね!?しないですよね!?ね!!って感じに。すごい剣幕だった。恐ろしい子だよほんと。
「…隊長」
「勇音か。何?また昔話?」
「いえ…その、六番隊の隊長が死んだ時って…」
「敵によって殺されたって噂を聞いた時は…そりゃあもう悔しかったよ。でもそれと一緒に悲しかったよ」
「そう…ですね。すいません」
「勇音〜」
「はい?」
「死なないでね。この戦争」
「…はい!」
と言うわけで次回。
あの変な婆さんだか爺さんによる強襲イベです。死ね