ソードアート・フロンティア~クソゲーマー、神クソゲーに挑まんとす~ 作:melk
そして、前話で一か所訂正です。宝箱から取り上げたキリトとサンラクの武器を反対にしました。
改定後は、
サンラク→赤い宝石の剣”蓄積する爆熱”(前話では名前出てないですが)
キリト →青い宝石の剣”氷の氷狼”
です。
ちなみに、久々にサンラク以外の主観を含みます。
◇がサンラク主観
◆が他主観
という表記にしていたはずです。(作者もうろ覚え)
◇
「サンラク、敵の名前が出た!ツリーインベイダー、他に敵影は今のところない!」
「よっしゃ、やるか・・・って何か表示出てるな」
クエスト名『驚異の侵略者を排除せよ』
・クリア条件“ツリーインベイダー”の討伐
・報酬“
アクセサリースロット“首飾り”の解放
“ドミネーターネックレス”×2の獲得
“28050コル”の獲得
※ただし、『エリアからの脱出』『転移結晶等の使用』を禁止とし、使用武器は“
及び“
「アクセサリースロットの解放・・・!」
「確かにこりゃキリトの言ってた通り豪華な報酬だ。・・・それよりも武器固定が痛えな」
「まあ、サンラクは片手剣だけじゃ戦えないだろうし狼狽えてもしょうがないよなぁ?他の武器使って奇襲しないと俺に勝てない程度だもんなぁ?何なら後ろに下がって見ててもいいぞ?」
「よーし、帰ったら片手剣だけでボコボコにしてやるよ」
「もっと熟練度上げてどうぞ」
結構この間のこと根に持ってやがった。でも、多分俺でもこんなチャンスがあれば煽る。随分といい顔しやがって。
軽口もそこそこに、ツリーインベイダー・・・長いし亀でいいか、亀を観察する。
あ、やべ、めっちゃ息吸ってる。
「ブレス警戒ィイ!」
大きく、大きく、大きく息を吸った後、警戒した口を開けるモーションは来ない。代わりに強烈な突風が俺たちのいたところに叩きつけられた。野郎、まさかの鼻息かよ。
だが、たかが鼻息と侮るなかれ。エリアを囲っていた木々をなぎ倒し、地面を抉る、まさにブレスといった威力だった。まあ、すぐに生えてきた木で破壊された部分は塞がれたが。
足元のクレーターを滑り降り、極太の前足をソードスキルを織り交ぜながらひたすらに切りつける。固すぎてダメージ通ってる気がしないね。
「頭の方はどうだ?」
「全く効かないわけじゃなさそうだけど正直微妙!」
「となると怪しいのは・・・」
「やっぱり木の方か」
なにせ名前が“ツリーインベイダー”だもんな。亀じゃなくて木が本体ってパターンもあり得る。
「サンラク、ヘイト頼む。俺は木の方見てくる」
「必要になれば合流する」
キリトの方を向こうとする亀の目を狙って《シングルシュート》、ダメージは然程なくても基本的に目を狙われるってのはイラっと来るもんだ。無事にキリトが甲羅の上まで駆け上がっていくのを見送り、ダメ押しの《バトルシャウト》でヘイトを稼ぐ。
よそ見厳禁、しばらくは
亀の頭の下でちょこまかしていることにイラついたのか、しならせた首を鞭のようにして地面を叩いた。え、それ頭大丈夫なん・・・?
まあ、俺にとっては都合よく頭が地面についている状態だからチャンスでしかないんだけどな!
「《ヴォーパルスト》・・・うお!」
「ブォオオ!」
片手剣突進型ソードスキル《ヴォーパルストライク》。
ジェット機のような轟音を上げながら、5m程度突進するスキルだ。単発技ながら高威力でチャンス時に使われることが多い。・・・のだが。
明らかにいつもと違う。赤いエフェクトが剣だけじゃなく、俺の体も包んでいる上に、威力も上がっている、というか明らかに1ヒットじゃなく、ゴリゴリ削るような音がしてたが、体感3ヒットくらいか?
そして、今はいつもの《ヴォーパルストライク》がちょうどヒットする距離感で使ったが、敵にぶつかったから止まっただけであって、
恐らく、この“
「あー、クソ!ちゃんと効果読む暇がねえ!場合によっちゃミスりそうだな」
これまでSAOには見られなかった類の効果。もし他のソードスキルも同じように変化があって、それによる使用感が変わってしまっていたら。もし、いつもと同じ感覚で使おうとして、思っていた挙動と違ってしまっていたら。このゲームにおいては致命的な失敗となる可能性もある。
「避けながら読むっきゃねえか・・・。ミスるなよ、俺!」
新しい剣の説明文を開く。敵から視線を離さず鼻息やら、踏みつけやら、首ビターンを避けながらも、一瞬だけ文章に目を通す。瞬間記憶で覚えた文面を頭の中で整理する。パッと見た感じ、特定の変化があるのは《ヴォーパルストライク》だけらしい。後はバフやら何やらって感じだ。
ここで一つ困ったことがある。
「《ヴォーパルストライク》あんまし使わないんだよなぁ」
◆
「甲羅の上が木一本てのがもう怪しさ満点だな」
とりあえず、切り倒してみるか・・・?
「はああああ!」
ソードスキルを発動せず、木の幹に向けて横薙ぎに剣を突き立てる。ザクという音と共に、刃が幹にめり込んだ。クリティカルだったらしい。
思ってたよりも木が固くないからか、意外とすんなり切り込みが入ったな。
はは、俺の天職は案外木こりだったかもな!まあこんなデカい木を剣で斬ろうとする辺りかなり無謀なことしてるんだが、きっと他のゲームとかで似たような状況になったら同じことやってんだろうなぁ。
つくづく俺は普通にはやらないタイプの人間らしい。だからと言って、あっちの変態仮面ほどじゃないけど。
本物の剣なら一発で折れるか刃がダメになりそうな使い方だが、ここはゲーム、耐久値さえあれば問題なく使える。見たところそんなに耐久値は減ってない。
「もう一発・・・っ!?」
剣を振り上げた瞬間、木の枝の一本が鋭く伸びる。目の端で捉えた俺は身を捩るように一歩分横に跳び退いたつもりだった。
結果、枝は俺のいた地面に当然のように突き刺さり、俺は5mも離れた場所に着地した。
木の枝はいい。驚きはしたけど、俺にとっては遅すぎるくらいだ。躱すのなんて訳ない。
問題は、俺の動きだ。
「力が入りすぎた・・・?いや、速すぎたんだ」
突然上がった移動速度、しかし、俺の知る限りSAOに移動速度そのものを上げる装備アイテムはあっても、戦闘中に発動できるバフなどはなかったはず。当然俺も持っていない。となれば、この剣、“
きっかけは回避?だとしたらさっきまでなぜ発動しなかった?・・・違う、クリティカルか!
「あー、これ俺と相性悪いな」
本作でのSAOにおいて
AGI≒移動速度
AGIが「足の速さ、俊敏さ」だとすれば、移動速度とは「時間に対しての移動距離の長さ」という別のパラメーターである。ただし、AGIが上がれば移動速度も上がる。
靴などに移動速度up効果がついていることがある。(現段階ではあまり戦闘向きではないものが多い)
AGIも移動速度も高い人が走っている時には「速えー」となるが、走っている人がAGIは低いが移動速度だけ高い人だったり、移動速度が高い状態で歩いている時に見ると「足の動きゆっくりなのにやたら進んでてキモ・・・」となる。空港とかにある、歩くエスカレーターの上を歩いてる感じ。
あまり、現段階で移動速度の効果量が高い装備は多くない。
しばらく、毎週日曜日、シャンフロアニメ後の17時30分に投稿していく予定。あくまでも予定。