我が名はベリアル!至高の41人が一人!   作:伊勢村誠三

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聖王国編の映画見て思いついたので書きました。


単発番外編
■話 玩具処理


ナザリック地下大墳墓は現在地獄と化していた。

それは比喩抜きの地獄で有り、悪のロールプレイの果ての結果ではない。

いや、ある意味ではそうとも言えるのだが。

 

「どうしてですか?」

 

破壊の限りが尽くされた王座のまでモモンガ、否、アインズ・ウール・ゴウンが悲痛な叫び声をあげる。

その視線の先に居るのは累々と転がる友人たちが手間暇かけて作ったNPCたち。

そして、その友人の一人の筈であった黒い巨人。

彼の手には今しがた首を追って殺したドッペルゲンガーのメイドの死体が握られている。

 

「ベリアルさん!」

 

「……」

 

表情筋の無い顔で数秒だけアインズの顔を見つめていたベリアルはごみでも捨てる様にメイド、ナーベラル・ガンマを放り捨てると

 

「ああ。そう言えば居たな。オーバーロードの知り合いも」

 

 

「……え?」

 

ギルドメンバー全員と等しく大親友だったとはさすがに思っていない。

けど普通に仲の良い友人だったはず。

そう信じていたアインズにとってベリアルの言葉はあまりに淡泊であった。

 

「何を、言ってるんですか?」

 

「今はお前がここを仕切っているのか?

えーっと、トンビ、、ムササビ、、ああ、モモンガだ。

そうだモモンガという名前だ

ついぞリアルネームは最後まで知らなかったが、プレイヤーネームはモモンガだ。

そうだろう?」

 

アインズと会話する気がない態度ももちろん大ショックだが何よりアインズの心を精神抑制が間に合わない程締め付ける事実がある。

 

「まさか、忘れてしまったんですか!?

アインズ・ウール・ゴウンでの、ナザリックでの日々を!」

 

「アインズ……そんな名前だったか?

確かナインズ・オウン・ゴールじゃなかったか?」

 

「それはクランだった時の名前です!」

 

「忘れたよ。

そんな1000年以上前の細かいことなんて」

 

「せ、1000年!?」

 

対数十年前にこの世界にやってきたアインズには想像もできない長い時間だ。

そんな時間をベリアルさんは一人で生きていたのか?

 

「ああ。1000年さ。

どうせ簡単に死なぬ身体だからと好きに生きた」

 

そう言ってベリアルは少し遠い眼をしたように見えた。

 

「人間の振りをして冒険したり、正義感から人間を助けて山賊の慰み者になってみたり、男としても女としても恋や結婚もした」

 

「えぇっ!?」

 

既に使うモノも物理的に喪失してしまっている身だが、まだ人間だった感覚が残っている身としては驚愕しか出来ない。

あのベリアルさんが?こんな古臭い趣味の男に付き合う女なんかアスナさんぐらいですよ!なんて言ってたベリアルさんが童貞も処女も卒業してるだって!?

と、目の前でNPCたちを殺されていなかったら驚嘆していただろう。

 

「貴族のメイドになってやって、そこの坊主の御手付きになったり、最近はダークエルフと結婚して子供をつくったりもしたな。

そしたら見覚えがあるような猫獣人の魔法使いが頭を下げて来たから妻と子供の世話を任せたりもしたな」

 

「キャルが戻ってこなかったのは貴方の側に居たからなんですね……」

 

「ああ。折角失くしたと思ってた友達のくれた玩具が向こうから戻ってきたんだ。

タテミカヅチさんがくれたヤッパを持たせたから今頃お前がダークエルフの郷に差し向けた軍団は戦わずに引き返してるかもな」

 

「……ベリアルさん、流石に聞き間違いですよね?

今、キャルの事、玩具って言いましたか?」

 

「玩具さ。遊びで作って処分し忘れた玩具。

それが勝手に動いて忠誠なんて口にするから驚いたが、娘が気に入ったからおさがりでくれてやった」

 

「本気で言ってるんですか?」

 

「オマエこそ、命令一つで躊躇なく命を殺す何かが物以外のなんだ?」

 

「それでもギルドのみんなが創ったNPCだ!」

 

「そいつらが俺の子供が創った街を滅ぼし!

一度は抱いた女の末裔を根絶やしにし!俺の国を荒らした!」

 

「く、国?」

 

「玩具どもから聞いていないか?

今の俺はかつてアベリオンと呼ばれた土地を統べる者。

ベリアルギンガ帝国初代皇帝!カイザー・ベリアル!

十王を倒し、全ての亜人を支配する者!

我が版図スペシウムに幸福を約束した者だ。

折角聖王女との交渉もそろそろうまくいぅかという時に下らん茶々をいれよって。

お陰で今までの努力が水泡に帰するところだったぞ」

 

「聞いてない。聞いてませんよそんな事!

誰からも聞いてない!

なんで!?どうして!?」

 

アインズは知る由もない。

全てのギルドメンバーを亡き者にしようとするアルベドの采配により自分の耳に最も会いたがっていた一人の存在を知る事が出来なかったなどと。

 

「これは正当なる逆襲だ、死の支配者。

我がベリアルギンガ帝国は友は厚く遇するが、敵には血と剣をもって報いる。

我が国、我が民、我が家族。

全てに手を出したことを後悔すると良い」

 

「それは、こちらの台詞ダァ!

コノ裏切リ者ガァアアアアアアアアアア!」

 

その日、ナザリック地下大墳墓が消えた。

誰が勝者だったかは、我々が知らずともいいことだろう。




ユグドラシル最終日にモモンガさんとベリアルさんしかナザリックを訪れず、NPCを引き連れずに花火を観ることで分岐。
ベリアルさんだけナザリック転移から約1000年前に転移し
・冒険者クライン
・エルフの勇者コッコロ
・貴族の御手付きクリア→貴族の養女(対外的には妾の子)クリア→大貴族のメイド(坊ちゃまの御手付き)クリア
・傭兵リリ→性奴隷リリ→色街の女王リリ
・策謀の悪魔メフィラス
・流浪の剣士ジャグラー→ダークエルフの王配ジャグラー
・アベリオン改めスペシウムの王ギンガ皇帝ベリアル
などなど数々の姿と名前を活かして好き勝手に生きて来たベリアルさん。
自分以外の存在を簡単に騙せる存在とナチュラルに見下しており、世界は余さず自分のおもちゃだと本気で思っている。
ただ血を分けた家族への情は一応あるみたいで別れ際のダークエルフハーフの息子と娘に建御雷さんのお下がりの刀と自分の本名、そして勝手にナザリックを抜けて来たキャルを残している。
王様やってるのはそう言えばなったことなかったなと思い立って十王を蹴散らして国を宣言した。
カルカ様の事は最初は甘い理想主義者程度に思っていたが
「その理想本気で実現できると思ってるのか?」
という問いに
「いいえ。だからこそ実現したいのです」
と返されたのを大いに気に入ったため、勝手に手を出して来て挙句聖棍棒にまでしてくれたヤルダバオト(デミウルゴス)に切れてナザリック殲滅に動いた。
聖王国はレメディオスにあることないこと吹き込んで動かさせた。
一応、カルカ様の蘇生は出来たのでメンタルケアも兼ねてダークエルフの妻に預けている。
もし最後に勝ったのがアインズでもベリアルでもナザリックは総崩れなので、カルカ様のメンタルが持ち直せばキャル筆頭にナザリックを裏切ってベリアルに着いた連中がベリアルの息子を祀り上げてベリアルギンガ帝国を継承させるので聖王国ギンガ帝国の連合でナザリックと対峙することになるので五分の勝負はギリギリできるだろう。
アインズが死んでたら多分勝てる。
ベリアルが死んでたら多分ひどい痛み分け。
両方死んでたら多分泥沼で全滅するまで続く。
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