ソードアート・フロンティア~クソゲーマー、神クソゲーに挑まんとす~   作:melk

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 ウェザエモン戦のクオリティ、終わりも含めてやばかった!
 マジでここに全力を持ってきた感じ!ここからがシャンフロ・・・!


第五十八層 圏内事件?

 

「これで最後や!《ホリゾンタル・スクエア》ァア!!って、避けるなやワレ!」

「ボスを前に素振りとはさすが余裕があるなぁ?」

 

 57階層のボス、”マシン・オブ・ターミネーター”。広域攻撃を連発してくる機械型モンスター。ターゲットをとっても、周りに攻撃をまき散らすクソボスだったが、機動力の無さという弱点をつき、火力担当ができるだけインファイトで戦うことで、何とか削ることができた。が、LA(ラストアタック)を掠め取ろうと、キバオウが出しゃばった上に攻撃透かしやがった・・・。

 当然その隙を見逃すことなく、俺がLA(ラストアタック)はいただいた。

 

「クソ、何でワレばっか取んねん!何かズルしてんのとちゃうか?」

「え!?あの絶好のチャンスで攻撃を外す人がいるんですかぁ?」

「うっさいわボケ!」

 

 LA(ラストアタック)ボーナスは・・・“機械槍・バイパーロット”をウィンドウから呼び出し、軽く振り回してみる。槍先が黒く、柄の部分はシルバーに機械的な青いラインが入っている。槍は今のところあんまり使ってないが、早速今が活躍の時だ。さーて、派手に見せびらかすか!

 キバオウの方に徐に向き直し、手元の槍を指で指し示す。そして、柄の短い剣ではできない動きで、体に這わせるかのように振り、回し、掴み、構える。最後に、キバオウに「いいだろ?」と言わんばかりにニヤリとしてからストレージにしまう。歯ぎしりが聞こえてきそうなほどの妬ましそうに睨んでくるその顔が見たかった!昔映画で見た動きを練習しておいて良かった。

 そして、この槍を持った時から気になっていた黒い穂先。黒曜石とかでもあるまいし、なにせ名前が“機械槍”だ。この黒さ、もしかしてディスプレイか?覗いていると、目のように見える赤い縦線2本が浮かび上がる。その後口のような横線も出てきた。まさか、しゃべるのか!?

 

「Yeah!」

 

 今時聞かないくらいに機械的な音声が聞こえたことで、辺りが一瞬静まりかえる。AIを積んだ武器とかそういう感じか!?自律行動的な物凄い能力を隠し持った武器だったりするのか!?

 

「Yeah!Yeah!」

「・・・」

「Yeah!」

 

 訂正、ネタ武器・・・いやおもちゃだ。しかもなんちゃらソードDX5980円みたいな奴じゃなく、UFOキャッチャーの景品とかでよくある光る剣、恐らく元の値段は1000円しないくらいな奴。

 

「ぷはあ!よく似合っとるで!そのチープな感じが!」

 

 クソ、キバオウに反撃を許す始末!というか、このゲーム結構こういうネタ武器やら変なアイテムやら多いよな。茅場とかいう製作者の趣味か?

 

「最近は町の中でも強盗やPKが発生しとるらしいし、その大事なおも・・・LA(ラストアタック)ボーナス、狙われんようにな!」

 

 まさかLA(ラストアタック)ボーナス取って後悔することがあるとはな・・・。

 

 

 

 

 

「おいおい、ホントに遭遇するのかよ!」

 

 狙われたのは俺・・・ではない。人が集まって騒がしいから見に来てみれば、男が建物の窓から縄で吊るされ、槍が突き刺さっていた。HPバーは確認できない。

 

「サンラク!」

「走るぞ!」

 

 キリトとアスナもこの場にいたようで、合流して男の吊るされていたロープの根元に行く。

 しかし、着いた頃には遅かった。引き上げる前に男はポリゴンとなって消え、槍だけが階下に落ちた。

 

「リザルトだ!デュエル状態でこうなったなら、必ずリザルト表示が出る!勝者を探せ!」

 

 その場で集まっていたプレイヤーたちも辺りを見回すが、それらしき報告は上がってこない。

 

「リザルトが出ない!?」

「バグか?表示バグ、遠隔デュエルバグ、デュエル以外でダメージを与えるバグ、テクスチャの裏側に姿を隠すバグ・・・」

「バグの可能性は低いと思う。少なくとも表示が出なかったりやテクスチャの裏側に行けたりするようなあからさまなバグはここ1年以上で一回も報告がない。シャンフロ並みとは言わないにしても、それに追随するレベルのゲーム性だ、ほぼ全てのバグは存在できないと言っていいだろう」

「落ちてた武器拾って来たわ。パッと見る限りは特に変わったところのないプレイヤーメイドの武器ね」

 

 これから詳しく調べるのだろうが、武器に異常はなさそうだ。バグの可能性も低い。だが、この現状には少し疑問が残る。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()俺たちが見たのは、ポリゴンが砕け散ったところだけであって、HPがゼロになった瞬間ではない。ポリゴンが砕け散る様子を、俺は結構な頻度で見ている。この現象の理由が変われば、事件の内容もガラッと変わる。ちょっと急ぐか。

 

「こちらのヨルコさんが、死・・・さっきの男の人と知り合いで、直前まで一緒にいたそうよ」

「あー、ヨルコさん?刺されてた男の人の名前教えてくれるか?」

「はい、彼はカインズ。元々同じギルドに所属してました」

「カインズ・・・c、a、i、n、z?それともkから始まる方か?」

「!?えっと・・・cの方で合ってます」

「サンキュー。お前らは話聞くんだろ?俺はちょっと気になることができたから別行動で。後で連絡する」

「わかったわ。情報の共有をしながら進めましょう」

 

 やけにあっさりと引き下がったな。もう少し文句言われると思ったが、まあ状況が状況だからな。

転移門まで走り、1層へと向かう。そう、俺の目的地は黒鉄宮にある“生命の碑”だ。βテストでは、ここが死者を確認する“生命の碑”ではなく、 “蘇生の間”としてリスポーンする予定の場所だったらしい。そう考えると、本来は薄暗く静かな雰囲気が生命の復活や誕生の雰囲気を現していたんだろうが、意味合いが変われば墓場みたいに感じるのが不思議なもんだ。

 俺の予想が正しければ、cainzの名前は未だに健在なはず。全プレイヤーの名前が刻まれているが、死亡すると名前に横線が引かれる。さあ、cainzはどこだ!

 

 

 

 あれぇ、cainzの名前がないよぉ?頭文字のABC順に刻まれているCの列をもう5回は見直してるのに全く見当たらない。そろそろ俺の視線だけで碑に穴が開くぞ?

 いや、待てよ?そういえば俺がヨルコさんに聞いた時、一瞬驚いたような顔をしてたな。もしかして・・・c()ainzじゃなくて、k()ainzの方なのか?

 ・・・ははーん、そういうことね!ってことは、やっぱりあっちの方もそういう話になってくるから・・・。何となく予想がついてきた。っと、ちょうどいいところでキリトからメッセージだ。焦ってるのか手短に状況だけ伝えてきてるが、お陰で確信に近づいた。こいつら、初めから俺たちをはめる気だったな?

 キリトからのメッセージには、ヨルコさん・・・いや、被害者じゃないしヨルコでいいか。ヨルコも圏内で、それもキリトとアスナの二人が見ている前で何者かにナイフを刺されて死亡したらしい。だが、今の俺は目の前にそれを確認する手段がある。Yolkoの文字は、はっきりと生存を伝えていた。この字は直接見たから間違えようがない。それならさっき登録しておいたフレンド機能で、位置がわかる。今はなぜか19層のフィールドにいるらしい。キリトには簡単に、「ヨルコは生きてる。19層のフィールドに向かえ」とだけ送っておいた。

 

 19層に向かうため、黒鉄宮から出た辺りで、ねちっこい嫌な視線がいくつも纏わりつくような感覚を覚えた。これは、ちょっとしたイタズラじゃすまないかもしれないな。嫌な予感と相変わらずの視線を感じながら19層へ向かった。

 

ん?京ティメットからメッセージだ。珍しいな。

 

『また後でね』

 

 どゆこと?

 




 サンラクの戦闘スタイル的に、武器を放り投げたり、一本地面に突き刺したまま、もう一本出して戦ったりすることが多い。しかし、地面に突き刺さっている間少しずつ耐久値は減っていく。
 地面に突き刺さった武器が意図せぬタイミングで壊れ、そのエフェクトを視界の端で捉えて「こんな近くで誰か死んだ!?」とビビったことが何回かある。だから気が付いた。


 何となく考えてる構想的に、今が実は最終章の一、二歩手前くらいかも。

 次回 2/25(日) 17時30分 投稿予定
 時間があれば三連休でもう一話くらい続きか番外編か書きたいな。
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