Second Real Online!   作:はひろ

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第4話

私は考える

 

最近牢屋にいる時間が長くないかと

 

一応、私はゲームを楽しむためにここにいるのだ

 

決して牢屋にいるのが楽しくてやっているわけではない

 

引退するか?

 

正直な所、このゲームはグラがいいからやっている。というところがある

 

一番の低評価要素である戦闘をしていないから比較的ストレスなく遊べているのだ

 

その私ですら、頻繁に監禁されているのだ

 

やる意味を失っている気がする

 

そんなことを考えていると、家の扉が乱雑に開かれる

 

何事かと思いそちらに目をやると、幼女を先頭に何十人ものプレイヤーが見えた

 

いや、何事?キャパオーバーだよ?そも、この人数で押しかけるとか常識持ち合わせてるのかね

 

と口に出さなかったが視線で語りかけると、数人のプレイヤーを除き、扉の前から消えた

 

なんでわかるの?エスパーか何かな

 

「我々は、常に観察を怠らないのですよ。だから視線にどのような意味が含まれているかわかるのです」

 

らしい。というかこの幼女なに?

 

「失礼、申し遅れました。私は検証班と呼ばれるグループのまとめ役、のようなものなのです。以後お見知りおきを」

 

そうなんだ、よろしく

 

「ええ、よろしくお願いします。早速ですみませんが本題に移ってもよろしいです?」

 

どうぞ?というか、礼儀正しいなこの幼女

 

「ありがとうございます。それでは本題なのですが2件ありまして、1件目はポーションの品質についてなのですが」

 

品質?そんなの手動でやれば良くなるもんでしょ?

 

「たしかにそうなのですが、貴方の作るポーションは効果が高すぎるのです。薬師メインでやっている方よりも効果が高いのはなぜなのですか?しかもそれを、NPCの店の相場より少し高いくらいに設定している理由も。薬師の子泣いてますよ?劣化品しか作れないのにこんな金取るのか!って怒られているのです」

 

ちゃんと試行錯誤してるのかね?その子

 

値段は、神官だからお布施のお礼に渡しているって体なので、売買しているって感じではないんだよね

 

なんなら一部はお布施だけ置いてってくれるから金に困ってはいないし

 

「濃縮したり、希釈したり、分量を変えたり色々やってますよ。最近はレベルが足りないのでは?と狩にも行ってます。価格に関しては、その、相場を崩さないであげてほしいですかね?」

 

へぇ、濃縮ねぇ…まあ価格に関しては、私よりいいもの作ってみろとしか言えないかな?もう一つは?

 

「強引に切ってきますね…あの自警団団長のリベレオンさんをどうやって牢屋に入れたかですね」

 

リベレオンっていうんだ。知らなかったな

 

どうやって、かぁ

 

所でここ一応教会なんですけどお布施はしていかれますか?

 

「ええ…今言います?まあしますけど」

 

ありがとうございます。神もお喜びになられているでしょう

 

貴女の道に幸あること願っております

 

それじゃあ本題に入るけど、あの人ポーション取ってっちゃったんだよね

 

「貰ったと本人は言っていますけれど」

 

私は、品質の悪いポーションが出来たからいるかいらないかって聞いただけなんですよね。あげるとは一言も

 

「つまり、認識の違いというだけですか?」

 

言ってしまえばそうだね。なんなら詐欺の手段でもあるよ?

 

まあ、人のそのへんの感情?を汲み取って判断してるっぽいよね

 

多分本気であげる気で言ってたら何もなかっただろうし

 

でも、検証班名乗っているならその辺詳しいのでは?

 

「いえ、そもそも需要がないんですよね。牢屋関連のシステムに関しては」

 

ほう?なんでそれなのに私に聞いてきたのかな?

 

「このゲーム自体のシステムに関わりそうなんですよね」

 

…続けて?

 

「まず、このゲームで捕まる時というのは、今までは明らかな犯罪行為をしたら捕まるという認識でした。しかし今回の場合、一見すると、確認不足とはいえ犯罪行為とは客観的に見えない面もあるんです。そう考えたときに、何が要素となりシステムが作動するか、となると、今回の場合、言葉に持たせたニュアンスの違いとなるわけです。ということは、その言葉に乗せた感情を、思考をシステムは正しく認識しているということです。つまりはこのゲーム、脳波を全てシステムに通し判断している。ということで中々反Vの人達が騒ぎそうな案件だなと」

 

反Vですか、VRMMOをプレイしたから悪影響が出るとか印象論でしか語らない人たちねぇ…話通じないから嫌いなんだよなぁ

 

「私もです。ただ、この結果を聞けばまた騒ぎ立てるでしょう。特にこのゲーム、あんまりいい印象持たれていないので」

 

私みたいなプレイスタイルだと気にならないんだけどね

 

「教祖プレイがですか?…まあ信者が暴走しない限りはそのとおりではあると思いますね」

 

信者はいないし教祖でもないよ。ただの善良な神官プレイヤーだよ

 

「あんなに信者がいるのにですか?最近はNPCにも手を出しているとか」

 

あんな適当な言葉で信者が出来るなら楽な商売だよね

 

というか、皆が私の事を教祖だと思っているから、システムも私が教祖だと誤認してNPCにも影響が出てるんでは?

 

「あー、それもあるかもですね?可能性は薄いですが」

 

薄いってなんだよ

 

…まあいいか、これで話は終わりかな?

 

「そうですね。今日はご協力ありがとうございました」

 

こちらもいい話が聞けたので、今後も付き合って行きたいんでフレンドになりませんか?

 

「フレですか?ええ、また面白いはn」

 

べちゃ

 

幼女が話している最中に目の前から消え、代わりに見知った人物が、金属釘バットを振り抜いていた

 

音のした方を見ると、脇腹の複数の箇所から血が流れていて、顔の周りを中心に、花火のような広がりを壁に咲かせていた

 

壁にぶつかった方の肩は潰れ、手足は折れ曲がっている

 

いや、うん、中身知らないけど、相手幼女ぞ?

 

説教をしようと正面を向くと、目と鼻の先に、犯人が立っている

 

「教祖様?アレ、なんですか?なんで目だけで通じ合っているんですか?おかしくないですか?まだ今日がはじめましてですよね?もしかしてお知り合い、とかでしたか?そんなことはないと思いますけど」

 

目も表情も声音も平坦だった

 

身震いする

 

だが、こういう手合は間を嫌う

 

それで状態が悪化する

 

「彼女は初対面ですよ。ですが、友人でもあります。貴女はなぜ私の友人を?話し次第では然るべき対応をさせてもらいますよ」

 

さて、博打だ

 

悪化する可能性もあるが、鎮静し、立場を逆にできる可能性もある

 

「え、あ、そ、そうなんです…か?」

 

明らかに動揺している

 

勝ったな

 

「そ…そう…です…と…も…き、きょうそく…ん…ごほっ!…とは…ゆうじんだ…きょ、きょうそ…は、はやく…フレ登録を」

 

詰めようとする前に、肉塊幼女から声がする

 

まだ生きていた

 

もしかしたら非戦闘職に見せかけた戦闘職だったのかもしれない

 

しかし、もう約束してしまった手前撤回はできない

 

急いでフレ申請を飛ばすと、許可の文字が目の前に現れた

 

ぐしゃっ

 

と、同時に今度は何かが潰れる音がした

 

そちらを見ると、肉塊幼女が光に変わり、完全に消えていった

 

結果、残ったのは肉片のついた金属釘バットだけだった

 

私は心の中で合唱する

 

蛍◯光を

 

閉店時間かな?閉店したいけどな

 

私は残った検証班に対し、アカネと土下座した




うまい棒で、パトランプもカウントダウンも外れ最低保証で終わった悲しみ
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