ソードアート・フロンティア~クソゲーマー、神クソゲーに挑まんとす~   作:melk

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お久しぶりです!

インフルにより無限の時間ができたため投稿。

近いうちにもうちょい投稿しときたい・・・


第五十八層 ラフコフ壊滅会議 最初にガラスをぶち破れ

 ここに集まっているのは基本的に皆ゲーマーである。元がどうであれ1年以上24時間同じゲームをしっぱなしなのだ、かなりのゲーム廃人と言っていいだろう。普段の攻略会議の時にはそれなりにガヤガヤもする。しかし、今回に限っては誰一人として口を開く者がいない。いつもおチャラけているクラインですらも、まるで現実世界の重要な商談前のように背筋をピンと伸ばし、何度も深呼吸を繰り返している。他の皆も同様にソワソワしている。

 その原因の一つがこの会議はこれまでの攻略会議とは全く違うが重大な議題で集まっているからである。ゲームとして設定された敵ではない。自分たちと同じプレイヤー、しかもSAO最大のPKギルド”笑う棺桶(ラフィン・コフィン)”壊滅作戦が今回の議題であった。命のかかった場面は普段から乗り越えていても、熊と対峙するのと殺人鬼と対峙するのではまた違う恐怖がある。自分と相手の命というものに嫌でも向き合わされる、そんな緊張感が漂っている。

 もう一つの原因は、この会議を取り仕切る血盟騎士団副団長(鬼の形相をしたアスナ)である。

 

「遅い」

 

 会議の開始時刻から15分、切り札の一人(サンラク)切り札の一人だけがまだ到着していない。

 

「返事は?」

「まだありません!」

「今度モンスターハウスの中に置き去りにしてやろうかしら?いや、高笑いしながら普通に出てきそうね」

 

 ぶつぶつと物騒な計画を立てるアスナは自分でも知らないうちに口角が上がっていた。それを見ていた会議の出席者曰く「鬼かと思ったら悪魔だった」「目は怒ってるのに口は笑ってて、和風ホラーに出てきそうな見た目だった」「美人だからなお怖い」と後に語る。ヒースクリフがさっと目をそらしたのをキリトだけが見逃さなかった。

 

「はあ、もういいわ。それじゃあ会議を「だっしゃらー!!」 !?」

 

 窓ガラスをぶち抜いて、少し体力の削れた牛面の男が会議室の中へと落ちてきた。

 

「ふう・・・ギリギリセーフってとこか」

 

 辺りが一瞬何が起きたかわからない驚きで沈黙し、数秒後に笑いがこみ上げてきそうになったその瞬間、カンと剣を床に打ち付けた音が響き、沈黙は継続した。

 

「椅子一つ片づけて。サンラク君、正座」

 

 

 

 

 

 

「捕まえた”笑う棺桶(ラフィン・コフィン)”のメンバーによると本拠地は―」

 

 会議の内容を一人、机からギリギリ目線が出るか出ないかくらいの低い場所で聞いていた。あの目線は怖かった。次に言葉を発したら、《リニアー》が俺の胴体を貫いていただろう。さて、名誉挽回のためにも会議に遅れてでも優先した予定の成果を伝えないとな。おもむろに立ち上がり、挙手をする。

 

「ちょっといいか?」

「あなたに発言権はありません」

「ひえ・・・」

 

 視線が冷え切ってやがる。いつの間にSAOは視線による氷属性ダメージが採用されたんだ。俺も今度ボス戦で使いたい。とまあそんなことを言ってても仕方ない。ラフコフについて報告をしていた血盟騎士団のスニークスネーク氏の方に向き直る。

 

「遅れてきたのは悪かったって。けど、それ以上の成果はあったぜ?はっきり言ってその情報は偽物だ」

「つまり捕まえたメンバーの情報が間違っていると?」

「そいつらわざとフェイクを伝えるように言われてる。攻略組相手に攻められたら間違いなく負けるからな、いっそのこと罠にかけようって魂胆だろ」

「その情報をどこで?」

「”笑う棺桶(ラフィン・コフィン)”に一人スパイがいる。別ゲーからの知り合いでさっきまでそいつから情報を聞いてた」

「それは誰ですか!?」

「Kyo ultimate・・・京ティメットでいいか」

「あの”辻斬り”!?一対一で勝負を仕掛け、殺人はしないけど野良デュエルをしかけてくるくせ、金品すら奪わずに嘲笑うだけ笑って逃げる微妙に悪質イエロープレイヤー!」

「ブフっ!!辻斬りのくせにただの嫌がらせ野郎かよ!」

 

 さすがは脳内幕末。また煽るネタが一つ増えた。

 

「でも京アルティメットの方が嘘をついている可能性はありませんか?」

「リーダーのPoHがそいつらに嘘言えって吹き込んでる音声データももらってる。それを捕まってるやつらに聞かせればわかるだろ」

「わかりました。事実確認は後程。今はサンラクさんが持ってきた情報を真として話を進めましょう。ではサンラクさん、ほかの情報も共有してください」

「本拠地の場所、強そうなメンバーの特徴なんかも聞いてるが・・・一番大事なのは攻略組壊滅計画だ。簡単に言うと嘘の本拠地に攻略組が乗り込んできたところで待ち伏せして奇襲をかけるって算段らしいんだが・・・」

 

 

「そこで俺からの提案だが、いっそ敵の計画を利用するってのはどうだ?」

 

 

 

 

 

 

「サンラク君!その・・・さっきはごめんなさい」

「俺も連絡しなかったからな」

「それで、これからさっきの提案なんだけど上手くいくかな?」

「普段からずっと本拠地で集まってる奴らじゃないからな、一網打尽にするには一か所に集まるタイミングが一番いいだろ」

「そうよね・・・。ただ、少しラフコフの作戦、気にならない?」

「PoHらしくない、か?」

「そう、それ。この間の圏内事件の時もそうだけどもっと用意周到で回りくどくて陰湿な作戦を仕掛けてきそうなものなのに、待ち伏せだけって単純すぎない?」

 

 確かに。その奇襲作戦が成功したとしてまだ攻略組の方が若干有利くらいだ。そのくらいの戦力差はある。見た感じPoHは完全にペンシルゴンみたいなタイプだ。ペンシルゴンならどうする?そういやウェザエモン戦の時は、わざとクランの拠点を流して攻め込ませてる隙にユニークモンスターに挑むなんてこともやってたな。

 

「狙いは攻略組の殲滅じゃないのか」

「今の段階だとこれ以上はっきりしないわね」

「もうちょい調べる必要がありそうだな。そういやアスナはPvPやったことあるか?」

「デュエルのことよね?しつこい人を追い払うのに2回くらいかな?やっても別に得しないし」

「それなら今から一戦やらないか?どっちにしろラフコフとは戦うんだ、慣れといた方がいいだろ」

「そういうものなの?普段から攻略してるのとあんまり変わらない気がするけど・・・。まあそこまで言うなら」

 

 ちょっと試したいこともあるしな。見せてやろう、新たな次元へと至った俺の力を・・・!




サンラク、伏せることもなく情報を全部言ってますが攻略組の中にスパイはいません。
攻略組は入れ替わりはありつつ、長い期間地道にレベル上げと装備集めをしてきたメンバーでみんなそこそこ長い付き合いになっている。まあいつメンみたいな感じです。そんな地道な長期間地道な努力ができるならラフコフになんて入らないですからねぇ。

京ティメットは殺しも略奪もしない。ただのデュエリスト。もっと下層にあるPvPギルドの方が向いてるけど、攻略組への情報提供のためにラフコフに入った。京ティメット的にもこのゲームでのPKは許せない。
ラフコフの中では「なんだこいつ」と思われてるし、怪しく思われてるけど、「いつかサンラクへの恨みがある」という建前でやり過ごしてる。何ならカモフラージュのために周囲に漏らしてるサンラクへの恨み言はちょっと周りを引かせてる。割と本音。
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