我が名はベリアル!至高の41人が一人!   作:伊勢村誠三

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皆様お久しぶりです。
師が走ると書いて師走呼びますが、師に限らずだれもが忙しい物ですね。
そんな中でトラブルが重なると大変なのなんの。
皆さま隊長にはくれぐれも気を付けてお過ごしください。


7話 偽名

「幻術と隠密能力に優れた僕、それから完全装備のアルベドとヒヨリを含めた前衛、中衛を務めれる者たちをすぐに送れ!私とベリアルさんは先に行く!」

 

「「はっ!」」

 

「ああ、あとヒヨリ、セバス」

 

「何でございましょう?」

 

「俺たちのリアルでの名前については、誰にも言わないでくれるか?

時が来れば他の者たちにもちゃんと話そう」

 

「かしこまりました!」

 

返事を聞き終えると、闇をくぐって外に出る。

その先には丁度狩る者と狩られる者がそろっていた。

狩る者は騎士が二人。

今も村を襲っているであろう連中と同じ装備をしている。

狩られる者も二人。

なんの防御力もないだろう動きやすさだけの服装。

恐らくは姉妹なのだろう。

茶髪を長く伸ばした方が幼い二つ結びの方を胸元に守る様に抱えており、長い髪の方は背中に切り傷がある。

 

「ひっ!」

 

「な、なんだこいつら!?」

 

怯えるだけの姉妹と違い、曲がりなりにも兵隊だからか、騎士の2人は剣を構える。

 

「なんだ?女子供は追い掛け回せるのに毛色の違う相手は無理か?」

 

モモンガさんが魔王ロールの低い声で問いかける。

騎士共は同時に後ずさった。

 

「まあいい。出会った以上は無理やりでも実験に付き合ってもらう!」

 

そう言ってモモンガさんが虚空に手を伸ばすと、その手のひらにピンク色の丸っこい物が現れる。

 

心臓掌握(グラスプ・ハート)!」

 

ぐしゃり!と、幻の心臓がつぶれ、真っ赤なしぶきが飛び散ると同時に、やや手前側に居た騎士が苦悶の声とともに前のめりに倒れた。

心臓掌握はモモンガさん得意の死霊系魔法、その中でも十段階中九番目の第九位階に属する魔法で、即死に失敗しても相手を朦朧状態というバットステータス付与が出来る魔法だ。

その為最悪倒せずとも撤退の時間を稼げると踏んで使ったんだろうが

 

「……何も感じない」

 

「動揺しないって意味ですか?

それとも抵抗力がなさすぎるって意味ですか?」

 

「両方です」

 

「そうですか。じゃあ俺も……」

 

「ひ、ひぃいいい――っ!」

 

逃げ出した騎士の背中に、両手を十字に組んで向ける。

横にする左手が前、縦にする右手が奥側。

顔と胸のカラータイマーが隠れないようにするのがポイントだ。

 

「スペシウム光線!」

 

ガァ――――!とノイズのような音共に、無数の光の線が発射された。

見事騎士に命中したビームは一瞬で装備も肉体も焼き焦がし、粉々に破壊した。

 

「弱っ!プレイヤー同士だったら牽制にもなるかどうか怪しい第4位階魔法だぞ?」

 

「防御だけ極端に低いと考えるには、あの子たちの傷も大したことないですしね」

 

なんて話していると、開きっぱなしの転移門からアルベド、ヒヨリ、そしてその相棒のヤプール。

そしてアスナとその配下のダークネスヒールズのユウキ。

 

「アスナさん」

 

「セバスからベリアルさんがたっちさんを引き合いに出してモモンガさんを説得したって聞いてますけど?」

 

「何も間違ってません。それより今は……」

 

「この下等生物共の事でしょうか?」

 

そう言って黒ずくめの全身鎧に身を包んだアルベドがハルバードを鳴らす。

ただでさえ青ざめていた姉妹の顔はさらに青ざめる。

にしても人間が下等生物、か。

 

「よせアルベド。そいつらは現段階では貴重な情報源だ」

 

そう言ってモモンガさんは二人に近づく。

姉妹はますます見を寄せ合い震えだす。

 

「おい」

 

「……?」

 

『返事はどうした!?貴様は今この世で最も尊き御方の一人に話しかけられているのだぞ!』

 

「ひぃ!ご、ごめんなさいごめんさい!どうか、どうか妹の命だけは!」

 

「とらないから落ち着け。

……たく。小娘、お前の名前は?」

 

「え、エンリ・エモットと申します……」

 

「我らのような異形を見るのは初めてか?」

 

「は、はい……」

 

「なら早速これ、、いや、こいつの出番か」

 

俺はアイテムボックスから取り出したデータクリスタルを胸のカラータイマーに当てる。

まばゆい光に包まれ、その姿を変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このっ!」

 

鎧に覆われた足でもう既に死に絶えた男の頭を何度も踏みにじる。

この騎士の名前はベリュースという。

性格は一言で言えば下衆。

痛めつけた父親の前で娘を犯すような男の風上にも置けないような奴で、ここカルネ村以外の村々でも滅ぼすついでに自身の欲望を満たしたり、隊長の地位を嵩に部下をこき使ったりするような奴だ。

実際隊長の地位にいるのも指揮能力だけは一人前とかそんな訳ではなく、箔付のため、要は親のコネである。

 

「さてこいつらの娘はまだ捕まらないのか?」

 

と、さっきまで踏みつけていたエモットの娘たちが逃げた森の方を見る。

確か2人程追い掛けて言ったやつがいたはずだが……。

 

「あれは!?」

 

そんな森の方から歩いてくる人影が見える。

数は3人長い金髪を三つ編みにした眼帯の女を先頭に、三人共目の覚めるような美少女だ。

 

「ん?あの紫の奴、エルフか?」

 

隊員の一人がそう言ったのが聞こえ、見ると確かにベリュースから見て一番左の女の耳は尖っている。

それを認識するのと彼の顔に邪悪な笑みが浮かぶのは同時だ。

相手が異形の者、もっと言えば人間でないなら何をしても罪にはならない。

残る二人も人外と仲良しこよししているような連中だ。

同罪にしても問題ないだろう。

 

「お前たち!あのエルフを捕らえよ!

残る二人も邪魔するならば同じく捕らえよ!

顔以外ならどれだけ傷付けても構わん!」

 

その命令でベリュースの真意を理解した部下たちはやれやれとでも言いたげな雰囲気を出しながら戦闘態勢を取る。

 

「へー……なるほど」

 

「あんまり飛ばし過ぎるなよ、アスナ」

 

「分かってますよベリ……んっ!アリスお姉さま」

 

そう言っておどけるとアスナと呼ばれた茶髪の少女はレイピアを抜いて走り出した。

そして一閃。

突き出したレイピアが確かに一番目に出ていた騎士の顔面を捕らえた。

と、思った次の瞬間騎士の顔面を兜ごと消し飛ばした。

 

「流石アスナ様!」

 

「俺、じゃない。私たちも行くぞ!」

 

「はい!」

 

眼帯の女とエルフも同時に走り出した。

2人の武器は両刃の片手剣で、最初のアスナほどのスピードは無かったが、それでもその戦力は圧倒的だ。

鎧や剣ごと人間をバターの様に両断していく。

 

「あ、ああ……」

 

「こんなの勝てる訳ない!」

 

「隊長!このままでは全滅です!」

 

「撤退!撤退を」

 

「させるとでも?」

 

ベリュースの胸に、白銀の刃が生える。

 

「がっ!ごっ……」

 

吐血と共に、凄まじい痛みを感じる。

極力痛みを感じぬように頭だけを動かしてみる。

そこには眼帯の彼女が居た。

 

「あ、あ……」

 

「うちの子に随分下衆な視線を向けてくれたじゃないか」

 

「た、助け、たすけて……」

 

「ダメダメダメ。

お前がこの村の連中にしたことを許しておけるほど俺は優しくない」

 

「お、お金を上げます!の、望む額を!」

 

「要らない!……お前のようなやつには情けも慈悲も、命も要らない!」

 

アリスは男の胸から股にかけて引き下ろした。

 

「あ、ああああ「うるさい」

 

無造作に振り払うように左手でかきはらう。

それだけで人間の脆い体なんぞ粉々になってしまった。

 

「ふん……」

 

「あ、あの……」

 

「ん?」

 

見ると村人の一人、いや、恐らく村長だろう老人が話しかけて来た。

 

「あなた様は、一体……」

 

「私はアリス。世界一の聖騎士の弟子で、今はある魔法詠唱者に雇われている」

 

「ま、魔法詠唱者?」

 

「ああ。あの方だ」

 

そう言って空を指さすと、そこには笑ってるような泣いてるような赤い仮面に真っ黒なローブ、両腕には白銀のガントレットを嵌めた大男が全身鎧の2人と、猫人の少女を伴って降りてくる。

 

「はじめまして。

私はアインズ・ウール・ゴウン。アインズと呼んでいただければ幸いだ」

 




NPC紹介その7
名前 アリス
レベル 64(人間の為なし)
役職 なし
住居 第三階層整合霊廟
属性 中立(カルマ値:-15)
二つ名 なし
創造主 アスナ
備考  ダークネスヒールズになるはずだったNPC。
    没データをベリアルが人間態として活用している。
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