ソードアート・フロンティア~クソゲーマー、神クソゲーに挑まんとす~   作:melk

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2022年11月6日は小説内でSAOがサービス開始した日ということで、こちらも更新。
早く現実でもSAOやシャンフロのようなフルダイブVRができるといいなぁ。



第二層 ゲームにおける強さ①

 

「アクティベート終わったぞ」

「よし、じゃあここらで解散だな。また組むことがあったらよろしく」

「それまでお互い生きてれば、ね」

 

第一層のボスでは危うく死者を出しかけたが、何とか犠牲者を出さずに攻略することができた。だが、ボスの武器の変化によって、俺たちβテスターはこのゲームに対しての知識や経験というアドバンテージを持ってると同時に、それを過信しすぎるとかえって自分を危険に晒すことになるということがはっきりした。早い段階で分かってよかったのかもしれない。この先はさらに用心しなければ。

さっきのボス戦、ディアベルを助けに行ったのが自分だったら、あのイルファング・ザ・コボルドロードの刀スキルに対処できただろうか?答えはもちろんイエスだ。ソードスキル発動のライトエフェクトだけでもどのスキルか判別できる。だが、初見だったらどうか。はっきりとは答えられない。サンラクはあっさりと避けて見せた。

オルケストラの動画を見た時には思わず手に汗握った。出てくる敵どれもがエンカウントしたことはなくても強敵だとわかるが、それらを軽くいなし、決まった動作で倒せるシチュエーションに持っていく。それだけでも技量の高さが窺えた。敵わないと思った。

だが、ここはSAO。変質したとはいえ俺が誰よりも恋焦がれ、挑み続けたゲームだ。ここでなら俺は負けない。

とりあえず、サンラクには実益とちょっとした嫌がらせを伴うアレを提案しておこう。

 

「サンラク、体術スキルって知ってるか?」

 

 

「キリトマジで許さねえ・・・」

 

体術スキルが習得できるという耳寄りな情報を聞いて、真っ先に町はずれの高台まで行った。道着を着たNPCと大きな岩があった。まさか素手で割れと言われるとは思わなかった。しかも素手で割るまで顔にかかれたペイント消えないし。右目の丸に、左目の丸を追加してもらえばメガネってな。ハハハ、ぶっ飛ばすぞ?

全然割れないし、石を殴った時の痛覚フィードバックもそこそこあるしでマジで辛かった。途中から参加したアルゴを説得して(脅して)「割れるかどうかは威力じゃなくてただの乱数」という情報を知って、NPCを殴りかけた。NPCを殴るのはやめておこう。代わりにキリト、殴らせろ。犯罪者(オレンジ)になるのも厭わない。

 

「そういや、体術関連のクエスト終わったのに、何でひげペイントつけたままなんだ?」

「NPCに言えば消さずに残しておけるゾ?それに、情報屋は顔を覚えられてナンボだから、こういう特徴は役立つからナ」

「そうか、これで顔の印象は変えられるってことか・・・!?」

「今ならオネーさんとおそろいだナ」

「じゃあやめとこ」

「もうちょっと迷えヨ!・・・それよりも、サンラクはこれから体術スキルを試しに行くのカ?それならオイラとパーティ組まないカ?」

「ん?ああ、いいけど。ぶっちゃけお前戦えるのか?」

「階層数+10レベルは越えてるから大丈夫ダ。いざとなったらサンラクが助けてくれるんだロ?」

「それ、俺が庇って死ぬパターンじゃね?」

「よ、さすが攻略の立役者!」

 

そう、この間のボス戦での最後の猛攻とディアベルの苦悩(嘘)を熱く語りすぎて、それなりに知名度が上がってしまったのだ。主に後者が原因。

 

「目立つのも面倒なんだよなぁ・・・」

「今更だロ?まあ、あの”サンラク”と同一人物だってのに気づいてる奴は少ないだろうけどナ、今のところは」

「!?」

「動き方もそうだが、テンションが似てるからナ。オレっちは2回目に会った時には気づいてたゾ?」

「マジか~。やっぱり顔隠せる装備探すか・・・」

「逆効果だろうナ。顔隠してる“サンラク”とか簡単に連想できるしナ。あきらめロ」

 

シャンフロの“サンラク”であることを隠すかの顔を隠すか・・・。どっちかはバレるってのもな。これが頭隠して尻隠さずって奴か、いや違うな。

まあ、いい。面倒なことは先延ばしだ!

 

「この鬱憤はモンスターにぶつけてやろう」

 

 

 

「サンラク、防御頼ム!」

「しゃがんでろ!」

 

二層は山をくりぬいたところに町がある。つまり町の外は山なのだ。そして、出てくるモンスターはトーラス族つまり牛だ。

特徴的な大きな角が上から叩きつけられるのを、体術スキル《登天》で蹴り上げる。角対足ではさすがに分が悪いが、足を牛の顎の下まで潜り込ませて、頭ごと蹴り上げれば角の強度なんか関係ないよなァ!タイミングを上手く調整しないと、顎にヒットせず角を避けらないがな。

急激な脳の揺さぶり(無論こいつらに脳なんてない)を止めないように、体術スキル《閃打》を発動、右拳で左頬を殴る。ダメージ的には大したことはない。二発でHPバーの2割が削れた程度だ。俺の役目は防御であって攻撃は武器持ちに任せる。

 

「よし!ラスト行け!」

「《ラピッドバイト》!」

 

短剣による2連撃が牛の横っ腹を貫き、HPバーが0になった。

この体術スキル、かなり使い勝手がいいな。SAOのソードスキルは発動するときに、特定のモーションを行わないと、起動しないようになっているため、攻撃しようと思ってから発動するまで若干のタイムラグがある。大体1秒弱くらい構えておく必要があるのは、俺的にはどうにも遅く感じる。その点、体術スキルは威力こそ低いが発生までが結構速い。刀を落とした時にも(片腕が未装備状態なら)戦えるのもポイント高い。盾を装備しようか迷ってたが、片手は開けてた方がいいな、これ。今は体術スキルの練習のために、両手開けてるんだけどな。

 

「即興にしては上手く行ったな」

「オレっちはパリイしてくれってつもりで言ったんだけどナ。今の、受け損なってたら頭かち割られてたんじゃ・・・」

「調子いいし、このまま攻略続けるか!」

 




ゲームで大切なことはステータスか、プレイヤースキルか。強さとは色々な経験か、磨き抜かれた一つの道か。
彼らは誰より強くならなければならないのか?




ここからはオリジナル要素がさらに増えてきます。筆者はアニメ勢なので、体術関連などは「二次創作で読んだことある気がするなぁ」くらいの認識です。情報収集はしていますが、アイデアの都合上、大きく展開が変わる部分も多いです。
まあ、全てサンラクの影響力ということにしておきましょ!

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