ソードアート・フロンティア~クソゲーマー、神クソゲーに挑まんとす~ 作:melk
え?もう2か月経ってる?毎週リアルタイムで見てんだろって?
もし、このクロスオーバーをもっと面白く書ける人がいるなら書いてくれ・・・。そういう人が出てきてほしい、もっと面白いものが読みたいから発想として書いてるだけまである。
◇
「35!逃げるなクソ蜂!」
「28・・・このレベル帯だと、足早い方が有利すぎだろ!」
「ハッ!あの程度の煽りに乗るからお子ちゃまなんだよっ!本物の外道なら事前に俺の食事に下剤盛るくらいしないとな!」
「SAOじゃできねーだろうが!素顔晒せ、クリア後にリアルで盛ってやるから」
「あらぁ?おたく、無駄口叩いてる暇ありますのぉ?」
はい36匹目。最前線クラスになれば、少ない攻撃で仕留められるキリトの方が討伐数勝負で有利だっただろうが、20層だと二人とも一撃で倒せて当然。そうなれば、俺の速さにはついてこれまい。
ちょろっと煽っただけで賭けに乗るあたりまだまだ甘いな。戦利品はまだ決めてない。どうせなら目に見えるお金よりも目に見えない貸しにしておいた方が、色々便利そうだし。
「死角狙い?安直すぎだね。本命にはそれっぽい嘘を混ぜるもんさ」
死角からの毒針くらいノールックで弾けるっての。裏拳からのサマーソルトで、はい37匹目。《シングルシュート》で剣を投げて38匹目。
「ソードスキルの終わりまで待つとか悠長すぎだろ。時代は俺の後に作られるってな」
投げた剣のスキルエフェクトが終わらないうちに、掴んで横薙ぎに振るう。俺のAGIなら投擲の速度に追いつけちまう。俺は風になったのだ。
結果、60匹対57匹でギリギリ俺の勝ち。
途中からキリトが自分の近くのモンスターには右手の剣でソードスキルを使わずに倒し、左手で俺の近くの敵を投擲で倒すとかいうクソ技で俺の邪魔をしやがったが、前半までの貯金で何とか逃げ切った。
あいつ何で投擲距離延長スキルとか持ってんだよ。実用性なくね?・・・賭けの報酬で習得方法聞きてぇ。
「クソ、もうちょっとだったのに!」
「あれぇ?人の邪魔しといてこれですかぁ?黒の剣士様もこの程度ですかぁ?」
「今なら俺、オレンジになってもいい気がする」
「敗者の嫉妬は見苦しいなー」
勝負ってのはこの瞬間のためにあるんだと強く実感した。
あ、待って、何で右拳光らせてるの!
「あー、まあ勝者の報酬については」
「覚悟決めろよ?」
「わかったわかった。それについては後だ。それよりも例の宝箱だが・・・」
よしよし、やっとライトエフェクトを消したな。グッボーイ、グッボーイ。
「どう思う?」
「偶然にもちょうどボス部屋と同じくらいの広さに開けた空間、中央に一本だけ生えた木、その根元に置かれた宝箱。開けたらトレント系のボスってところか?」
「ちなみに開錠条件は?」
「“レベル35以上”で“片手剣か曲刀の熟練度が最も高い”“二人以下”のパーティで来ることらしい」
「それで俺とお前って訳か。“片手剣か曲刀”ってのが気になるな」
今のレベルは二人とも40は越えてる。人数制限もよくあることだ。じゃあ何で武器種まで指定がある?片手剣と曲刀の共通点は“片手武器であること”と“基本的に斬撃武器であること”だ。同じ共通項を持つ武器は、他に短剣しかない。しかし、短剣は条件に含まれていない。さて、そこにはどんな理由があるのか。
「開けりゃわかるか」
「正直あの木は怪しい。開けたら一回距離を取ってみるか?」
「できればな」
警戒を強めながらも宝箱の蓋に手をかけると、肩透かしを食らったみたいにやけに軽く開いた。中身を確認するよりも早く二人同時に後ろへ跳び退き、さらに3歩下がる。
「何も起きない・・・?」
キリトのつぶやき後からさらに数秒、やっぱり何も起きない。アイコンタクトをして、宝箱の中身を確認しに行く。俺もキリトもすでに武器を前に掲げたまま宝箱へと歩み寄る。その間も木からは目を離さない。
木を視界に入れながらゆっくりと中を覗き込むと、二本の片手剣がまるで今用意されたかのように埃一つなく重なって横たわっていた。
「・・・宝箱とにらめっこしてても仕方ないし、一旦中身取り出すか。俺が最初の取っていいって話だから、こっちの剣の性能見たらそっちのも見せてくれよな」
「あ、ああ。そうだな」
俺は上になっていた赤い宝石のついた剣を、キリトは残りの青い宝石の剣を手に取った。えっと、名前は“
「サンラク!」
「下がれ!」
唸るような地響きが聞こえ、地面が大きく揺れる。走りづらいが、幸いにも移動阻害は発生していない。
宝箱が消え、そびえ立っていた木の根がうねうねと動き出す。予想通りトレント・・・じゃない。木の根がさらに太く長くなり、広範囲の地面に張り巡らされると同時に、まるで引っ張り上げられたように大地が盛り上がっていく。ただの大地じゃない。頭と前足が地面だと思っていたところから現れた。
「さっきまで立ってたとこは亀の背中ってか!」
「木がブラフだったらしいな。というかこんなデカい奴どうやって相手するんだ?」
開けたエリアの半分以上は亀の甲羅になった。亀の体が埋まっていた部分は、立ち上がったことによりクレーターとなっている。そこに見える前足は俺とキリトを合わせたよりも太いだろう。
やけに血走った目の亀が俺たちを敵と認識する。
間違いなく過去最大の敵が出現した。
賭けの経緯
「え、キリト片手剣しか熟練度上げてねーの?」
「一つだけで十分じゃないか?」
「おいおい、この間のデュエルで俺の短剣に負けたの忘れたのか?」
「『どう見ても片手剣なのに、短剣の重量になるまで軽くしてるので短剣スキルが使えます』ってずるいだろ!重さ変わっても長かったら短剣ではなくないか!?」
「その前も降ってきた両手剣が刺さって勝負が決まったことあったよな」
「ぐぬぬ・・・。か、片手剣同士なら俺の方が強いし!」
「はン、口だけなら何とでも言えるよな」
「じゃあ勝負だ!」
「いいぜ、宝箱に辿り着くまでに多く敵倒した方の勝ちな!そっちから吹っ掛けたんだ、それなりの賞品期待してるぜ」
「やってやるよ。何でも言えよ、俺が勝つからな」
チョロいキリト、さらっと有利な方向に持ってくサンラク。
ちなみに、上記の短剣(片手剣)はクエスト報酬で手に入れたネタ武器。リーチは片手剣、火力は短剣相当、耐久はゴミ。鍔迫り合いしたら折れる。何なら2、3発攻撃したら折れる。対モンスターでは全くというほど役に立たない代物。
かなり知名度が低い上に、回数制限があるものの再受注できることを知っている人は極一部しかいない。