【急募】見知らぬ世界で生きていく方法 作:道化所属
スタイリッシュ詫び投稿(シュタ!
600:名無しの冒険者
ヴィルデアって何なんだ?
601:名無しの冒険者
知らん
602:名無しの冒険者
ダンまちシリーズでそんな名前は出なかった
603:名無しの冒険者
ダンまちなら元ネタは絶対あるだろう?みんなググれ
604:名無しの冒険者
よしきた
605:名無しの冒険者
こういうのもスレの醍醐味
606:名無しの冒険者
貴様らより先に見つけたるわ!
607:名無しの冒険者
あっ、元ネタあったわ
608:名無しの冒険者
>>607 速すぎぃ!
609:名無しの冒険者
ヴィルデ・フラウ
ドイツに伝わる妖精一族。ザルツブルク近く、バンデルベルクの丘の中に住む、長い髪の美女とされて「野性女」という意味もあるらしいで?氷属性かは知らんけど多分コレやと思う
610:道化所属
妖精?
611:名無しの冒険者
元ネタじゃ妖精=精霊とも言える
612:名無しの冒険者
あっ
613:名無しの冒険者
ちょっ、イッチィィ!?
614:名無しの冒険者
い、イッチ?いつからそこに?
615:道化所属
>>600 から。へー、精霊ねぇ?
616:名無しの冒険者
悪い顔してるのが目に見える……!
617:名無しの冒険者
女帝の笑みが浮かぶだと…!
618:名無しの冒険者
よくぞ此処まで強くなったなイッチ!!
619:道化所属
はっはっは、ありがとう……それで誤魔化せると思ってる?
620:名無しの冒険者
ヒェッ
621:名無しの冒険者
チビりかけた
622:名無しの冒険者
アカン、イッチが女帝達に似てきた
623:道化所属
なるほどヴィルデ・フラウか。精霊ではあっても氷かどうかはわからないけどもしかしたらそんな精霊がいるかも知れないって事か。まあ神様が跋扈する世界なら不思議ではなかったけど
624:名無しの冒険者
せ、せやで(震え)
625:道化所属
全く……よくやってくれた貴様ら
626:名無しの冒険者
はっ?
627:名無しの冒険者
えっ?
628:名無しの冒険者
イッチ情緒不安説を提唱したいと思います
629:名無しの冒険者
ワイも
630:名無しの冒険者
オラも
631:道化所属
まあ待て、とりあえずワイの話を聞け。お前らも知りたいだろ?ヴィルデアの事について
632:名無しの冒険者
お、おう
633:名無しの冒険者
聞くだけ聞いたるわ
634:道化所属
先ず、ヴィルデアとは何なのか。この世界で色々調べたけど意外と身近な人が知っとったわ
635:名無しの冒険者
えっ、誰や?
636:名無しの冒険者
まさか、アルフィアさん?
637:道化所属
いやリヴェリア。というよりはエルフなら誰でも知ってるくらい有名だって
638:名無しの冒険者
エルフなら誰でも有名?
639:名無しの冒険者
えっ、マジかイッチ
640:名無しの冒険者
まさか……
641:道化所属
ヴィルデアってのはな?エルフの伝承に於いて
藍色の姿をした氷の大精霊らしいんや
642:名無しの冒険者
ガタッ!
643:名無しの冒険者
ガタガタッ!!
644:名無しの冒険者
お前ら座れww
645:名無しの冒険者
い、イッチの髪って藍色だよね
646:名無しの冒険者
まさかイッチ……
647:名無しの冒険者
チ○コ付いてないの!?
648:名無しの冒険者
おい待てww
649:名無しの冒険者
>>647 どうしてそうなったww
650:名無しの冒険者
>>647 何を叫んでんだお前は
651:名無しの冒険者
い、いやさ。イッチが精霊憑依でTS説が浮かんでつい……
652:道化所属
馬鹿野郎
ちゃんとビンビンだわボケ
653:名無しの冒険者
ブッハww
654:名無しの冒険者
お前もお前で何言ってんだww
655:道化所属
てかTSだっけ?その結論に至った理由を知りたいんやけど
656:名無しの冒険者
………。
657:名無しの冒険者
………。
658:名無しの冒険者
………。
659:道化所属
………えっ?
660:名無しの冒険者
いや見た目が完全にリィエルちゃんじゃん?
661:名無しの冒険者
ちょっと凛々しくしたリィエルちゃんじゃん?
662:名無しの冒険者
中性過ぎてちょっと男らしく見えないというか……
663:道化所属
えっ、何?
ワイ、性別明言しなかったっけ?
664:名無しの冒険者
分かっていても、という奴だよイッチくん
665:名無しの冒険者
すまんなイッチ。ワンチャン抜ける
666:道化所属
………明日坊主にしようかな
667:名無しの冒険者
ちょっと待て
668:名無しの冒険者
早まるなイッチィィ!!
669:名無しの冒険者
いや髪は切ってもいい!だが何故チョイスが坊主なんだ!?
670:名無しの冒険者
髪切ったところで過去も顔も変わらねえぞ!?
671:道化所属
いやさ、ちょっと……かなり……うん
672:名無しの冒険者
落ち込み過ぎて説明放棄してる!?
673:名無しの冒険者
大丈夫だイッチ!まだ十歳だし全然男らしくなる猶予はある!!
674:名無しの冒険者
>>665 おいテメェ!何言ってんだゴラァ!?
675:道化所属
ごめん、少し離れるわ……ちょっと、ね
676:名無しの冒険者
行かないでイッチィィィィ!!?
677:名無しの冒険者
誰か彼女に男らしさを!!
678:名無しの冒険者
>>677 馬鹿野郎!トドメを刺してんじゃねえ!!
679:名無しの冒険者
ちょっ、イッチ!?せめて説明してから逝ってえぇぇ!?
★★★★★
「…………………髪、切ろうかな」
ため息混じりで剣を二振り携え、颯爽とホームから出て目的地に歩く。遠征が終わり、二日経った今は体力も精神力も全回復してる。朝食よりも今はこの記憶について知りたかった。
頭の中で情報を整理していく。
リヴェリアから聞いた氷の大精霊ヴィルデア。俺が使う【アプソール・コフィン】は氷属性。熱を燃焼し、奪うという炎熱殺しの魔法と類似点がある。
というかヴィルデ・フラウなんて元ネタがあるくらいだ。ゼウス、ヘラ、ロキ、フレイヤとか神がいる世界だし、あり得ない話ではない。本当の伝承で属性が氷かは知らないらしいけど此方では氷の大精霊となってる訳だし。
そして伝承では大精霊ヴィルデアの姿は藍色の乙女であるという。本当に伝承通りなら、自分の記憶の中を過ったあの藍色の少女と類似点が多すぎる。
仮説を立てるとするなら、八歳になる前の俺は
「(……誕生日が確か【ロキ・ファミリア】に入った時。俺が彷徨ったのが三日、その三日前に確実に何かがあった)」
大精霊が自分に力を与えるようなキッカケがあった。それが何なのかは分からない。でも、推測は出来る。その日にヴィルデアは間違いなく俺に
なら、そこまで分かっているなら向かう先はロキと初めて出会ったあの裏路地。その近くにきっと過去に繋がる手掛かりが……
「何処に向かう気だい?」
「!」
脚が止まる。
振り返ると、いつもの見知った三人の姿があった。
「フィン、リヴェリア、ガレス……どうして此処に?」
「なぁに、儂等もお前の行先が気になっただけじゃ」
「私達も同行させてもらうぞ」
「えっ、でも」
同行した所で何のメリットもないし、この件は一人で解決出来る。だから別に手を貸さなくったって結果は多分何も––––
「僕達では頼りないかい?」
「!」
そう言われて言葉が詰まる。
頼りない訳ではない、寧ろ頼っている。けど頼る事が少ないだけだ。俺の方がおかしいと分かっているから。『天啓』もそうだが、転生なんて馬鹿げた話、本の中の世界、明らかに自分が異物であると分かっているから、頼れない気持ちは僅かにある。
「……済まない。僕らは少し君を特別視し過ぎていた」
「何でもかんでも一人で解決できてしまうくらい優秀じゃからの。それが却って、頼ってくれない事に繋がっとる」
「私達はファミリアで家族だ。頼りにしてると同時に、頼られたいと思う。だから手伝わせてくれないか?」
その申し出に僅かに困惑する。
断った方がいい、もし何かあったら自分がどういう存在か知られてしまうから。知らない方がいい。俺にとってもフィン達にとっても。
「で、でも……」
「お前が探している真実が何なのか分からん。けど、どんな結果であれ私たちはお前を軽蔑したり否定したりする事はしない」
その言葉に何も言えなくなった。
俺が転生者でこの世界の未来を少しだけ知っているなんて言ったらどうなる?何かが変わるのか?漫画一冊分の知識しかないそれは殆ど役に立たない。転生者だからいる筈がない存在、だから仲間と思われる事が少し怖い。
この世界を知らない。
生きたい為に強くなる自分はかなり異端だ。その生き方が何かしら流れを変えて、いつか大切なものを砕いてしまうのではないかといつも何処かで一線を引く。
今回もきっと言えない。
きっと俺はずっと三人を身近な他人と認識し続けると思う。【ファミリア】は仲間で家族だが、きっと変わる事が出来ないと思う。
「……ごめん。真実までは言えない。俺にとって重要な事である事は間違いないけど、フィン達は違う。真実が言えないとしても、手伝ってくれるの?」
「ああ、言っただろ?頼られたいと」
「お前さんに世話になった事も多いしのぉ」
「不甲斐ない大人だが、力になるさ」
それでも、三人はきっと違うのだろう。
ノアール達もきっと同じ事を思ってる。だから心配して来てくれた。俺を仲間として、家族として見てくれているのだろう。だから断ろうにも断れず、諦めて歩くと三人は俺の後ろを歩き始めた。
★★★★★
「……此処だ。間違いない」
ロキと出会った場所から十分。
僅かに残っていた記憶を頼りに歩き続け、辿り着いたのは既に寂れた何かの店のような場所。階段を上がり、中を見渡すと劣化が酷く、足を踏み締めただけで木材がギシギシと音を鳴らす。
「ガレス、外にいた方がいいよ?」
「なんじゃ此処まで来て––––のわっ!?」
「木材、結構脆いから重いと抜けるって」
「先に言えい!?」
ガレスの両足が木材の床が割れ、脚が地面に抜ける。普通の建築と違い、此処は意外とハリボテ建築で、劣化までしていると床を踏み締めると地面に抜ける。因みに下は柔くなった泥。抜ければ汚れるのは決まっている。
「なっ!?」
「あれ、リヴェリアも抜けた」
「なんじゃリヴェリア、お主もしかして太」
「【終末の前触れよ、白き雪よ––––】」
「待て冗談じゃ!魔法を使うなこんな室内で!?」
「やっぱ置いてきた方がよかったんじゃ……」
「あはは、仕方ない。僕がどうにかするから先に行っておいで」
フィンの言葉に甘え、ノーグは店の奥へと歩いていく。
憶えている、見た事のある。間違いなく此処にいたという記憶が残っていた。古びたランプ、蜘蛛の巣を張った天井、割れた窓、もう古びて変わってしまっても、その記憶は色褪せなかった。
「えっと確か……」
そして右のドアを開くと、そこにはズタズタになったベッドとテーブルが一つ。散乱した羽根ペンや破れた英雄譚など、大きさ的にも子供部屋と呼べるくらいの狭さだが、見覚えがあった。
確定だった。
自分は昔、間違いなくこの部屋に住んでいた。
「枕の中……いつも高くするために入れてたっけ」
枕だけは幸い、黒ずんでいるがボロボロにされていない。枕のシーツを剥がし、その中にいつも仕舞っていた一冊のノートのような物を手に取る。そこに書かれていた名前は–––
「『ラースのにっき』」
ボロボロになった一冊の日記帳。
自分の過去が記された最後の手掛かりがそこにはあった。
次回、全ての過去が明らかに。
★★★★★
良かったら感想評価お願いします。モチベが上がります。
追記 過去編が多分一万超えるので明日はお休みになります。