豚の皮をかぶった凄い奴   作:ゴロゴロ鼠

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第3話

「ふう、自分と約千歳年の離れた子に怒られるとは、結局代金を受け取ってしまったし。まあそこが彼女の美点なのでしょうが」

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

ロイマンが【ディアンケヒト・ファミリア】の団長からお説教を受けた後、祈祷の間へ続く扉の守護に戻ろうとすると一人の同胞に声を掛けられる

 

「レフィーヤ・ウィリディス氏、どうなさいましたか?」

 

「えっと・・・今日訓練をしてもらえると聞いて」

 

通常ならばレフィーヤが言ったことは信じられない者で自身とは違う派閥に教えを乞うことは珍しく親しい派閥同士で有るか無いかといった所。ギルドは中立で【ロキ・ファミリア】と特別仲が良い訳ではない

 

「・・・ああ、もうそんな時間でしたか。準備をするので少しお待ちください」

 

しかしロイマンは後進育成として不定期に第一級冒険者向けに特訓の相手などをしておりオッタルなどは最低でも一ヶ月に一回はロイマンと模擬戦を行っている

 

「お待たせいたしました、ではダンジョンに行きましょうか」

 

「はい!よろしくお願いします」

 

そのまま二人はダンジョンへと入り目的地へと移動する

 

「あの~、今更なんですけど、私が【番人】さんの指導を受けても良かったのでしょうか。私まだLv.3何ですけど・・・」

 

「構いませんよ、丁度用事もありませんでしたし第一級冒険者向けにというのは最初の頃全冒険者向けにしたら人が殺到しすぎて捌ききれなくなったので簡単な線引きをしただけです。中には昨日今日冒険者になった何も知らない者もいたのでまずは基礎知識を付けて下地を作ってから来てくださいという事で、その点ウィリディス氏はリヴェリア様から知識も教わっておりますので大丈夫でしょう」

 

「そうだったんですね。あっ、じゃあアイズさんなんかも」

 

「ええ、ヴァレンシュタイン氏とも数えきれないほどの模擬線を行いました。最近は落ち着いていますが最初の頃は今よりも幼く何かにとりつかれたようにダンジョンに行くか私との特訓を望みよくギルドに来て私を出せと受付の者を困らせていました」

 

「アイズさんにそんな過去が・・・」

 

「ええ。さて、この辺は他の冒険者も滅多に来ない場所ですのでここにしましょう。何かできるようになりたいことなどはありますか?並行詠唱など」

 

「えっと、並行詠唱はフィルヴィスさん、他の人に教えてもらってできるようになったので実践的なことを知りたいなと」

 

「成程、では私が軽く攻撃を行いますのでウィリディス氏は回避、出来れば並行詠唱も行ってみてください、悪い所が有れば指摘します」

 

「よろしくお願いします!」

 

~~~~

 

ロイマンがレフィーヤとの特訓を行った数日後、祈祷の間でロイマンはフェルズが持ってきた水晶を見る、そこに移っていたのは【ロキ・ファミリア】の精鋭と【ヘファイストス・ファミリア】団長が59階層に向けて移動している所だった

 

「教え子がどんな活躍をするか見物だな」

 

「教え子と言っても一日にも満たない時間教えただけですよ。私が教えた事もあまりないですしね」

 

「あれを教えた時点で十分だと思うが、何故教えたんだ?普通なら隠すと思うが」

 

「生かせる能力があるから教えただけですよ。彼女は成長したらこの都市を支える一人になるでしょうし」

 

「相変わらずだな」

 

~~~~

 

「君たちに勇気を問おう」

 

59階層での精霊との戦い、二発の強力な魔法によりリヴェリアとガレスが倒れ退路も断たれ精霊はモンスターから魔力を吸い魔法を放とうとしている絶望的な状況であったが団長の言葉により団員皆が闘志を燃やし団長に続き精霊の元へと進んでいく

 

「アイズ力を溜めろ、全力の一撃で君が決めるんだ。他の者は最善を尽くしアイズをヤツの所まで送り届けろ!」

 

(【番人】さん力をお借りします!)

 

「【ウィーシェの名のもとに願う。森の先人よ、誇り高き同胞よ。我が声に応じ草原へと来れ。繋ぐ絆、楽宴の契り。円環を廻し舞い踊れ。至れ、妖精の輪。どうか力を貸し与えてほしい】」

 

詠唱する魔法はエルフ・リング、レフィーヤが【千の妖精】と二つ名がついた理由のレア魔法。同族であるエルフの魔法ならば詠唱と効果を完全に把握していれば多少の対価でその魔法を召喚できる魔法

 

「【力は足りる、手数が足りぬ。一時でもいい、父神を支える柱を。架空の家族(ファミリア)をここに】」

 

「【ドッペルゲンガー】」

 

その魔法を発動した直後、精霊の元へ向かう一団の中に新たに一人分の足音が生まれた

 

「レフィーヤ、それって」

 

「彼の魔法を教わったか、頼んだよ」

 

「「はい!」」

 

ロイマンがレフィーヤに授けた魔法は分身魔法。自身の分身を生み出す魔法で込めた魔力によりステイタスに差が出るがオリジナルが魔力を負担することでコピーとの魔法同時発動もできるようになる。

 

「【ディオ・グレイル】」

 

「【誇り高き戦士よ、森の射手隊よ・・・

 

精霊がまたも魔法を出すが一人目のレフィーヤが防御魔法で仲間を守り、その間にもう一人が魔法の詠唱を行う

 

「【ヒュゼレイド・ファラーリカ】」

 

レーフィーヤが放った魔法は精霊を守るように現れた蔓の様な壁に防がれるが壁を破壊しアイズ達の道を作る

 

アイズはそのまま精霊の元へ向かい攻撃をするそれを見て精霊はにやりと笑い

 

「【アイシクルエッジ】」

 

口を開きそこから魔法を放った

 

近距離での魔法、近距離に迫った魔法にアイズを含め誰もが対応することができなかった。しかし、準備をしていた者は違う

 

「【アルクス・レイ】」

 

先ほど防御魔法を出し攻撃の余波で吹き飛ばされたオリジナルのレフィーヤが残った精神力を振り絞り出した最後の魔法は精霊の魔法を砕きアイズの道を作り

 

「リル・ラファーガ!」

 

アイズは無事精霊を討伐することに成功した

 

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