「クズ共が」
男はそう言って気絶した冒険者を雑に床に投げて残りの冒険者を睨みつける
「ガルド!」
「クソッ、何で化け物共の味方をする!こんな奴ら如何しようとかってだろうが!」
「ふざけるな、彼らはお前たちよりも理性的で他者を思いやる優しい者達だ、貴様らの様な金や怪物趣味目的で手を出して良い存在ではない」
そう言い終わると男は攻撃を開始して3秒と掛からずその場にいた数人の冒険者を倒す、男のスピードに付いてこられなかった冒険者達は何が起こったのかも分からずに意識を手放すことになった
「これで全員だな、隠れ里まで送ろう」
「すまねえなロイっち、いつも同胞を助けてもらって」
「気にするな、ウラノス様にもお前たちを助けるように言われているしな。それより物資の方は足りているか?」
「ああ問題ねぇ、しかしあの魔剣って言う武器まで良いのか?昔に作られたクロッゾの魔剣だってフェルズが驚いてたぞ?」
「問題ない。四六時中お前たちと共にいられるわけではないからなあれでお前たちの身が守れるなら安いものだ」
「ロイっち、クゥー!レイが・・・っと」
「レイがどうかしたか?」
「あ、いや何でもねえ!!それよりここまでくれば後は俺っち達でも大丈夫だ」
「そうか?一応最後まで」
「良いから良いから!まだやらなきゃいけない事があるんだろ?」
「そうだが・・・本当に大丈夫か?」
「ああ」
「分かった、くれぐれも気を付けてくれよ」
「おう、ありがとなー!・・・あぶねえあぶねえ、危うくレイに殺されるところだった」
~~~~
ギルドの奥、そこは赤髪の女神が歩いていく、そしてそれを止めるように同じ服を着た様々な種族の者達が大きな足音を出しながら追う
「お待ちください神ロキ」
「なんやロイマン。固いこと言うなや、ちょっと聞きたいことがあるだけやっちゅうに」
神を追っていた集団の中、話しかけたのはギルドの職員達の中でギルド長と呼ばれる他のファミリアでいう団長の地位にいる男だった
「い、いけません」
エルフと言う種族とは思えない程にでっぷりと太った腹の肉を引っ張られたりしながら神ロキを止めようとするロイマンだが神相手、それを都市二大派閥の一つであるロキ・ファミリアの主神を相手に力づくなど出来るわけもなく、弄られながら駄目ですとしか言えずに困っていると
「神ロキ、ウラノス様からの許可が出ました」
「お、【番人】久々やな」
「お久しぶりでございます。皆は業務に、神ロキは私がお送りいたします」
「わ、分かりました」
そういって職員達は来た道を戻っていきその場にはロキと【番人】と呼ばれた男だけになった
「それでは」
「ああ」
(もしあの異様なモンスターが出現した事件、黒幕がギルドの場合止めきれるんか?)
ロキは男の背中を見ながら自分の眷属達が彼と敵対した場合の事を考えるが嫌な結果しか考えられない事にため息を吐いた
名前も顔も隠しているので不明、唯一分かっているのは声や体格などから男であるという事とエルフの特徴である長い耳が見えること
そして
このオラリオやバベルを作ったダイダロスなどと同じ時期に恩恵を与えられた彼は、他の眷属がモンスターとの戦闘や事故で死んでいく中生き残ったたった一人の眷属だった。ギルドの中立性を守るためにギルドの職員には恩恵を与えられていないが、彼だけはその決まりを作る前からの眷属であったことや1000年も良きてるってすご!?と神々の興味を引き特例を許されている。後は彼が『ウラノス様の神意に背くことは絶対にしない』と神々の前で宣言したことと神ウラノスの神徳もあっての事だろう
ウラノスの元へたどり着くと男は一礼をしてきた道の影に消えていく。しかしその場を離れずウラノスを守れるように控えているのだろう
「よい、下がれ」
ウラノスがそう言うとコツコツという足音が小さくなっていく、自分はこの場からいなくなったという印だろう
「これで話しやすいだろう」
「ええんか?自分の護衛を離して?」
「構わない、そんなことはしないと確信しているからな」
「さよか、じゃあ早速本題や」
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「ロイマン」
「ここに」
ロキが帰った後、ウラノスがギルド長の名を呼ぶが、そこに現れたのは先ほどロキをここまで案内したエルフの男だった
「この前の報告に合った異様なモンスター、ロキ・ファミリアも調査を始めた様だ」
「いかがいたしますか?」
「ダンジョンに行くときそれとなく注意してくれていれば良い。一応ゼノス達にも何かないかの警戒を頼む」
「は」