その女〝動物好き〟 - the another order - 作:浅学寺のえる
「あっはっはっ、こうも簡単に
《クソ、触んなテメェ!》
《ピンキー、ごめん! アタシが油断したせいでっ!》
アタシの目の前で下卑た笑いを浮かべるのは、海賊〝六角のシュピール〟
原作が連載される前に掲載された読み切り〝ROMANCE DAWN〟に登場した敵。
後ろ髪を6か所結ぶという奇抜な髪型の男。ルフィ曰く、アメンボに似てる頭。
フーシャ村へ向かう途中で、まさかこんな奴と遭遇するなんてね……
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〜 10分前・上空 〜
「ねぇピンキー。下に船が見えるんだけど」
《あ? ほっとけよ相棒。そろそろ例の村だぜ?》
うーん、確かにフーシャ村へは早く着きたいんだけど、あの船も気になるんだよね。
地中海じゃ見かけたことがない〝和〟テイストな船。
あ、帆に家紋が描かれてる……鶴が丸く羽を広げた模様って
まさか、光月家!?
「ピンキー! 緊急旋回! 目標、小型船!!」
《ばっ!
「ご、ごめん! まだ慣れてなくて……」
ピンキーは文句を言いながらも、猛スピードで船に向かってる。
アタシの命令は絶対。
こんな関係を望んだ訳じゃないのに……ホントごめん。
「船長! でけェ鳥が突っ込んできやす!」
「鳥ぃ?……あれは、
《ダメだ! 制御が効かねェ!》
「どうしよう!? あ、ピンキー! あの帆に当たって衝撃を減らして!」
《
「え!? 今のも命令になっちゃうの!?」
急にピンキーの軌道がズレて、上手く帆に当たってくれた。
ふぅ〜。どうにか船を壊さずに済んだみたいだけど……
「随分と派手な登場だなぁ、お嬢さん?」
「ごめんなさい」
「いやいや、船は壊れてねェし。お宝にも巡り会えたし文句はねェよ?」
「お宝? もしかして……!?」
「何、胸元を押さえてんだ、オメェじゃねェよ! 自意識過剰か!?」
《相棒……》
ち、違う!
確かに最近、自分でも綺麗になってきたなぁとか思う事もあるけど……!
アタシの持ってる宝〝四郷のクリスタル〟を狙ってるのかと思ったの!
って言うかこの船、光月家と無関係っぽいなぁ〜。
家紋も良く見たら、そのままの鶴だし。光月家の家紋よりもずっとシンプル。
でも、この船長っぽい変な髪型の人は何処かで見覚えが……?
「ふーむ、無愛想だが……まあ美人ではあるな。出てこい、〝
《あぶねェ!》
「え? ピンキー!? 何、その檻! 一体どこから!?」
「ちっ、女は逃したか。まあいい、これで〝
「ルク……?」
「知らねェで乗ってたのか? こいつの血にはな、妖術が宿っているんだ」
「妖術……?」
「おいおい無知にも程があるぜ? 覚えておけ、おれ様が 妖術使い〝六角のシュピール〟だ!」
「ロマンスドーン……?」
「あァ?」
とりあえず、ピンキーは
アタシの油断で、突然現れた檻にピンキーが囚われてしまった。
何も無い空間から、さまざまな物を出現させる妖術。
読み切りだと、他にも炎を出したり、斬撃を出したりも出来たハズ。
これで悪魔の実の能力じゃないとしたら規格外すぎるよ……
「驚いて声も出ねェか? 安心しろ、お前も殺しゃしねェ。商品として大事に扱ってやる!」
「ついてるぜ船長! 高値で売れそうな宝が、こうも次々やってくるなんて!」
「おいおい、ルクは売らねェぞ? だが国を捨てて、こっちへ来たのは正解だったぜ」
《おい相棒、この檻壊せそうか?》
《それ鉄製でしょ? ムリムリ、この細腕だよ?》
《ハッハッー、猫被りやがって。なら、せめて船長って奴を倒してくれよ》
それしか無いよね、この状況だと。
ピンキーが
でもアタシの攻撃技って1つしか無いんだけど。
敵に向かって〝
威力には自信があるんだけど、難点として命中精度がすこぶる悪いんだよねぇ。75%くらい?
原因はアタシの動体視力が〝剃〟に着いて行けてないから。
どうしよう? この狭い船の上だと、外したら海に落ちちゃうし。
《また、技にこだわってんのかよ。お前さんの腕力なら普通に殴っても……》
《そんな怪力キャラじゃないのっ!》
《だったら、アッチの技を使ってくれよ》
《ダメ。今の状況で船が沈んじゃったら、アタシ達死んじゃうでしょ?》
《おれが飛べば問題ねェ。そっちはアテがある。安心して、ぶちかませ相棒!》
そう自信満々に言われちゃうと、相棒としては答えない訳に行かないよね……!
アッチの技──っていうか他力本願?
あの方法はスマートじゃないから嫌いなんだけど。仕方ない!
スゥー……
《海に暮らす、なるべく大きなお友達ー! 誰か近くに居ませんかー!?》
《ん? この声、前に会った嬢ちゃんか?》
あれ? この声、もしかして あのイルカ?
アタシが記憶を呼び覚ました原因と、記憶が混乱した原因。その両方になってる因縁のイルカさん。
う……知人だとやりにくいなぁ〜。あ、ひょっとしたら普通に助けてくれるかも?
「船長!? 超巨大イルカが……!?」
「だ、大丈夫だ。動く気配はねェ。このまま、そっと離れるぞ!」
《おーおー、仲間が出来たのか。良かったじゃねェか》
《この連中は仲間じゃないの。それでね? できれば助けて貰いたいんだけど……?》
《あん? なんでそんな事しなくちゃならねェんだ? おれにメリットがねェだろ》
出たよ、出た出た。シビア動物の常套句〝メリット〟
原作だとケイミーやジンベエの呼びかけで、魚達は快く協力してくれてたのに!
哺乳類だからかな?
あーあ、どうせならラブーンに来て貰いたかったなぁ。
思えば初めて会った時も、このイルカには見捨てられてたんだ……よし、やってやる!
イメージするのは、アタシが最も苦手とするもの。
まずは褒めて───
《ねぇ、イルカさん。お友達でしょ? アタシのお願い、聞・い・て?》
《なんだそりゃ? 友達でもねェしよ。色仕掛けなら、同族のオスにやってろよ》
《う……それにしてもぉ〜。アタシの事覚えててくれて嬉しいな!》
《いくら媚びても無駄だ》
《ううん! すごいなぁーって感心してるの! よく、その小せェ脳みそで覚えてたなって♪》
《…………アァ!? 食い殺しt
成功!
〝言う事を聞いてくれないんだったら、怒らせて暴れさせちゃおう〟大作戦!
上げて上げて、敵意が無いと思わせた所で……暴言! 前に巨大モグラを怒らせた時は大変だったなぁ〜。
「うわぁぁ!? イルカが急に暴れ出したぞ!」
「マズい、このままだと船が!」
《ピンキー! 早く檻から出てきてよ!? 船が沈んじゃう!》
《ち、小せェ脳みそ……ハッハー!》
《なにツボにハマってんの!? いいから、出てよ!》
《だがよ相棒? あの巨大さだぜ? フツー脳みそだって、おれ達よりデケェだろ!》
知ってるよ!? 普通サイズのイルカだって、脳は人間より大きいんだから!
アタシだって、あんな事言いたく無かったけど。やれって言ったのピンキーでしょ!
ああ、想像以上に荒ぶってるよぉ。もう船が保たない……!
ピンキーは一向に檻から出る気配がないし、アテがあるってのは嘘だったの?
こうなったら、アタシが土壇場で流桜を習得して、あの鋼鉄の檻を……!!
《おいおい相棒。土壇場でチカラの覚醒なんて、それこそキャラじゃないだろ?》
《でも! この檻を壊さなきゃ!》
《落ち着けよ。あのなぁ〝覚醒〟なら、もうしてるだろうが。おれを
《あ》
───Eloim, Essaim, Eloim, Essaim……
「我は求め訴えたり! 来て〝ピンキー〟!」
《ふぅ。窮屈な檻だったぜ》
覚醒した〝ヒソヒソの実〟の能力。
動物の隷属化 と 隷属した動物の召喚。
ピンキーは檻の中から姿を消して、あっさりとアタシの目の前に現れた。
いつでも喚びだせるチカラは便利なんだけど、デメリットも大きいんだよね。
「船長!? あんた1人で逃げる気かよ!」
「うるせェ! おれは引き際を弁えてんだ。宝は惜しいが、命あってのナントやらだ!」
あ、アイツ空も飛べたんだったね。
妖術で出したホウキに乗って、空の彼方へ消えて行った。将来ルフィの敵として再登場するのかな?
おっと、アタシ達も脱出を急がなきゃ!
「なあ、宝はどうするんだ!?」「あ!? それどころじゃねェだろ!」
「能力者はカナヅチって話だ、船が壊れりゃ沈んじまうさ」
「んぐ、むぐ! プハー、やっと出れた!」
「このガキ、暴れんな! もうテメェに構ってられねェんだ。勝手にどっか行きやがれ!」
「逃げていいのか!? ありがとう!って、船沈んでんじゃねェかっ!!! どうしよう、おれ泳げねェんだ!」
シュピールの手下が、宝って呼んでた袋には子供が入ってたんだね。
騒がしい男の子だけど、話の流れだと能力者っぽいし助けてあげないと!
「きみ! 乗って!」
「デケェ鳥だー!? ウマそう!」
《相棒。こいつ、
「もう、
「うわっ! 離せっ、この鳥!」
上空に戻ってきたアタシ達。
眼下には、沈みゆく船──結局、なんで和船に乗ってるのかは分からなかったなぁ。
《
《え、シュピール? しつこいなぁ》
振り返れば
激しい音を立てて、荒ぶる巨大イルカが迫ってきていた。
あ、怖いからイルカのテレパシーはOFFにしてたんだ。
最後に聞いた声だと、アタシの事を食い殺すとかなんとか……
うわぁ。イルカって口を開けると鋭利な歯がいっぱいで怖いなぁ〜。
《ピンキー、もっと高く。雲の中へ!》
《了解だ。おれも食われるのはゴメンだぜ!》
「なんだ!? 見えねェけど、スゲェ音がしてんぞ!」
「ごめんね! このまま逃げ切るから、もう少し我慢して!」
男の子には悪いけど、原作のルフィみたいにピンキーが咥えて運ぶ形になっちゃった。
上空は空気も薄いんだから、早くイルカを撒いて陸地へ行かなきゃ!
「スッゲー!! 雲の上に出た! もっと高く飛んでくれよ!」
「あはは。思ったより元気そうね」
《威勢のいいガキだぜ》
この子の声を聞いてると、雲の中に空島がありそうな気がするよ。お城みたいなやつね。
あの名作の主人公と、この子の声が凄く似てるの。
ちょうどアタシも、特別な石のネックレスを付けてるし♪
そう言えば、あの名作の主人公もルフィと同じ声優さんだったよね。すごい偶然!
ん……? と言うことは、この子の声もルフィと似てるって事?
──フーシャ村の近海
──能力者の男の子
──黒髪、わんぱくな性格、食欲、よく似た声
──そして、びょーんって音を立てて伸びてる首
どうしよう!?
直接ルフィと会う予定は無かったの!
遠くで見る程度にするって、ヴィオラと約束してたのに!
ー フーシャ村 ー
《それじゃ相棒。戻してくれ》
《大丈夫? 檻の座標はズレてるけど、海賊がいるかもよ?》
《問題ねェよ。おれ1人なら捕まるようなヘマはしねェ》
「それじゃ、気を付けてねピンキー。
「なんだ!? 鳥が消えちまった!」
召喚の終了。
いまピンキーは、召喚される前にいた場所へ戻ってる。
船は転覆して、海賊も海に流されてるみたいだけど……ピンキーが戻る座標は変わらない。
召喚される前に檻が置いてあったポイント。現状だと、海面から少し高い、何も無い空間。
これが召喚のデメリットの1つ。
完全に同じ座標に戻っちゃうから、もし船で移動中の相手を召喚したら大変な事になるの。
空を飛べるピンキーじゃなかったら、召喚解除した時そのまま海に落ちちゃうからね。
《相棒! イルカに見つかった! 少し遠回りしてから戻るぜ》
《気を付けて!? 絶対、こっちに連れて来ないでよ!?》
《ちっとは、おれの心配をしやがれ!》
あ、能力が覚醒した時のオマケで、隷属相手とはテレパシーの有効距離が無制限なの。
便利は便利なんだけど、たまにアタシの思考が洩れちゃうみたいでプライバシーが……
あはは。心を覗かれるのはヴィオラで慣れてるけどね!
「ルフィー!? どこに行ってたの! 村のみんなで捜してたのよ!?」
「マキノ! おれ、さらわれてたんだ!」
ルフィ確定!
悪あがきで、敢えて名前を聞いてなかったのに。
そして、この子がマキノさんかぁ。アタシと同じ位の年っぽいし、お友達になれるかな?
心配そうにルフィを抱きしめちゃって! やっぱり、弟みたいな存在なんだね。
「あなたが、ルフィーを?」
「あ、はい」
「そう……。あなたが、ルフィーを誘拐したのね……っ!!」
「えぇ!? 誤解! 誤解!」
「そうだぞマキノ! こいつがデッケェ鳥に乗って、助けてくれたんだ!」
「大丈夫よルフィー、分かってるから。そう言えって言われたのね?」
分かってないよ、この子!
そもそも、アタシが子供を誘拐する人間に見える!?
とにかく誤解を解かないと!
「あのね? マキノさん? その男の子が言ってるのは本当で……」
「だったら、人が乗れるような大きい鳥は一体どこに?」
「あ、えーと」
「さっき消えちまったんだ! 急にスゥーって!」
「ルフィー、村長さんが落ちてた帽子を拾ってくれたわ。今は広場にいるハズよ?」
「ホントかー!? 良かった〜、おれ行ってくる!」
ルフィの帽子ってまさか……!?
いやいや、今のルフィ5歳だよ? シャンクスにはまだ会ってないハズ!
頬に傷だって無かったし。
あれ?
だったらどうして〝ゴムゴムの実〟を食べてるんだろう!?
「ね、ねぇマキノさん! ルフィって悪魔の実を食べたんだよね!?」
「……やっぱり、それが狙いだったのね。あなたは教会の人間?」
「あーもう! 全部誤解! 人攫いでも、教会の人間でもないの!」
「なら、そういう趣味の人? 小さい男の子が好きっていう……アノ?」
「違う! それは、貴女でしょ!」
「なっ!? ち、ちがうわ!」
あ、言っちゃった。
もうマキノさんと和解するのは不可能かも。
ー ドレスローザ・王宮 ー
「それで? 村人から追われて、戻ってきたピンキーに飛び乗って──今に至ると?」
「あはは。スケジュールが空いちゃったから、他にも寄り道してたんだけど……」
「スケジュール? 前に私が頼んでから半年動かなかった貴女が、スケジュール?」
「う……だって!」
頼まれたの、去年の収穫期の直前だったし!
ようやく忙しい時期が終わったと思ったら、真冬だもん。
寒くて空の旅なんて無理でしょ!?
春になっても、ちょっと寒かったし……コタツで服のデザインを考えてたの!
それもこれも、コタツなんて堕落アイテムを開発した〝メリップ工房〟が悪い!
「それで5月? ルフィも誕生日が過ぎて5歳になっちゃったみたいね?」
「そうそう。ちなみに、アタシは18歳!」
「聞いてないわ。あとね、服のデザインも最近だとノジコちゃんが考えてるって話だけど?」
「アタシも考えてるよ!? ただノジコの物が採用されやすいってだけで……」
「貴女は素直に〝漢字Tシャツ〟だけ作ればいいのよ」
アタシだって、ノジコみたいな正統派の服を作りたい!
コタツでノジコが描いてたデザインが凄く良くて、ミンゴに見せてみたら即採用。
それからは、ノジコもお絵かき感覚で服を考えてくれてるの。
漢字シリーズは、自分で閃いたと思ったものが、よくよく思い返せば原作やアニメに登場してた なんてパターンがあるからね。
〝未熟〟〝完熟〟〝医〟バンダナ とか。
おっと、今は不機嫌なお姫様をどうにかしなきゃね!
「不機嫌で悪かったわね」
「あはは。遅れてごめんね?」
「……もういいわ。私も時期は指定してなかったし。それで、ルフィに会った感想は?」
「うーん。まさに〝ルフィ〟って感じだったね……最後、空から見た時〝麦わら帽子〟被ってたし」
「既に帽子を被ってて、ゴムゴムの実も食べている。原作なら7歳以降の話よね?」
「うん。途中で出会したシュピールも気になるし」
「ロマンスドーンね」
それからもヴィオラと話し合ったけれど……結局、雑談になっちゃった。
ロマンスドーンの情報量は少ないから、現状だと何も断定できないからね。
あ、でもシュピールの能力については、仮説が立ったの。
〝妖術〟って単語は、原作ワノ国での〝悪魔の実の能力〟に対する呼び名と同じ。
シュピールも和船に乗ってたし、やっぱり能力者って可能性が高そう。
アタシが見た限りだと、斬撃や火炎は確認できなかったから〝ポケポケの実〟に類似した能力だったのかもね。
ま、空飛ぶホウキは謎のままなんだけど。
「さて、そろそろ〝覚醒〟した時の話を貴女の口から聞きたいのだけど?」
「コラさんも居ないのに話せる訳ないでしょ!? 勝手に覗いて!」
「貴女の口から聞きたいのに……ピンキーと真の相棒になった話」
「そんな大それた話じゃないよ?」
ひと月前、2人でちょっとしたトラブルを解決したんだ。
そのあと、ピンキーがこれからも宜しくなって言うから、アタシはそれに答えただけ。
テレパシーじゃなくて、直接〝よろしく、相棒!〟って耳打ちしただけなの。
まさか、隷属化の条件が〝相手の耳元で、右手を添えて話す事〟だったなんて。
ピンキーは相棒って関係性で、アタシと契約してしまったんだ。
その時に、アタシの右手人差し指には謎の指輪が出現して。
ピンキーの背中には、あのアザが刻まれてしまった。
隷属の証──〝
今のピンキーは、アタシが命令形で話したら絶対に逆らえないみたい。
体の自由が効かなくなって、勝手に命令通り動くんだって。
テレパシーでの会話だったら大丈夫みたいだから、最近はコッチで話すことが増えてきてるの。
「おおよそ分かったわ。今度は私の見解を覗いて?」
前にやった心の覗き合い。コラさんが居ない状況だと、盗聴防止には最適だよね。
前にも話したけれど、貴女の食べた〝ヒソヒソの実〟は王族が名付けた仮そめの名。
真の名前は〝ヒトヒトの実 幻獣種 モデル:ソロモン〟
王族や一部の貴族は、この能力を危惧して代々口伝でその概要を伝えているの。
私が伝え聞いている情報と擦り合わせてみましょう。
とりあえず、覚醒した際に〝動物を隷属化できる〟って事は情報通りみたいね。
ピンキーが心まで支配されていないのは、貴女が相棒としての役割で契約したからだと思うわ。
伝承では、使徒として契約した場合 心まで支配してしまう恐ろしいチカラらしいもの。
貴女以外で、唯一覚醒した人間───アド・オリーチェには12の使徒がいたの。
契約の指輪を十指に
自由自在に使徒を呼び出せたって話。
おそらく、貴女の指にあるモノがそれなんでしょう。
え? 12 と 10で数が合わない?
知らないわよ。私だって、お父様に同じ質問をしたけれど……その謎は伝えられてないらしいわ。
とにかく! 貴女は、少なくともあと
支配するのは嫌なんて言ってもね? 状況次第では躊躇わないで。
巨大イルカだって契約しちゃえば良かったのよ!
え? 鳥、虎、亀と契約したから、次は〝竜〟がいい? 貴女……。
いい? もし、このチカラが本格的に教会へバレてしまったら……どうなるのか未知数なのよ!?
アド・オリーチェの再来と迎えられるか、はたまた刺客を送られて消されるのか。
それだけ危険視される能力だって事を忘れないでね!
「あはは。心配してくれてありがとう」
「今更ね。今後のためにも〝お友達〟は増やしておきなさい」
「……善処しまーす」
原作で お玉ちゃんが、きびだんごを食べたギフターズを〝お友達〟って呼んでたけど……
アタシの〝お友達〟は時間制限が無い代わりに、人数制限があるみたい。
ま、極力こんなチカラは使いたく無いんだ。
指輪が
それにアタシには、頼れる相棒意外にも〝親友〟がいるんだしね!
今まさにアタシの腰に差した刀を見ながら、
しかしながら、その話は長くなるので また次回!