ソードアート・フロンティア~クソゲーマー、神クソゲーに挑まんとす~   作:melk

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ギリギリ間に合った!
最近、なろう版シャンフロの更新が多くて嬉しい。
この小説に評価や感想をくれるのも嬉しい。


第二十層 真価はいずこ?

「やっぱりトレント系モンスターだったか」

 

前後左右、木の枝が鋭い槍のように襲い掛かる。貫かれる寸前身をかがめたその眼前に迫るもう一本を超反応で首を傾けるも、わずかに頬を掠める。これだけでHPの1割が消える。息をつく間もなく腹の中心へと延びる根を剣で受け、反動を利用してバックステップで大きく距離を取る。

額の汗を拭おうとして、ゲームの中だったことを思い出し、行き場のなくなった手をぶらぶらさせ緊張をほぐす。

 

「ふう・・・こりゃしんどいぞ」

 

何度か試したものの、全く前進していない。盾がないとこの猛攻の中進むのは難しいか?いや、よほどの技量がないとそれも無理か。どちらにしても今の俺たちは装備の変更ができない。

それに、俺をイラつかせる要因がもう一つ。

 

「というかこの武器どうにかならんか?」

 

枝を攻撃して時々クリティカルが出た時には移動速度が上がり、おおよそ5秒程度で効果時間が切れる。

氷の波浪(グレイシャルウェーブ)の仕様が絶妙に邪魔だ。いちいち回避の距離や距離を詰めるのに必要な踏み込みの強さなどが変わってすごくやりづらい。

()()()はパワーでゴリ押す系のキャラビルドなため、安定してクリティカルを出す戦い方には向いてない。この剣”氷の波浪(グレイシャルウェーブ)”は俺向きじゃない。それこそサンラクやアスナ並みのクリティカル率じゃないと普通の店売りの武器にも劣るんじゃないか、これ?

 

もっと、一薙ぎで蹴散らせるようなパワーが欲しい・・・。

 

それかこの物量に対応できるだけの手数があれば本体まで行けるってのに!

 

「おう、もたもたやってんな!」

 

ジェット機が障害物を蹴散らすように、轟音を鳴らして木の枝を数本まとめて吹き飛ばしたのはサンラクと謎のソードスキル?だった。

《ヴォーパルストライク》のようにも見えたが、どうやっても1ヒット技じゃ複数のオブジェクトを吹っ飛ばすことはできないはず。それに、俺の得意なソードスキルだからわかる。いつもより腹の底まで重く響くスキル音。

 

「そっちこそ仕事放棄か?うちはブラックだぜ?」

「馬鹿言え、有能な奴は定時で帰んだよ知らんけど」

「で、実際どう?」

「キリトが上に登ってしばらくしたら、バグなのか知らんけど亀の方はブレスしかしなくなった」

「いや、さすがにバグじゃないだろ・・・。多分操ってるっぽい木が自分守るのに手いっぱいなんだろ」

「そりゃお易しいことで。つまり、二人がかりで伐採に励めと」

 

自分で言うのもなんだが、現時点で最強の剣士二人が協力して目の前の敵を倒す。このシチュエーション、最高に燃えるじゃねえか。

 

紅蓮に燃える火のようなライトエフェクトをまき散らしながら、枝を蹴散らし、前線を上げる。すかさずキリトが前に出て上段から下段に移行する4連撃ソードスキル《バーチカルスクエア》で次の攻撃を凌ぐ。

 

「スイッチ!」

 

ともすればキリトに直撃してしまいそうなタイミングで強化された《ヴォーパルストライク》を放つ。だが、まるで闘牛士のようにヒラリと身を翻したキリトには掠りもせず、枝だけを破壊した。

打合せしてなくても、コイツならこのくらい避けるだろという雑な無茶ぶりをしまくる。だって、お互いソロ同士のわりに、パーティ組んだ回数は何だかんだ一番多いし、コイツの反応速度、例の全米一(ぜんいち)並みに速いし・・・。

無茶ぶりは信頼って言うといい感じに聞こえるだろ?

だが、このままじゃ終わらないだろう。明らかにぬるすぎる。ギミックに気づけば簡単?その割には報酬が豪華すぎる。

トレント本体との距離が10mくらいまで近づいた頃、わずかに足元の地面が盛り上がったのを目の端で捉えた。

 

「下だ!」

 

キリトの叫びと同時に横に跳び退くと、今度は地面から伸びた根が俺のいた場所で空を縛り上げていた。

キリトの方は《スラント》で根を縦に真っ二つに割っていた。

 

「サンラク、5秒援護頼む!」

「俺より後ろで・・・って何!?」

 

一歩で俺を追い越しやがった!?まさか、あれが氷の波浪(グレイシャルウェーブ)の効果か。

グングン進むキリトをでき得る限りで援護し、さらに前線を押し上げる。だが、きっかり5秒後、キリトの纏っていた青い風のようなものが消え、後衛に戻った。加速効果らしきものは5秒か。しかも、焦った感じを見るに意図して発動させた訳じゃなさそうだ。とすれば発生条件は何だ?

 

「その加速、条件は?」

「クリティカルで移動速度アップ」

「マジか、最高かよ」

「俺には最悪だよ」

 

基本クリティカルを発生させながら戦う俺とは相性がいい。さらに、移動速度アップは元のAGIが高いほど速さの伸びも大きい。小回りが利きづらくなるデメリットもあるが、”封雷の撃鉄”に比べれば余裕、寝起き一発目でも使いこなせる。

惜しむらくは、所持武器の交換は戦闘中にはできないこと・・・あれ、この武器正式な所持権まだ持ってないのか。

クエストの注意事項的にも「使用武器は”氷の波浪(グレイシャルウェーブ)”及び“蓄積する爆熱(ニトロチャージ)”に限ることとする」だったから、武器の交換そのものが封じられたわけじゃない。そのための仕様かよ!

 

「キリト、ここで権利使わせてもらうぜ!その武器よこせ!」

「は!?今かよ!」

 

答えを待たずに“蓄積する爆熱(ニトロチャージ)”をキリトに投げつける。手に取った瞬間、出るはずのエラー表示がないことで気づいたのか“氷の波浪《グレイシャルウェーブ》”を代わりに投げてよこしてきた。多分だが、お互いにこっちの方が活きるだろう。

 

「さて、第2ラウンドと行こうか!」

 




Q、キリトとサンラクの反応速度はどっちが速い?
A、(今作においては)SAOの中限定ならキリト。SAOへの愛着が補正をかけてる。

関係ないけどそろそろアスナとか女性キャラをサンラクと絡ませたいなぁ。


次回の更新予定

12/31日 17:50

年末の休みに書ければ。
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