【急募】見知らぬ世界で生きていく方法 作:道化所属
1:道化所属
はい、よーいスタート
2:名無しの冒険者
biim兄貴!?
3:名無しの冒険者
何に対してのRTAだ?
4:名無しの冒険者
いや待て、そろそろだろ諸君
5:名無しの冒険者
ハッ!
6:名無しの冒険者
そうかそろそろだ!
7:名無しの冒険者
海の王獣リヴァイアサンの討伐のRTAがはーじまーるよー!
8:名無しの冒険者
だが待て、その前にいつもの事だ
9:名無しの冒険者
時間と現状スペックを存分に語れぃ!
10:道化所属
先ずは現状報告からや。
ワイ、期限付きで【ヘラ・ファミリア】に
11:名無しの冒険者
12:名無しの冒険者
13:名無しの冒険者
14:名無しの冒険者
15:名無しの冒険者
はっ?
16:名無しの冒険者
えっ、ちょっと待て
17:名無しの冒険者
【ロキ・ファミリア】はどうしたの?
18:道化所属
むっっっちゃ渋ってたけど、
19:名無しの冒険者
断り切れなかったと、まあヘラだし
20:名無しの冒険者
やっぱ領域魔法と付与魔法はチートやしな
21:名無しの冒険者
レイド戦なら無限魔力とかズルやん
22:名無しの冒険者
で、期限はリヴァイアサンをぶっ殺すまでか?
23:道化所属
そうやな。今んとこ、ゼウスが一足先に陸の巨獣を斃す準備はしとるんやけど、リヴァイアサンの方が大幅に遅れとるしな。
24:名無しの冒険者
なんで?
25:名無しの冒険者
いやまあ陸より海の方が足場とか逃げ道封鎖とか考えたら氷の魔剣とかめっちゃ必要じゃね?クロッゾの魔剣レベルでも百くらいないとリヴァイアサンに逃げられるしなぁ。
26:名無しの冒険者
あー、忘れてたけど陸で戦える訳じゃなくて、逃げ道封鎖してから陸に釣りあげるしか斃す術がないから女帝達も厳しいのか。
27:名無しの冒険者
まあイッチなら熱の燃焼でそれ以上の効果を齎してくれるしなぁ
28:名無しの冒険者
因みにイッチの心境は?
29:道化所属
アルフィアと居るのは確かに嬉しいけど、やっぱ帰りたい。家族から離れるって言ってロキはめちゃくちゃ嫌そうだったし、けど強くならなきゃ生き残れないから了承したけど、ホームが恋しい。
30:名無しの冒険者
見事なまでにホームシックww
31:名無しの冒険者
まあ年月は仕方のない事やしなぁ
32:名無しの冒険者
というか時間は?
33:道化所属
ランクアップから一年、【ヘラ・ファミリア】に入ってから一週間ってとこやな。今13歳や。
半年後にゼウス達がベヒーモス討伐に、一年後にワイらがリヴァイアサン討伐やな。
34:名無しの冒険者
えっ、別々に行くの?
35:名無しの冒険者
連合組んでいく方が確率上がらない?
36:道化所属
メルティ・ザーラを殺しても第一級殺戮者はまだ生きている訳だし、フレイヤの所でもワイらのファミリアでも対処し切れない。まだ五人以上生きとるらしいし
37:名無しの冒険者
そうやった……
38:名無しの冒険者
抑止力が一気にオラリオから離れたらそれこそオラリオの終わりやな
39:名無しの冒険者
つか思ったんやけど
今は道化所属じゃなくね?
40:名無しの冒険者
はっ
41:名無しの冒険者
確かに
42:名無しの冒険者
よしイッチ!コテハン安価しようぜ!
43:道化所属
待て待て、そう言えば二つ名についてなんやけど【氷鬼】からまた新しくなったわ
44:名無しの冒険者
何……だと?
45:名無しの冒険者
よし、ワイ達が予想したるわ
46:名無しの冒険者
【
47:名無しの冒険者
はいはーい!【
48:名無しの冒険者
【才禍の婿】一択やろ
49:名無しの冒険者
【女神の旦那】というのをフレイヤが出してそう
50:名無しの冒険者
速攻魔法!【道化の戦士】でその名前の効果を無効化する!
51:名無しの冒険者
【藍色のやべー奴】
52:名無しの冒険者
まんまやないかい
53:名無しの冒険者
まあイッチはやべー奴やけど
54:名無しの冒険者
【氷猫】
55:名無しの冒険者
なんか弱くなっとるがな
56:名無しの冒険者
リィエルちゃん似の容姿やと猫っぽいしなぁ……
57:道化所属
因みに選ばれたのは、ゼウスでした。
58:名無しの冒険者
あの変態爺が!?
59:名無しの冒険者
しゃーない、答えはなんや?
60:道化所属
【修羅】やった。
61:名無しの冒険者
あー……
62:名無しの冒険者
まあ納得
63:名無しの冒険者
メルティ・ザーラを殺した以上鬼から修羅に昇華したわけか、
64:名無しの冒険者
カッコいいぜイッチ、だがコテハンの安価とは話が別だ。
65:道化所属
今回は勘弁しろ
訓練続きすぎてもう寝たいのだ。
66:名無しの冒険者
貴様ぁ…!?
67:名無しの冒険者
逃げるんじゃねえぞ安価から……!!
68:名無しの冒険者
貴様はワイらを怒らせた…!
69:名無しの冒険者
ただでさえ最近愉悦不足だというのに……!
70:名無しの冒険者
テメェには人の心とか無いんか!?
71:道化所属
もうそんな余裕がない。今女帝達と訓練してて、相手が全員第一級冒険者。メナが居なかったらワイ五回くらいは死んどる。失血し過ぎてもう動けない……
72:名無しの冒険者
73:名無しの冒険者
74:名無しの冒険者
75:名無しの冒険者
76:名無しの冒険者
えっ、そんなハードなの?
77:名無しの冒険者
五人と戦って五人とも瀕死の状態まで持ってかれたのか
78:名無しの冒険者
失血寸前って……どんだけだよ
79:道化所属
あっ……最後に一つ
メーテリアの治療薬として……ワイの血で僅かに緩和出来るらしいわって…こと……だけ…………すま…ん限………界
80:名無しの冒険者
ファッ!?
81:名無しの冒険者
おい待てイッチ!?
82:名無しの冒険者
爆弾落としてから寝るな!?説明しろぉぉ!?
★★★★★
「マジかこれ……病気の緩和程度なら確かに出来るかもしれん」
「本当かディアンケヒト」
「かなり薄まっているが、精霊の血としての効力はある。じゃが、病気に対しての特効薬にはなり得ないが、生き永らえさせる程度には力を持ってある」
ヘラがこっそり回収したノーグの血をディアンケヒトに見せる。女帝の言葉通りならノーグには大精霊ヴィルデアの血が流れている。もしかしたらと思い、訓練で流した血を回収していたのだ。無断で。
ディアンケヒトの反応は予想以上のものだった。
ノーグにはかなり薄まっているが、血の中にはヴィルデアの神秘が内包されている。それを使えば完治せずとも症状の緩和程度は出来るだろう。
「特効薬になり得ないのは何故だ?」
「精霊の血は万能であって全能ではない。そもそも、血を分け与える事自体が
「精霊の力を持ちながら人間であるノーグでは精霊の奇跡を起こせない、という訳か」
精霊の奇跡はそう何度も起こせるものではない。
奇跡とはそういうものだ。血を分け与えるというのは精霊として構成された存在を分け与えると同じようなものだ。勿論本人の了承が無ければ成立しない。
「じゃが神秘は本物、定期的に摂取すればそれなりに効力はある。病気を治せはしなくとも、緩和なら儂がどうにかしよう」
「頼む。愛し子の為だ、妾からもノーグに説明しておく」
成果はあった。
ロキが激怒するだろうが、ヘラにとっては大切な事だ。一人は世界のために、そしてもう一人は親として子を死なせないが為に奔走していた。
★★★★★
一方その頃。
訓練所にてアルフィアとメナに見守られながらノーグは付与魔法の第二段階を解放していた。
「ぐっ……うううう……!!!」
ノーグは藍色の焔を一点に集中し、圧縮し出力を一点突破にする訓練をしている。汗が滲み出て、訓練用に渡された剣がギチギチと音を立てて罅が入り始める。
「ぐ、ぎぎ……!」
「集中」
「や、ばっ……自壊する……!!」
「【
自壊寸前で、アルフィアが魔法無効化で自壊を防ぐ。
暴発寸前で鎮静化してくれたおかげで安定した状態に戻り、魔法を解くと息を大きく吸い込みながら冷たくなった芝生に倒れる。
「うーん、やっぱり難しい?」
「大精霊ヴィルデアならこれくらい出来るはずと思うがな」
メナが見下ろしながらも回復魔法をかける。
気が付けば剣を握りしめ過ぎて血が出ていた。魔力を通して剣にも付与範囲を増やす事は属性系統の付与魔法なら難しくないが、魔力を圧縮し効果を増幅させるようにする技術は初めてで慣れず、一歩間違えば圧縮した藍色の焔が此処ら一帯を凍り付かせてしまうほどに。
「ハァ、ハァ……そもそもアルフィアは付与魔法を一点集中した事はあんの?」
「無いな。私のは装甲型で打ち消しきれないなら一点集中で守るという事が出来ない。魔法の型が定まり過ぎている」
付与魔法は自由度が高い。
マキシムの雷付与魔法は特に自由さがある。魔法を纏うだけではなく、誘導すれば遠距離攻撃も不可能ではない。だが、限度は当然存在する。マキシムが剣閃に雷を乗せて遠距離範囲まで攻撃が出来るのだが、雷単体を飛ばす事が出来ない。
だが、ノーグの魔法は魔素を回収まで出来る領域魔法を兼ね備えているなら、冷気の隷属が出来るのではないかという女帝の見解を聞いて特訓しているのだが、実際にやってみると相当の集中力と魔力を持っていかれる。
「圧縮と解放、それが確かに出来れば効果は増すけど、魔力を魔力で抑え込んでるみたいだ」
「それと同時に剣もこのザマか」
「これ一回使ったら自壊するね」
試しにメナが振ると刀身は粉々に砕け散った。
圧縮をすれば刀身にそれなりの負荷はかかる。だから刀身への付与は常日頃から行わずに大気の凍える風を剣閃に乗せる程度に収まっているから未だあの二振りの剣が壊れていないのだ。壊れる前提で付与したのは初めてかもしれない。
「とりあえず、圧縮は魔力大量消費にて不可能ではないようだな」
「溜めて放つ事は無理だな。そう言ったスキルが有れば話は別だが、精々剣の収束が限界だ」
だが、文字通り諸刃の剣。
剣が付与に耐えきれない上に相当の集中力と魔力を持っていかれる。使う機会は少ないだろう。
「起きろ、女帝がこっちを見てるぞ」
「仲間になりたそうにか?」
「いや、殺し合いたそうにだ」
ノーグの頬が盛大に引き攣った。
その後、日が暮れるまで女帝達と殺し合いを続け、ノーグは四度くらい三途の川を拝んだ。
★★★★★
「ふうぅぅぅーーーー」
血を流し過ぎたノーグだが、食事を多めに摂り大浴場に一人浸かりため息を溢す。自然治癒能力というべきか、魔力や体力の回復力はスキルにないが常人より遥かに早い。貧血気味だった身体はまだ少し重いがその程度まで回復している。
「男が居ねえ……ゼウスとヘラで見事に分かれてるなぁ……」
大浴場が一つしかないとは思わなかった。
【ヘラ・ファミリア】の冒険者の殆どが美人なのだが、不思議なことに男が居ない。単純に強さを追い求めるこのファミリアの過酷さを前に逃げ出したのか、冷徹なヘラより寛大なゼウスの方があっていたのか、男女がきっちり分かれている。まるで女子寮に男が一人住んでいるみたいで肩身が狭い。
「疲れた……」
風呂は好きだが、すぐに上気せやすい。
だが、少しは長く浸かって疲れを取りたい。だが入浴時間はわざわざ分かれているためそこまで長く浸かれない。わざわざノーグの為に時間を作ったくらいだ。本人は申し訳なさそうにしていたが。
「しかしここまで男女分かれてると流石に不憫だな」
「それに関してはアタシも同意さ」
「へぇ、どん…な……はっ!?」
気が付けば隣にアマゾネスのレシアが湯に浸かっていた。括れた肢体とはち切れんばかりの胸、褐色の肌、所々と女の色気を醸し出して抜群のプロポーションが生まれたままの姿で隣にいた事に混乱し、慌てて両手で目を覆う。
「ちょっ!?なんで居るの!?俺立て札かけたよな!?」
「んなもん無視したに決まってるじゃないか」
「堂々という事じゃねぇ!?俺は出る!?」
「待ちな」
「ぬわっ!?」
足掴まれて浴槽の床に顔からダイブした。
耐久値が上がっていたのかそこまで痛くはないが、倒れた後ろから裸体を押し付けてきた。柔らかな感触と貞操の危機に焦る。
「最近男と関わってなくて欲求不満なんだ。男女一つで風呂と言えばやる事は分かってるだろう?」
「知るか万年発情魔!?」
「アタシの身体に不満でもあるのかい?」
「不満はないし刺激が強すぎるから直視しないようにしてんの!?つか覆った手を剥がそうとすんな!?」
レシアの筋力値は女帝の次に高い。
アマゾネスという事もあり屈強、手など簡単に引き剥がされてしまう。辛うじて目を瞑って抵抗するが頬を舌で舐められた感触にゾワッとして口を開いた。
「【凍て付く残響よ渦を巻け】!」
「うわっ、冷た!?」
「クソッ、アマゾネスからの貞操の危機がどれだけ有れば気が済むんだよ!?」
「えっ………」
脱出した先に居たのは衣服を脱いで大浴場に入ろうとするアルフィアの姿だった。灰色の髪と女神のような身体つき、見えてしまった裸が【天眼】のせいで目に焼き付き、それを見た瞬間、自分の命の終わりを悟り両手で顔を隠し天を仰いだ。
「あの、立て札は?」
「立て掛けられてなかったが?」
「テメェの仕業か!?」
取っ払った
だがどう足掻いても見てしまった以上被害者はアルフィアになる。つまりノーグに逃げる術などない。潔く終わりを受け入れるように軽く微笑んだ。
「遺言はあるか?」
「その、生きててすみません」
「【
大浴場に吹っ飛ばされた。
ノーグは本日五度の三途の川を拝んだ。
ヘラ「……耐久が凄い上がっているな」
因みにレシアは暫くノーグに接近禁止令が言い渡され、ノーグに関してはお咎め無し、アルフィアは破壊した大浴場の一部を弁償する事になった。居た堪れなくてノーグも半額出した。そして暫くの間アルフィアを見ると顔を逸らすようになり、それを見て想像している事が分かり魔法を食らう羽目となる。
★★★★★
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