堕天使の男とキャロルが睨み合う。それを後ろから見るボクとアーシアさん。
「錬金術師ときたか。だが、俺の攻撃を止めたぐらいでいい気になるなよ」
「そう思えるのも今だけだ。【土】」
そうキャロルが唱えると堕天使のいる場所から岩が飛び出してきた。それを戸惑いながらも避ける堕天使。そこにキャロルは両手で術式を展開し、追い討ちをかける。
「【火】」
「チッ!レイナーレ様が言っていたガキとは此奴のことか!」
渦巻く2つの炎は堕天使を飲み込もうとする。堕天使はどうにか避けようとするが炎の一部が羽根に少し掠り、一部分だけ炭化し、崩れていった。
堕天使はキャロルの火の術式を少し受け、焦りを見せているようだ。
「避けてばかりではなにも出来んぞ烏が」
「舐めおって!」
堕天使は数本の光の槍をキャロルに向かって投げるがキャロルは難なく避けてしまった。
「お前を消すことは造作も無いが、有効活用させて貰おう」
そう呟くとキャロルの隣に展開された術式から、紫色の壊れたハープのようなものが出てきた。
(なぜそこでダウルダブラ!?使えないはずじゃ...)
『ファウストローブを纏えないだけで、使えないわけではない』
なるほど...って納得できるわけないでしょ!完全に壊れたらどうするの!?
『壊れたらまた直せばいい』
そういう問題じゃないでしょ...
「お前も
「さて、お遊びはここまでだ。【風】、【水】」
キャロルは片手で2つの術式を展開し、堕天使に放つ。堕天使は避けようとするが、ところどころ風弾や水弾が身体に当たっており、フラフラとし始めた。
そこでキャロルは何かを堕天使に向かって放った。
「ぐっ!なんだこれは!」
堕天使の身体には何本もの黒いワイヤーのようなもので絡め取られ、地面に墜落した。
「ダウルダブラの弦だ!」
キャロルはつかつかと足音を鳴らしながら倒れた堕天使に近づく。
堕天使はもがいて脱出しようとするが、そうするごとに弦が食い込みさらに動けなくなっていった。
「くっ!こんなもので...!」
「聖書では、天使や神は限りなく長く生きるそうだな、アーシア・アルジェント」
「は、はい...」
そうアーシアさんに聞いたキャロルはニヤッと怪しい笑みを浮かべた。まさか!
そう思った瞬間、キャロルの小さい手は堕天使の頭を掴んでいた。
「貴様の想い出を有効活用してやる。なに、少しばかり意識が飛ぶだけだ。いつ目が覚めるか、分からないがな」
「どういうことだ!この俺をどうするつもりだ!」
「有効活用と言っただろう。オレの身体を傷付けようとしたのだ、それ相応の罰を与えてやる」
「やめろ、やめてくれえ!」
叫ぶ堕天使の言葉に耳を向けず、術式を展開するキャロル。段々と堕天使の叫ぶ声が大きくなるが、次第に小さくなり、ついには反応すらなくなった。心なしか翼が白くなっている気がする。
(キャロルって結構性格悪いですよね)
「うるさい!オレたちが生きるためには必要なことだ。そろそろ結界が消えるだろう」
そうキャロルが話すと濁った風景が次第に夜の景色へと変貌した。ダウルダブラを異空間にしまう姿を横目にアーシアさんの方を見るとペタンと座っており、心なしか震えているように見えた。
「エルフナインさん...嘘、ですよね?あんなに楽しくおしゃべりや買い物したじゃないですか」
「おい、アーシア・アルジェ...「ごめんなさい!」お、おい!」
アーシアさんは大きな声を上げて走り去ってしまった。その場に残されたのは彼女が被っていたローブだけだった。
(アーシアさん!追いかけましょう!)
「やめておけ。オレたちがあいつを追いかけてもショックが大きくなるだけだ」
(...ッ!そう、ですか)
「それと想い出についてだが」
(はい...)
「相当量手に入った。この量の想い出ならファウストローブを簡単に纏えるであろう」
(そうですか...)
「そんなにアーシア・アルジェントのことが気になるか」
そりゃあ気にしないわけにはいかないじゃないか。
確かに堕天使の想い出を吸い取ってあんなにしてしまったのを見せて、ショックを受けない人はいないと思う。だけどあのまま放っておくと遠くに行ってしまう気がするんだ。
「お前は中身が違うのに、考えていることは本物のエルフナインと変わらないのだな」
(どういうことですか、それ)
「優しすぎるということだ。...ただいつか、その優しさが自分の身を滅ぼすことを忘れるな。まあオレがいる間はそのようなことは絶対に起こさせないがな」
(ありがとう、キャロル)
「フン。......貴様、見ているなッ!」
キャロルは某吸血鬼の台詞を振り向きながら吐いたかと思えば、その方向に術式を展開した。
「あら、バレちゃったかしら」
そこにいたのは赤い、それも普通の赤髪ではない、もっと深みのある赤、紅色の髪をした女性がいた。
その人の後ろに何人かおり、いずれも警戒しているようだった。その中にはいつしかいた血だらけの少年もいた。
「うひょ〜!金髪貧乳ロリっ子とはこれまた子猫ちゃんみたいに属性モリモリで素晴らしいじゃないか!」
助けた少年からは想像も絶するほど酷い言葉が出てきた。やばい、今思念体のボクだけど鳥肌が止まらないんだけど。キャロルの顔もヤバいもの見たような顔をしている。
「気持ち悪いです」
「うふふふ、イッセーくんたら♪」
銀髪の少女はエロガキに軽蔑の目を向け、黒髪ポニーテールの女性はニコニコとしていた。なんだこのカオスな集団は。
「堕天使を倒してくれたことは感謝するわ。だけど、ここがグレモリー家の縄張りだと知っているのかしら?」
「知らん」
キャロルは即答した。なんか後ろにいた皆さんずっこけてますが。
「ま、まあ知らなかったのなら仕方がないわ。...とりあえず、同行していただけるかしら?」
「......断ったらどうする」
「その時はその時よ」
『どうする。この状況』
(ここで敵を作っても仕方がありません。着いて行った方がいいのでは?)
『しかしあいつらから堕天使と似た気配を感じるぞ。もし危害を加えようとしたら...』
(その時は全力で叩き潰すまでです)
『そういうところは似てないな』
(うるさい)
『ならここはお前に任せる。オレは少し休む』
そうキャロルが答えるとボクの身体が少しずつ本体の方に吸い込まれ、気がついたらキャロルと入れ替わっていた。キャロルの思念体はボクの中に入っていき、見えなくなった。ご苦労様、キャロル。
「分かりました。あなたたちに同行します」
「そ、そう(雰囲気が変わった...?)」
「ただし、危害を加えようとした場合はこちらも反撃させていただきます」
「ええ、危害を加えないことを約束するわ」
ふう、なんとかなりそうだ。
「では、私たちの拠点に案内するわ」
そう赤髪の女性が言うと足元に術式が展開され、目の前が真っ白になったと思えば、アンティーク調の薄暗い部屋に移動していた。
「自己紹介するわ。私の名前はリアス・グレモリー。この駒王町を管轄している...」
彼女の腰あたりから蝙蝠のような翼が現れた。
「悪魔よ」
久しぶりにGXとD×D見ました
こんなんだったっけ?
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