インフィニット・ストラトス~Tha Strongest Men~   作:アルアル

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プロローグ 中国代表候補生の護衛は恋人(仮)

インフィニット・ストラトス、通称IS。

 

篠ノ之束が作り出し、今や全世界の兵器の頂点に君臨する存在だ。

 

しかし、そのISにも唯一絶対の欠点があった。

 

女性にしか扱えないということ。

 

そのため世界は女尊男卑という価値観を持つまでになってしまった。

 

そんな世界で織斑一夏は男でありながら、ISを動かせてしまったのだ。

 

当然、世間は大騒ぎになり、彼は『世界で唯一ISを使える男性』として注目を浴びることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、中国軍司令室である揉め事が起こっていた。

 

「だから!日本のIS学園に入学するって言ってるの!」

 

「凰君、少し落ち着いてくれたまえ。行き成りそんなこと言われても困るよ」

 

初老の男性が、1人の少女を宥める様に言う。

 

「なによ!ついこの間まで、IS学園に行けってうるさかったくせに!」

 

「ついこの間って言っても、それは半年前のことだろ?それに、君自身がIS学園での専門教育を拒否したじゃないか」

 

「うっ……それはそうだけど」

 

少女の名は凰鈴音。

 

中国の代表候補生であり、名目上中国軍に所属している。

 

「まぁ、いいじゃないアルか、司令官」

 

すると、司令室の扉が開き、赤毛の長髪をポニーテールにした長身の少年が入って来る。

 

「烈火!」

 

「王君……君までそう言うかね」

 

少年の名は、王烈火。

 

鈴とは同い年であるが、列記とした軍人で階級は中尉である。

 

「だって、元々IS学園に行かせるつもりだったアルでしょ?なら、いいじゃん」

 

「そうは言ってもね。軍としては、凰君がIS学園に行かないモノと思って、何も手続きはしておらんのだよ。それに、今からでは護衛の手配も……」

 

「なら、入学手続きじゃなくて、転入手続きでいいアルよ。それに、護衛なら僕が行くアル」

 

「烈火が?」

 

「ん?僕じゃ護衛に不足アルか、鈴ちゃん?」

 

「ううん、むしろ頼もしいぐらいよ!」

 

「だったら問題ないアルよね」

 

司令官は、髪が薄くなり始めている頭を撫でながら、溜息を溢す。

 

「……わかった。凰君のIS学園への転入の件と、王中尉の護衛の件、私の権限で認めよう」

 

「やったー!!」

 

鈴は喜びの余り、その場で飛び跳ねる。

 

「ただし、IS学園には、各国から多くの代表候補性が集まっている。くれぐれも問題を起こさないでくれたまえよ」

 

「わかってるわよ!」

 

「了解アルよ」

 

2人は敬礼をして答える。

 

「それじゃあ、この書類に必要事項書いて、明日までに提出してくれたまえ」

 

「はいはいっと」

 

鈴は書類を受け取ると、司令室を出て行った。

 

「ところで、王君は本当に大丈夫なのかね?」

 

「何のことアルか?」

 

「言葉の通りの意味だ。君はまだ若いし、階級もその歳では異例の中尉。軍部に本格的に務めれば、今以上の地位だって夢ではない。それなのに、護衛の任を引き受けるのは、君の将来にとって、あまりプラスとは言えん」

 

「僕は僕のやりたいことをやるだけアルよ。それに、軍の上層部なんて堅苦しいだけで面白くなさそうアル」

 

「まったく、君という奴は……」

 

司令官は再び溜息をつく。

 

「それに、鈴ちゃんが行くなら、僕は何処にだって着いて行くアルよ。恋人(仮)としてね」

 

「はいはい、ごちそうさま」

 

司令官は呆れた様子で手をひらひらさせる。

 

「それより、凰君と同様に君も提出せねばならない書類があるよ。ほら、書いて明日までに提出ね」

 

「ありがとうアルよ、司令官」

 

烈火も、書類を受け取り、司令室を後にする。

 

「やれやれ、若さというのは羨ましいものだな」

 

司令官は、そんなことを考え、置いてあったお茶を飲む。

 

「む……温くなっとる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから暫く時が経ち、鈴と烈火の2人は、日本へ向かうべく飛行機に乗っていた。

 

「日本とか久しぶりだなぁ」

 

「そう言えば、烈火って日本育ちだったわね」

 

「そうアルよ。生まれは中国アルけど、育ちは日本。正直、僕的には身も心も日本人アルよ!」

 

烈火は笑いながら、そう言う。

 

「でも、まさか烈火があたしの護衛の為だけに、IS学園まで付いて来るなんてね……」

 

「そりゃ、鈴ちゃんのことが心配だからアルよ。それに、僕は仮とは言え、鈴ちゃんの恋人アル。その恋人を護るのは当然の義務ってもんアル」

 

胸を張って言う烈火に、鈴は申し訳なさそうな顔をする。

 

「………ごめんね、烈火」

 

「ん?」

 

「あたしがはっきりしない所為で、あんたにまで迷惑かけてる」

 

「気にしないでいいアル。それに、鈴ちゃんの気持ちが整理できるまで待つって言ったのは僕アル。だから、それまで待ってあげるのが男の甲斐性ってものアル」

 

「烈火……ありがと」

 

鈴が笑顔で言うと、烈火も笑みを浮かべる。

 

「……まぁ、それはそれとして、やっぱりちょっと気になるアル」

 

「なにが?」

 

「鈴ちゃんの初恋の相手アルよ」

 

「うっ!?そ、それは……」

 

鈴が顔を赤くして言い淀んでいると、烈火はニヤリと笑う。

 

「日本に着いたら、ソイツがライバルになるアルからね!今のうちに、どんな奴か調べておかないと!鈴ちゃんのハートを奪った罪深き男め!絶対に許さないアルよ!!」

 

「べ、別に、今も好きって訳じゃないわよ!自分でも、今の気持ちが分からないんだから!」

 

「どうだか……それで、名前は何て言うアルか?写真とかあるアルか?特徴は?身長は?体重は?血液型は?誕生日は?家族構成は?趣味は?特技は?好きな食べ物と嫌いな食べ物は?休日は何をしているアル?住所は?電話番号は?メールアドレスは?LINEやってるアルか?友達の数は?部活は?バイトは?よく聴く音楽は?好きなゲームは?アニメは?漫画は?ラノベは?映画は?カラオケの十八番は?好きな動物は?嫌いな動物は?将来の夢は?得意科目は?苦手科目は?教師受けは?生徒受けは?成績は?運動は?勉強は?料理は?洗濯は?掃除は?家事は?風呂は?トイレは?ペットは?欲しいものは?」

 

「ちょ!ストップ、ストーップ!!烈火!質問が多すぎるわ!!」

 

「だって、恋敵アルよ?弱点ぐらい知っておかないといけないアル」

 

「そんなことしなくても、大丈夫よ!どうせ、向こうに着いたら嫌でも知ることになるんだから!」

 

「それじゃあ、日本に着いたら、色々と探りを入れるアルよ」

 

烈火はニカッと笑う。

 

「……程々にしておきなさいよ」

 

鈴は疲れ切った表情で答えるも、楽しそうにしている恋人(仮)の烈火を見ていると、自然と口元が緩んでしまう。

 

(まったく、烈火のバカ。でも、本当にありがとう。大好きよ、烈火。大好きだからこそ、はっきりさせるから)

 

鈴は烈火に寄り掛かり、日本に着くまでの時間、眠りについた。

 

そんな鈴を見て、烈火は微笑み、烈火も鈴に寄り掛かって、眠り始めた。

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