我が名はベリアル!至高の41人が一人!   作:伊勢村誠三

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どうも皆様お久しぶりです。
伊勢村です。
自分以外の家族全員が新型コロナに感染してしまいました。
皆さんも体調にはお気をつけてお過ごしください。
それでは本編です。どうぞ!


8話 王国戦士長

「アリス様ー!村の周囲の探索、終了いたしました」

 

「ごくろうユウキ。村の人々はどうしている?」

 

「死んだ他の村人たちの葬儀だそうです。

アインズ様とアルベド様はそちらの様子を見ているようです」

 

武装集団に襲われていた村……カルネ村にて。

俺ことウルトラマンベリアル、アスナさん、そしてアインズ・ウール・ゴウンを名乗ったモモンガさんとNPCたちは一番最初に助けた姉妹、エンリとネムの口添えもあり、村の人々に受け入れられた。

初手で異形種に対して人間が恐怖を抱いているのは分かったので、モモンガさんはクリスマスなどに一定時間ログインしていると強制的に入手出来てしまう呪いの装飾、通称嫉妬マスクとガントレットとローブで肉体を一切露出させないことで、俺は没にしたNPCデータと融合することで人間に限りない姿を得ている。

モモンガさんの場合は特に戦闘能力的に問題ない(それどころかガントレットのお陰で筋力は若干上昇してさえいる)が、自分の場合、具体的にプレアデスたちと同じぐらいのレベルになってしまうのがネックだ。

しかも『ウルトラマン』の設定に忠実なこの体は光を解放するアイテムが無いと『ベリアル』の姿に戻れないようだ。

 

「ユウキ」

 

「はい!」

 

「お前にも渡しておくか」

 

俺はアイテムボックスから両端に青い宝石、中央にオレンジの宝石のハマった棒状のアイテムを取り出す。

 

「こちらは?」

 

「ダークエボルバ―。

私がアリスからベリアルに戻る為に使えるアイテムの一つだ。

お前に預ける」

 

「な、何をおっしゃいますか!?

下僕にすぎぬボ、、んん!私にこのような貴重な品を!」

 

「(ユグドラシルだと打撃も出来る目くらまし程度の物なんだけど……)いいから受け取れ。そしてもし万が一、私が変身しなきゃいけなくなった時にアイテムボックスを開けない状況でお前が一番近くに居たら俺にこれを渡せ。

他ならぬアスナの娘の一人であるお前を信頼するぞ」

 

「あ、アリス様ぁ……」

 

「泣くな。それと今の俺たちの設定は同じ聖騎士の元で学んだ者同士。

もっと気軽に『アリスさん』とか『アリス姐さん』とか呼んでいいんだぞ?」

 

「そ、そんな不敬はいくら演技でも出来ません!」

 

まあ、この子らの信仰心から何となくわかっていたことだが、どうやらこの子らにデイル限界ラインは姿に合わせて敬称以外の呼び方を変えるぐらいらしい。

 

『ベリアル様、お伝えしなければならない事が』

 

伝言(メッセージ)?ヤプール。何があった?」

 

『先ほどのとは別の騎士の隊が村に接近しています』

 

「装備はどうだ?」

 

『先ほどと同程度には貧弱。ですが外見的特徴は一致しません』

 

「別件か。ヤプール。私とユウキで対応する。

アスナたちには村人の守りを。アインズ様には村長殿を連れてきてもらってくれ」

 

『仰せのままに』

 

「ユウキ、聞いていたな。行くぞ!」

 

「はっ!」

 

途中霊園の方から村人たちと共に戻って来たモモンガさん、アルベド、村長殿と合流し、俺たちは村の中央広場で騎士たちを待ち構えた。

 

(来た。確かにさっきの連中とはデザインが違うし、数も少ない。

追撃部隊と考えるのは不自然だな)

 

先頭を走っていた馬から褐色に黒髪、鎧越しでも相当量のバルクだと分かる男が声をかけた。

 

「私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長、ガゼフ・ストロノーフ。

この近隣を荒らしまわる帝国の騎士を討伐するために、王命を受け、村々を回っている者である」

 

「王国戦士長……」

 

(王国?帝国?この世界も国があるのか……)

 

「あなたが村長か?」

 

「は、はい。私がそうです」

 

「それで、そちらの四人は?村人には見えんが」

 

眼が合ったのでまずはこちらから自己紹介をすることにした。

 

「私はアリス・リデル!こちらはユウキ。

そして全身鎧の彼女がアルベド。

今は我らが師の旧知であるこの魔法詠唱者様に護衛として雇われている」

 

「ふむ。して、あなたは?」

 

「私はアインズ・ウール・ゴウン。

この村が襲われていたので、助けに来た魔法詠唱者です」

 

「この村を救っていただき、感謝の言葉も無い」

 

そう言ってガゼフはモモンガさんに深々と頭を下げた。

同じ騎士でも王国と帝国でこんなに違うモノなのか?

 

「戦士長!」

 

すると、他の戦士たちの中から比較的軽装の者、恐らく伝令役だと思われるものが近付いて来た。

 

「この村を囲むように複数の人影が近付いています!」

 

「何!?」

 

「ヤプール。今私達が対峙している者たち以外で村の周囲に何かいるか?」

 

伝言(メッセージ)でヤプールに連絡すると、すぐさま返事が来た

 

『信仰系魔法詠唱者と思しき集団が迫ってきています。

装備は共通のようで、先ほどの騎士とも今アリス様達が対峙して いる騎士たちとも類似していません』

 

「信仰系魔法詠唱者のみの集団なのか?」

 

『はい。前衛も中衛も見当たりません』

 

「なに?リデル嬢。その伝言の内容は本当か?」

 

ユウキが質問して来たガゼフを睨みつける。

恐らくナザリック基準で不敬と判断したんだろう。

俺はそれを手で制し

 

「ヤプールは場所さえ選べば我らが師とも相性差を無視して戦えるほどの戦士。

間違いないかかと」

 

「その言い方だと、その信仰系魔法詠唱者の集団に心当たりが?」

 

「ええ。村を囲むほどの数を用意できる国は、スレイン法国しかありえない。

恐らくこの村や他の村を襲っていたのも……」

 

「全部帝国のせいにするためって訳か」

 

「恐らく」

 

「村長殿。すぐに戻って村人を一か所に集めてください。

アスナとヤプール、あとヒヨリもあなた方の護衛に付けましょう」

 

「よろしいのですか?」

 

「一度助けたのです。

半端に手を引いてはたっち流の騎士の恥。

この脅威が去るまではお助けいたします」

 

村長は俺の、アリスの手を取って深々と頭を下げた。

何か言いたげのモモンガさんには

 

『貸し一つってことで』

 

と、伝言を送っておく。短いが確かに嫉妬マスクの奥からため息が漏れ聞こえた。

 

「アリス、となるとお前たちはキチンと私を守ってくれるのだろうな?」

 

「勿論です」

 

なんてやり取りを終え、一同は一回村長の家に集まる事となった。

屋根の上に上がったアリスとアスナは望遠鏡で周囲の様子を観察してみた。

等間隔に並んだ魔法詠唱者たちは一人一体天使タイプのモンスターを召喚して待機している。

 

「あれって、炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)?」

 

「ユグドラシルのと同じ姿、性能ならそうなんでしょうね。

ところで、あの王国戦士長って人、大丈夫なんですか?

あのボロ剣、なんの魔化もかかって無いように見えましたけど」

 

天使タイプのモンスターは基本的に純物理タイプと相性が悪い。

いっちゃあ悪いがあの装備で、さっき戦った騎士たちと同程度のレベルと仮定した場合、一方的な勝負になってしまう可能性すらある。

 

「さあ?」

 

「さあって……姉さまさっきの騎士たちを斬ってた時も思いましたけど、なんか淡白すぎませんか?」

 

「……そう言うアスナも。人殺したにしては落ち着いてるな」

 

「実のところ、食べ物床に落としちゃったぐらいの罪悪感しか沸いてないです」

 

「『俺』なんかもっとひどい。

あんな連中、なんで誰もさっさと殺さないんだろう?

って感情しか湧かない」

 

「ドッペルゲンガーでこれなんですから、モモンガさんは、もっとですよね。

それに会話してるかぎり、NPCたちも人の命なんてどうでもよく思ってそうですし」

 

「うん。この一週間で分かったつもりだったけど、ショックって感じ?」

 

「はい」

 

なんて話していると、王国の戦士たちが馬に乗って、戦いに出ていくのが見えた。

 

「……」

 

「いいね。ああいうの」

 

「あの人たち、今からでも助けられないですか?」

 

アスナがそう言ったのと、俺たちの背後にモモンガさんが転移したのは同時だった。

 

「モモンガさん」

 

「モモンガさんには、あのガゼフって人、どう映りました?」

 

「……眩しかったです。

この国を守るのは自分だって言い切った彼が」

 

「それでどうするんです?」

 

「これと同じものを渡しました」

 

そう言ってモモンガさんが見せたのは、ユグドラシルの500円アイテムガチャの外れアイテムの木彫りの人形だった。

たしか、一回だけ、持ち主と元持ち主の位置を入れ替える効果があったはずだ。

 

「ピンチヒッターって訳ですか?」

 

「ええ。俺が……」

 

「後衛だけ行くつもりですか?」

 

そう言って俺は立ち上がり、剣ではなくアイテムボックスからベーターカプセルを取り出す。

 

「俺たちが。の違いでしょ?」

 

そう言ってアスナさんもレイピアを引き抜いた。

 

「ギルド長、アインズ・ウール・ゴウンは多数決による民主主義、でしょう?」

 

「……ええ、そうでしたね!」

 

そう言ってモモンガさんは遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を取り出した。

 

「ガゼフの様子はこれで見れます」

 

そう言うモモンガさんに俺とアスナさんは肩を寄せ合う様によった。

するとモモンガさんはピクリとも動かなくなった。

 

「モモンガさん緊張してるんですか?」

 

アスナがからかうように言うと、モモンガさんの身体が一瞬だけ震えた。

 

「今は美女2人ですからね」

 

「か、からかわないでください!

ほら!アルベドたちにも見てもらうんですから下に戻りますよ!」

 

強引に話を切ってモモンガさんは鏡をしまった。

 

「こういう所は変わりませんね」

 

「ああ」

 

それに安心している自分と、このままでいいのかと思う自分が二人確かにいることに気付くベリアルだった。




NPC紹介その8
名前 ユウキ
レベル 49(種族レベル19+職業レベル30)
役職 第三階層前線部隊ダークネスヒールズ
住居 第三階層駐屯地
属性 悪(カルマ値:-50)
二つ名 聖祈十字
創造主 アスナ
備考  ソードアート・オンラインの同名キャラと同じ姿をしている。
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