【急募】見知らぬ世界で生きていく方法   作:道化所属

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 すまん。頑張ったけど明日は無理かも……
 感想くれた方々本当にありがとうごさいます。日刊一位。総合評価10000越えてめっちゃ嬉しいです。



五スレ目

 

120:道化所属

やせいのじょていがあらわれたのだけどどうすればいい?

 

 

121:名無しの冒険者

戦え

 

 

122:名無しの冒険者

当たって砕けろ

 

 

123:名無しの冒険者

いい奴だったよイッチ

 

 

124:名無しの冒険者

お前の事は一週間くらい忘れないぜ

 

 

125:道化所属

諦めんなよ!諦めたらそこで試合終了だろうが!

 

 

126:名無しの冒険者

いや試合にすらならないだろ

 

 

127:名無しの冒険者

レベル差考えてもさ

 

 

128:名無しの冒険者

現実見ようぜイッチ

 

 

129:名無しの冒険者

現実見ないスレ民が言う言葉じゃねえ

 

 

130:名無しの冒険者

>>129○ァック

 

 

131:名無しの冒険者

>>129今貴様は言ってはならない事を言った

 

 

132:名無しの冒険者

見ないんじゃねえ、敢えて見てないだけだ!

 

 

133:道化所属

現実見ろよ。やせいの団長めっちゃニコニコしてるぞ

【画像】

 

 

134:名無しの冒険者

ヒェッ

 

 

135:名無しの冒険者

笑ってやがる……

 

 

136:名無しの冒険者

画面越しなのに伝わるこの恐怖

 

 

137:名無しの冒険者

これが女帝…!

 

 

138:道化所属

現実逃避したいけど、アッチが指名してきた

ワイはホストでもなんでもないんやが……

 

 

139:名無しの冒険者

もしそうなら有罪過ぎる、イッチが

 

 

140:名無しの冒険者

おねショタの概念はダンまちでもあるしな

 

 

141:道化所属

えっ、これワイのせいなの!?

 

 

142:名無しの冒険者

女帝の目に止まったイッチが悪い

 

 

143:名無しの冒険者

理不尽過ぎる

 

 

144:名無しの冒険者

なんて無理ゲー

 

 

145:名無しの冒険者

何ン億歳と十四歳って構図はあったしな

 

 

146:名無しの冒険者

つまりそういう事や

 

 

147:道化所属

それって神と人の恋の話じゃ

 

 

148:名無しの冒険者

細けえ事は気にすんな、ハゲるぞ

 

 

149:名無しの冒険者

さてイッチ、女帝と戦うわけだが

 

 

150:名無しの冒険者

ワイらに何かいう事は?

 

 

151:道化所属

助けてくださいお願いします(土下座)

https://www.○○☆☆■■.com/☆○♪*=―――

 

 

152:名無しの冒険者

待ってた♡

 

 

153:名無しの冒険者

キター!♪─O(≧∇≦)O──♪

 

 

154:名無しの冒険者

むしろこれを待ってたまである

 

 

155:名無しの冒険者

スレ民達よ、スレの貯蔵は充分か?

 

 

156:名無しの冒険者

今宵、伝説が生まれる

 

 

157:名無しの冒険者

イッチという男の名が世界に轟く日となる

 

 

158:名無しの冒険者

まあ必敗は確定だけど

 

 

159:名無しの冒険者

それな

 

 

160:道化所属

持ち上げといて下げるのやめて!?

 

 

 ★★★★★

 

 

 女帝は一人の少年に興味を持った。

 いつか訪れる最強の存在との決戦、神々ですら手に負えず、下界の可能性に託すほどのこの世界の負の遺産、いずれそれを精算しなければいけない中、未だに倒せる確証がない。

 

 強ければ勝てる存在ではない。

 破壊力に身を任せての討伐が叶うほどの存在ではない。

 

 いずれゼウスの眷属が大地の王を殺すならば、ヘラの眷属達が殺すのは海の王。

 

 ただ、海の王を殺す方法が未だ思い浮かばない。

 今の下界に王を殺すだけの存在が現れていない訳ではない。だが、地を踏み締め生きる人間が海の中で勝てるはずもない。故に地へと引き摺り出す方法が無ければならない。

 

 恐らくそう遠くない未来、女帝達は挑む事になる。

 生態系の崩壊、踏み締めた大地の汚染、天の王を抜きにしてもいずれ殺さなければならない存在は世界を壊していく。多く見積もっても五年後が限界だろう。

 

 猛毒を撒き散らし、踏み締めた大地を殺すベヒーモス。

 

 海を総べ、海の生命を喰らい尽くすリヴァイアサン。

 

 

 海の王を殺す切り札がいる。

 策はあれど決定打にならない。

 怪物を殺す切り札はアルフィアや女帝だけでは足りない可能性がある。

 

 そう悩んでる中で––––女帝は見た。

 

 僅かに見た藍色の焔にその可能性を見出していた。

 

 

 ★★★★★

 

 

 女帝自らノーグを指名する。

 都市最強の冒険者である【ヘラ・ファミリア】団長が自ら動く事態に誰もが息を呑む。Lv.2とLv.7の差は蟻と竜程に実力がかけ離れている。木刀を二つ構えているノーグに対して女帝は右手に木刀を握っている。

 

 

「(今まで見てきた誰よりも––––次元が違う)」

 

 

 身体が戦闘を拒否している。

 女帝が本気を出せばあらゆる手段も小細工も一瞬にして無に帰す。勝てる可能性があったフリュネに挑む度胸はあったが、目の前で笑う女帝に対しては既に敗北を悟っていた。

 

 

「どこからでもいいわ––––構えなさい」

「っっ…!」

 

 

 ノーグは息を吐く。

 足の震えを止め、押し潰されそうな恐怖心を生存本能に変え、女帝を前に構えた。

 

 

「(集中しろ…!生半可な攻めじゃ殺される!)」

 

 

 女帝は手加減するつもりだろうが、やっている事は蟻を潰さないまま摘むのと同じ。潰されないようにする為には、いつも以上に集中しなければならない。

 

 

「先ずは疾走。からの様子見」

 

 

 疾走しノーグは魔力を消費し、スキルを発動。

 加速上限の無視。勝てるとは思っていないが、僅かでも隙を作れる状況を見出すため、女帝の周りを疾走する。

 

 そして––––瞬きしたその瞬間だった。

 

 

「(–––っ!?消え)」

 

 

161:名無しの冒険者

イッチ前!

 

 姿を消した女帝は目の前に立っていた。

 全筋力を用いて後退、様子見すら出来ずに、隙どころか此方の虚を突かれたノーグは一度距離を取る––––つもりだった。

 

162:名無しの冒険者

うしろのしょうめんだーれ?

 

 警戒の『天啓』に目を見開き、首を振るより早く、体勢を崩しながら背後を取る女帝に剣を振るう。剣先に響く衝撃、当たった感覚を確かに感じた。そして目を疑った。

 

 

「凄いわね、まるで何処に現れるか分かっていたみたい」

「指……!?」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()

 能力値が違い過ぎる。隔絶とした差が目の前で体現されている。未来が僅かに分かっている『天啓』でさえ、分かったところでどうする事も出来ない実力差がそこにはあった。

 

 だが、周囲の反応は本人と真逆。

 唖然、驚愕、寒気がするほどの異質さを感じていた。

 

 

「ザルド、お前見えたか?」

「見えねえよ。そこから一撃を出せもしない」

「アルフィアはどうだ?」

「見えはした。だがLv.2では見えなかった。未来視のスキルでもなければあの動きは不可能だ」

 

 

 アルフィアの推測は少なからず当たってはいる。

 だが未来視ではなく啓示である場合、何処にいるのか分かっても細かい動きに対応が出来ない。右から来ると分かっていても薙ぎ払うようなのか、右から蹴りを入れるのか、右から何処を狙って攻撃するかまでは知る由もない。

 

 ノーグは断片的な情報からどう動くのが最善なのか判断しながら動いているが、『天啓』が頼りになるのは作戦や護りのみ。攻撃をどうするべきなのかは自分で選ばなければならない。反射的な攻撃ならまだしも、攻めてる途中に攻撃方法の『天啓』が来ても対応出来ないからだ。

 

 

「目が異常にいいのか、未知のスキルなのか、面白いわ」

「っ、ハァ…ハァ……」

「けど、私が見たいのは別」

 

 

 既に満身創痍。

 息を切らしているノーグに対し、傷一つ負わずに全ての攻撃を指先一つで止めている女帝。どちらが優位か、どちらが強いかなど勝負の前に一目瞭然。

 

 覆す手段があるとすれば一つしかない。

 

 

「使いなさい––––貴方の魔法を」

「いや……無理、剣が先に壊れる」

「マキシム」

「えっ、マジ?」

「メナ」

「私の?……貸し一つだよ」

 

 

 マキシムとメナというヘラの団員からノーグの目の前に剣を投げられた。マキシムの剣は長く、重くて稲妻が走ったかのような煌びやかな刀身。メナの剣は真っ直ぐで輝きを損なわないような綺麗な刀身が地面に突き刺さる。

 

 使え、という意味なのだろう。 

 ノーグは二振りの至上の剣を抜いた。

 

 

「求める事はただ一つ––––私を満足させなさい」

 

 

 女帝を満足させられるだけの切り札。

 負ける事は分かっていても僅かでも通じるモノがあるとすれば確かにあの魔法しかない。

 

 

「––––八秒。それ以上は無理だ」

 

 

 最強の女帝に宣告した八秒。

 その間でしか出せないノーグの全力。あの魔法は強力さとは裏腹にリスクが存在する。故にリヴェリアが全力の解放を禁じていた。

 

 フリュネの時ですら、ノーグは全力を出し切る事を躊躇っていた。

 

 

「八秒で満足させられると?」

「確約は出来ない」

 

 

 ノーグはLv.2だ。

 レベルが五つも違う女帝を満足させられるだけの実力はない。元々何を期待しているのかと団員達ですら女帝に疑いを持っていたくらいだ。

 

 

「けど、全力を出す事は約束する」

 

 

 負ける事は確実。

 どう考えても覆らない。

 だが、それでもその八秒に僅かな勝機を感じているのならば全力を以て最強に挑む。弱肉強食のこの時代で生き残るには強くならなければ死ぬだけだ。

 

 

「いいわ––––見せて頂戴」

 

 

 女帝もまた期待を込め、ノーグを見定める。

 二振りの至上の剣を構え、小さな英雄の雛は歌を紡ぎ始めた。

 

 

 ★★★★★

 

 

163:名無しの冒険者

えっ、イッチ?

 

 

164:名無しの冒険者

主人公感醸し出してるけど無理だろ

 

 

165:名無しの冒険者

厨二病丸出しやんけ

 

 

166:名無しの冒険者

八秒、それ以上は無理だ(キリッ

 

 

167:名無しの冒険者

むしろ戦えてる感出してただけ奇跡だろ

 

 

168:名無しの冒険者

マジそれな

 

 

169:道化所属

諸君、考えた事あるかい?

藍色の焔は一体何を燃焼しているか?

 

 

170:名無しの冒険者

はっ?

 

 

171:名無しの冒険者

何って、炎なら酸素じゃね?

 

 

172:名無しの冒険者

凍る炎ってだけだろう?

 

 

173:名無しの冒険者

二段階目は別に冷気の強化だし

 

 

174:名無しの冒険者

そーゆーエフェクトじゃねえの?

 

 

175:道化所属

では問おう。

君達はいつから、藍色の焔が冷気の強化エフェクトだと錯覚していた?

 

 

176:名無しの冒険者

なん……だと……?

 

 

177:名無しの冒険者

違うのか?

 

 

178:名無しの冒険者

イッチのオサレポイントが僅かに上がった

 

 

179:名無しの冒険者

つかイッチ

お前ただそれが言いたかっただけだろ

 

 

180:道化所属

勘のいいガキは嫌いだよ

 

 




 後半に続く

 ★★★★★
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