Second Real Online!   作:はひろ

2 / 8
第2話

 

家はいいものだ

 

家具や家電は盗まれないようになっているし、家の中でのキルのオンオフは設定できるようになっている

 

鍵は、ピッキングできるが、家の中に入っても何もできないどころか犯罪者となり名前が赤く表示されるようになるから、やる人間はほとんど居ない

 

まあ、ウチは教会兼自宅という仏教徒が寺を自宅?自宅の中に寺?を作る感じの作りなので鍵は常に開けているのだが

 

殆ど溜まり場や、待ち合わせ場所に使われている為、賑やかではあるが、ポーションや聖水を買ってくれるのでwinwinの関係だ

 

偶に自称信者たちが占拠することもあるが、基本的に平和なのである

 

そんな田舎の公民館みたいな場所だが、今日は違った

 

その偶にの日だったらしく自称信者たちが、勝手に鍵をかけ何やら集会を開いている

 

私?私は離れてポーション作ってますよ?

 

私のポーションは通常の店売りよりも、効果が高い為人気があるので常にストックを作って置かなければなくなってしまう

 

VStockも自分で作り置きできればいいのに

 

パ○レイバーみたいな感じじゃなくてね

 

レア役のストックってなんだよ

 

逆に、聖水は効果が低く、人気もあまりない

 

祝詞を女神像の前で唱えるだけででき、コスパとしては最高なのにな

 

まあ、価格を安く設定しているから、金欠のアホ共と、レア出現の新人は買っていく

 

新人の出現割合は、ペル○ナ5の弱チェくらい。当然設定2

 

銅トロフィーが出るからか、設定2の店多いのよな

 

一応、もうこのゲームも2周年を迎えたあとの春だから、というのもあるかもしれないが

 

2周年イベ?課金アイテムが安くなりましたよ

 

お陰で周りも、あ、2周年迎えてたんスね…くらいの感じだった

 

急に目の前で雄叫びが上がる

 

いやどうした急にとそちらを睨むが、気にした様子もなく、どこかに旅立ってしまった

 

大丈夫だろうか?話を振られたような気がして、偶に、にこやかに頷いていたんだが、何もわからない

 

迷える子羊達が新たな道を見つけ旅立って行ったものと考えよう

 

私は、ポーション作りに勤しんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖職者として、耳を傾けるべきだった

 

そう思いはするが、ポーション作りは続ける

 

今、家の中に衛兵長と、自警団長が重苦しい顔をして座っている

 

自警団は、プレイヤーの自治組織で、まあヤクザみたいなものだ

 

衛兵と自警団をまとめるNPC、プレイヤーの両長は、一体何をしにきたんだろうか?心当たりがあるせいで集中できない

 

あ、いつもより回復量の少ないものが出来上がってしまった

 

店売りよりも、まだ効果は高いが、微々たるものだし、どうするべきか…

 

これ以上続けても同等以下のものしかできないと考え、道具をしまう

 

この劣化ポーションとも呼べるものはどうしようか?

 

とりあえず、二人の目の前に置いて、いります?と声をかける

 

ダンっ!と自警団長が机を叩き立ち上がる

 

お前は立場をわかっているのかと

 

いや全くと首を振ると、力の抜けたように座り込む

 

その間にポーションは無くなっていた

 

上手だなぁと感心していると、衛兵長が口を開いた

 

 

 

「神官、貴様、信者を焚き付けたな?」

 

 

 

心当たりはあるが、心外だとこちらも口を開く

 

 

 

「衛兵長さま、私には信者はいません。ここに来る者も殆どはナイヤ様の信者でございます。その他も、無宗教の者でございます。見に覚えのない疑いをかけられ、困惑している次第でございます」

 

 

 

そう言うと、衛兵長は扉の外に声をかける

 

すると、縄に囚われているアカネと、衛兵が入ってきた

 

アカネはこちらを見ると、膝を折り、そのまま床に頭を着けて

 

 

 

「教祖様、すみませんでした。しくじりました。どうか何なりと処罰を…」

 

 

 

私は天を仰いだ。見えるのは天井だが

 

恐る恐る衛兵長に尋ねる

 

彼女は一体何を?

 

 

 

「彼女達だ。詰所を襲ってきた。死人も半数は出ていたぞ?どういうことか説明してもらおうか」

 

 

 

再び私は天を仰いだ

 

いや、私は何も知りません。彼女に聞いてくださいホント

 

それを畏まって伝えると、また自警団長が机を叩く

 

台パンは嫌いなんだよなぁ。壊れたらどうする?壊れないけど

 

 

 

「こいつらがここで密会を行い出てきたのは、俺の部下が見てンだよ!しらばっくれるな!!」

 

 

 

ああ、うん。あれね?一切話し聞いてないからわからんとしか言えないが、明らかに首謀者は私と疑われているようだ

 

流石にそれは言わねばならない

 

 

 

「お二方、私は神官であり、迷える者の手助けをするものです。自ら謀って何かをする、というのはあり得ないことなのです。現に私は普段から鍵を開け、誰でも入れるようにし、私自身の行動にやましいことは無いと、皆に伝えているのです。そのかいあってか、この場所は、皆さんの憩いの場となり、常に歓談の聞こえる場所となっているのです。それを私は快く思っています。そしてそれを制限するつもりも無いのです。なので、私は一人、離れた所でポーションや聖水作りに勤しみ、集中することで、話を聞かないようにしているのですよ。もし、彼女達がここで何かを話そうと、私の預かり知らぬ所でありますし。懺悔を聞くものとして、外に話すことはありません」

 

 

 

「やはり何かを知っているな!!」

 

 

 

ああ、言葉選びを間違えた

 

最後のはどう考えてもいらなかった

 

だが、話を聞いていたのかこいつは、と思わなくもない

 

少し腹の立った私は考える

 

 

 

「わかりました。私の知っていることを話しましょう。ですが、その前に、アカネに懺悔をさせてもよろしいか?やった行いは消えることはありません、ですが、こうして膝を折り頭を垂れて反省の意を示しています。なので縄を外し、懺悔をさせてやってください」

 

 

 

そう言うと、衛兵長は何かを考えるような素振りを見せたあと

 

 

 

「…わかった。ただし逃げられぬよう。部下を後ろに付かせてもらう」

 

 

 

衛兵長もナイヤ教の信者なのだ、懺悔するというと、頷いてくれると思っていた

 

 

 

「俺の部下も付かせてもらうぞ!」

 

 

 

自警団長もそう言うと思っていた

 

 

 

そしてアカネは衛兵と自警団に囲まれた状態で女神像(大)の前まで来る

 

そこで私はアカネに近づき耳打ちする

 

貴女の心のままに動きなさい。

 

そう言うと目を輝かせて頷く

 

その光景を見た自警団の一人が訝しみ、声をかけようとしたところでアカネが動き出す

 

そこから先は虐殺だった

 

何故かここを集会所としている彼女達は邪魔なことに武器を至る所に隠している

 

その一つが女神像(大)の裏だった

 

釘金属バットを取り出したアカネはまず衛兵標的にした

 

自警団と言っても、ただの素人。尚且つ自警団ロールのため外に経験値稼ぎをする頻度も低い

 

衛兵にとっては邪魔なだけだろう

 

アカネは一人なことを利用して、自警団を盾にしつつひとりひとり撲殺していった

 

剣と違って切れ味が落ちることは無いから体力の問題くらいしか懸念点がないのは強みだな?見た目悪いけど

 

というかアカネってどのくらい強いんだろうか?

 

あまり外に出ないから分からないが、衛兵相手に条件次第とはいえ無双出来るのは中々だよな

 

そして父になるってなんだ?

 

私は一人で混乱していた

 

その姿を見てか、衛兵は誰もこちらを気にしていないようだった

 

自警団?部屋の隅でガタガタ震えているよ

 

私が笑顔で近づくと震えが酷くなり更に怯えているようだった

 

酷いなぁと思いながら声をかけると、全員強制ログアウトとなった

 

感情が一定値を越えると強制ログアウトされるシステムはどうなんだろうか?そもそも笑顔で近づいただけだぞ?失礼な人たちだなぁ

 

そんなことを考えていると、急に静かになった

 

終わったのかな?と思ってそちらを見ると背中に剣の生えたアカネと頭を陥没させている衛兵長がいた

 

二人は同時に倒れると、すーっと消えていった

 

リスポーンしたのだろう

 

私は部屋を見渡す

 

傷は一つもないが、あたり一面血で汚れていた

 

私は黙ってモップを取り出した

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。