そして恐らく5話~10話くらいは書いてると思います。(多分)
コメントがとりあえず10件を目処に投稿していこうと思います。
どんどん感想くださいな。
では、どぞ
…さて、現実世界に戻ってきた訳なんだが、現在は期末考査の期間中。
県内でもそれなりの公立高校に進学しているのだが、テストはだいたい70以上を緩くキープしているが、多少はやらないとあまり余裕綽々とはいかない。
「あー、めんどぉ…」
とは言っているが問題を解く手は止めておらず、ただ口から漏れた愚痴に過ぎない。
さて、そんなことは置いておいて、勉強合間の小休止がてら読者諸君にはこの体質の事を少し話しておこう。
初めてこの体質による転移をしたのは小学校4年生の時ーーーー
「え?」
気づくと俺は山に居た。当時の俺は好奇心旺盛な少年で、山などで年相応に遊び、歩き慣れた近所の山は地域の子供との遊び場となっているほどだった。
「どこ…?」
目を覚ますと山だったのだ、どんな人間でも動揺し、不安に駆られるだろう。
だが当時の俺は先述した通り、好奇心が旺盛だった。
「すげぇ!」
今でも鮮明に覚えている。あの光景を。あの悦びを。
「これは……山だっ!」
何ともまぁ見てわかるそのままの事を叫ぶガキだなと思う。
…だが、そうなるのも仕方がない。
その山で見た光景は、空気の美味しさに驚き、自然の美しさに感動し、森の神聖さは群を抜いていた。
今思えば、恐らくはあの山に勝る山など現実世界では存在しないのだろう。今でもそう思うほど美しかったのだ。
「よし!」
幼心にして浅慮なかつての俺は、山頂を目指し始めた。
コンパスも持たず、地図も持たず、山を登る道具すら無い。
そんな子供がどんな奇跡か、導かれる様に山頂へと進む。
かつての俺は本当に愚かだったと思う。だが、成せてしまった。
齢10の未成熟な身体では到底成すこと叶わぬはずのその偉業を。
後の俺の考察では、あの山は霊峰だったのだろう。
あの山には新鮮な空気で満ち、更に濃い霊力に満ちていたのだと思う。
そして純新無垢な魂はそれに適応してしまった。
山頂に着いたかつての俺は、山頂付近にあった巨穴を見つけた。
それはもはや穴ではなく、ダンジョンの様だった。
まるで……、まるでそう、当時ハマっていたファンタジーゲームに出てくるような…
「誰かいる?」
一瞬誰かの声が聞こえた気がした。
なんだ…僕以外の人がもう既に登ってたのか…
山を独り占めしているような気になっていた少年は落胆し、少し拗ねたような表情で穴を進み出す。
当時は何も思わなかったが、今思えば壁が淡く光り穴の中を照らすようなものは洞窟ですらないのだろう。
奥に進むと地震の様な揺れが短い周期でするようになった。
「ヒッ……ふぅ、よし!」
恐怖より好奇心が勝った少年は勇猛果敢にも前へと進む。
まぁへっぴり腰だったのは覚えてるよ…
その奥に居たのは、燦爛とした鎧を身にまとった男と…
巨大なドラゴンだった。
「…!」
まるでゲームの世界のような光景に感動を覚える……のではなく、俺はその光景に酷く恐怖した。
傷だらけで血を流しながら憎しみに染まった瞳でその翼を、尾を、爪を、牙を振り回すを巨大なドラゴン。
相対するは片腕を失い、血だらけになりながらその巨竜に叫ぶ騎士の血生臭い戦闘を、10の子供が正常に受け止められるものではなかった。
バタリ……
その尋常ではない狂乱の最中感覚が研ぎ澄まされた両者は爆音怒号轟く最中、少年が恐怖により地に尻をつく音を感じ取った。
「えっ…」
止まぬと思われた戦闘は両者ともに不意を突かれたことで時が止まったように静まり返った。
次の瞬間ーーーー
ーーーー俺は喰われていた。
虚をつかれた両者だったが、先に動いたのはドラゴンだった。
本能から来る疾走か、少年の目に頭に喰われるという予兆すら感じさせる前に、少年はその口で喰われ、それを認識した瞬間、飲み込まれた。
「少年!」
そんな叫び声が聞こえた気がした。
『なに…これ…』
掠れた言葉は腹に消える。
お腹に何かがある…これ…なに…
腹部の異物はその謎を理解仕切る前に消えた。
ーーー熱いー
その熱を理解する前に意識は途切れ、その命はこの世を去った。
目が覚めるとーーー
「ぐ、ぁがァあア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
全身が焼けるような痛みに襲われ気を失った。
翌日、見覚えのないベッドで目を覚ました。
「んぁ………がァ!?」
腹に穴が空いている。
「定進くん!?起きたの!?」
「お腹に、何か……ぁ…」
そうしてまた気を失った。
初めてこの体質によるワープを体験した時はほんとに悲惨だったと思う。
あの後も3度起きては幻痛で気絶した。
そう、医師の診断によるとあれは幻痛なのだと。
たとえ幻の痛みだとして、俺からしたら確かな大穴であり、激痛であった。
そしてその後も幾度となくワープをした。
ワープの条件を少しでも理解するのは中学2年の頃になる。
それはとある王国の騎士の話。
その王国には古くから伝わる伝承があった。
《古より霊峰に眠る竜あり》
《天命により創造されし天剣に誓いし契りは》
《霊竜と民の円環を成し》
《共に生きる事を誓った》
《数百年の安寧を過ぎ、神は誓いを試さんとした》
《試練の最中、民は霊竜を裏切り、愚かにも神に訴えた》
《おぉ神よ、かの霊竜は我らとの契りを反故にし、我々の数百年続く恒久の契りを唾棄してしまった》
《神は大いに怒った》
《神は霊竜を許さず、かの霊竜は神からの罰により霊力を散らされてしまった》
《邪神はそこに目を付け力の抜けた竜を利用しようとした》
《惡しき邪神はかの竜を依代とし惡き邪竜へと変えてしまう》
《かの霊竜は惡しき力に苦しみ続ける》
《我々の罪は拭えてはおらぬ》
《いつか必ず、かの霊竜との絆の円環を果たさねばならない》
(だれか……助けて…)
いつからか、頭に響く辛そうな声。
助けたいのに…いつもすぐ途切れてしまう…!
「何処なんだ!助けに行くぞ!必ず!耐えてくれ!」
少年は騎士と成った。
守るために、救うために。
「どこに……」
もしかしたら見つからないのではないのか。
このままどちらかの生が終わってしまうのではないか。
自分は救えないのではないか。
そんな時だった。
「グルルグガアァァアアアアアアア」
頭にガンガン響いてくる鳴き声が轟いた。
初めて聞く咆哮にどこか聞き覚えがあることに疑問を抱く。
そんな時誰かが言った
「霊峰の邪竜がまた吠えてる」
吠えてる?…違う。
……あれはきっと…
「泣いている…」
「ん?あぁ、そうだな。鳴いてるだけならいいんだけどな、今年も霊峰から出てこないことを祈るばかりだな」
泣いている…まるでそれはあの声のようだった。
声も力強さもまるで違う、だがあれは確実に…
邪竜は年の瀬に人前に姿を現した。
邪竜が街に向かい進む姿は人を阿鼻叫喚へと陥れるには十分な脅威であった。
人々は必死に抵抗した。
持てる軍備のすべてを使い、邪竜を霊峰に返すことに成功した。
少年は見た。
邪竜は……泣いていた。
少年は見た。
邪竜は……震えていた。
少年は見た。
邪竜は……確かに、助けを求めていた。
少年は邪竜を前に、必ず山頂へと赴くことを誓い、邪竜を追い返すことに成功した。
人々は彼を称賛した。
英雄と崇めたてた。
祭りを開こうとする民衆を前に少年は言う。
「私は彼との誓いを果たさねばならない」
人々は言う。誓いなど守らなくてもよいではないか…と。
彼は言い放った。民を、王を前に憤然と。
「あなた達には聞こえなかったのか!!かの竜の叫びが」
「あなた達には聞こえなかったのか!!かの竜の悲鳴が」
「あなた達には聞こえなかったのか!!かの竜の泣きじゃくる声が」
「我々はかの竜を陥れたのだ!かの竜は今だ怒ってすらいない!」
「民がかの竜を讃えず、守らず、救わず、のうのうと生きていることへの憤慨は我々が自ずと導くべきものだ!!」
「我々はすでに遅れ切っている」
「かの竜への不義理は、過去の清算はこれからだ」
「これを聞き、なお私を止めるものよ、出てくるがよい」
「私が命を賭してでも説き伏せ、私は竜の元へ向かおうぞ」
彼は国宝を身にまとった。
武器は意地として持たなかった。
彼は一人霊峰へと向かった。
後に彼は、片腕を代償に霊竜を救った大英雄として称えられた。
彼はこう続けた。
「私より5つも小さいであろう少年が、その命をもってかの霊竜を救ったのだ」
「私は亡き彼を称えることでしか彼へ返せるものが見つからない」
曰く、その少年は霊峰の霊力を身に纏う精霊のような存在だった。
………と。
《かの邪竜は》
《かの霊竜は》
《かの気高き竜は》
《今も昔も、いついかなる時でも、民を信じ続けたという》
試験的に2話までだけupしようと思います。
モチベやら私生活やらで更新がいつになるかわかりませんが、感想をくれると大きな力になります。
こっからしばらく書き溜めに入るのでそこんとこよろしくお願いします。
1話ごとの文字数
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