イレギュラーと予定通りが交わった酷く落ち着かない日々を過ごしております。
速く生活リズムが一定になってくれればと願う次第です。
それでは、だいぶ遅くなりましたが、2023年2本目です、どうぞ!
PS.冥咲梓様、誤字報告ありがとうございました。
「ば、馬鹿な……
それが、それが魔法一発で……」
そこに居た痕跡すら奇麗に消えた
「アルベド様、こいつらここまで見てもなんで至高の御方々が神をも超越する存在だって理解できてないのかな?」
「人間の矮小な脳みそではそれが限界と言う事ではないのかしら?」
くすくすと全身鎧の兜の中からあざ笑う声がする。
ニグンはもうリアクションする気力さえなかった。
自身も常識も上限と思っていたものも文字通り粉々に撃ち砕かれたからだ。
「おだてても何も出ないぞ。あとアルベド。
別に人間でなくとも理解できない物は理解できないさ」
ゆっくりと地面に降り立ったベリアルはモモンガの横に立つと、アイテムボックスから取り出した真赤なマントを羽織る。
「一体、一体何者なのですか?魔神をも超えるなど……」
「アインズ・ウール・ゴウンだよ。
かつてこの名は知らぬ者はいない程轟いていたのだがな……」
「知られ過ぎてデスシウム光線とか、対策され過ぎてモンスター以外に撃てなかったぐらいだったですもんね」
「ええ。全く。本当に懐かしいです」
なんて異形2人が話し出すと、バキバキとガラスの塊を地面に叩きつけたような音が響いた。
「今のは!?」
「ああ。恐らく誰かが我々を情報系魔法で監視していたんだろうな」
「俺の攻勢防壁が発動したからたいして覗けてはないだろうけどな」
「ま、まさか本国が俺を?」
ニグンの中で常識に続いて忠誠と信仰が砕け散った。
国の至宝の一つを預かり、人類存続のために使命を遂行する。
それが自分だと思っていたニグンだったが、所詮自分は捨て駒だったのか?
と、思えて来てしまう。
「ベリアルさんの攻勢防壁ってなんでしたっけ?」
「
今頃向こうはリムエレキングが
「さて、それじゃあ煩わしい横やりも入ってこなさそうだし……」
「ま、待って!待ってくださいアインズ・ウール・ゴウン様!ベリアル様!
お願いです!私に出来る事なら何でもします!
この命以外のすべてを捧げても構いません!だからお願いです!
どうか、どうか命だけは助けてください!お願いします!」
もうニグンに恥も見分も何もないのだろう。
額に土がつくのも構わず地面額をこすりつける。
「これが前にぺロロンチーノ様が仰ってた『あたまへんににゃる』ってやつですか?」
「あのエロ
まあ、NPCが意志をもって動き出すなんて普通考えないよな。
なんて思いながらもベリアルとモモンガは前にでる。
「随分と虫がいい事を言うんだな」
「え?」
「確かこうだったか?
無駄なあがきをやめて、そこで大人しく横になれ。
せめてもの情けに苦痛なく殺してやる!」
「あ、あ、あああ、あああああああああー---っ!」
フォームも何もない無茶苦茶な走りで逃げ出したニグンの背中にモモンガは手をかざし
「
ばたばたとニグン含めた陽光聖典が倒れ伏す。
「アルベド、メッセージでニューロニストとその配下たちを寄越せ」
「はっ!」
「どうするんですか?」
「折角なので新顔の我々にご教授願いましょう。
この世界の常識とか諸々をね」
***
翌朝、と言っても陽光聖典(と言う名前だと分かった)を残らず拉致ってから数時間も断ってないが、ナザリック地下大墳墓、王座の間にて。
いま動けるギルメンと領域守護者以上の主だった面々が集結している。
相談もせずに出撃を決めたことをやまいこにタップリ怒られたモモンガさんと俺は若干疲れていたが、この子らの前で情けない所は見せられないと気張って真面目な感じを出しておく。
「まずは我々の勝手で動いてしまったことを詫びよう」
「お前たちを束ねる者として聊か軽率な行為だった」
「そんな!至高の御方々が頭を下げるなど!」
俺とモモンガさんが頭を下げると、下の段に居る全員から殆ど悲鳴の悲痛な声が上がった。
しかしやらないと示しはつけれないのですぐに顔をあげ、
「さて、今日集まってもらったのは他でもない。
諸君らに重要な発表があるからである」
一同が息をのむのが分かる。
そして、従者として完璧な聞く姿勢を保ちながら、神託をいまかいまかとまちこがれている。
「私はこの地において、対外的にはアインズ・ウール・ゴウン、アインズと名乗ることにした!
以後、このナザリックの外、そして必要な場面では私をモモンガではなく、アインズと呼ぶように!」
「尊名承りました。至高の存在を束ねし、真に
代表してアルベドが言葉を述べた。
「そしてこの世界において、我らアインズ・ウール・ゴウンに、否、生きとし生ける全ての人間以外に牙をむく者の存在も判明した。
スレイン法国という人間の国だ」
俺が言うと、アスナさんが説明を引き継ぐ。
「アインズ・ウール・ゴウンは何者が何者にも差別されない世を目的として造られたギルド。
ならば放置しておいては、ここに集えぬ者も含めたギルド全員の名折れ。
キリト君、この意味、分かるわね?」
「はっ!輝きの極致たる我が母なる造物主よ。
御方々に与えられたすべてをもってその不届き者ども滅ぼして御覧に入れましょう」
「は、ははは。やり過ぎには注意してくださいね。
それから、そのためにはこのナザリック地下大墳墓を維持しなければなりません。
と、なると金策とこの世界の探求は必須です。
皆さん手を貸してくれますか?」
「勿論デゴザイマス。最モトラエドコロ無キ御方。
我等ノ忠義ハ全テ御方々ノ為ダケニ」
表情筋がない代わりに口から冷気を吐きながら硬質な声でコキュートスが述べる。
「これから私達ギルメン、そして君たちも外に出て行くことになります。
全く未知の世界を見て聞いて触って、学んで行くことでしょう。
それらすべてがあなた達の糧になる事を祈っています」
「もったいないお言葉で。最も慈愛に満ちた御方様」
双子のダークエルフの姉が述べる。
やまいこはその姿に今はまだ目覚めぬ親友の姿を見て不覚にも頬が緩んだ。
「よし!では我らは今後の件に関してより具体的な目標を設定するために会議を行う。
各階層守護者、そしてセバス、キリト、ユースティアナは我らが呼んだら円卓の間に来るように」
では、解散!と、モモンガさんが宣言すると、ギルメンは指輪の力を使って一斉に転移する。
これは俺個人は後でF・Kから聞いたことなんだが
「それでは私たちも…」
「統括、少し良いだろうか?」
「あら、F・K。どうしたの?」
「ユージオとキャルから聞いたのだが、デミウルゴス。
ベリアル様が我ら全員が共有すべき壮大な決定を下したそうなのだ。
ここで説明してもらえるか?」
「ユージオ、それは本当か?」
「本当だよキリト。モモンガ様と僕の肩に手を置きながら間違いなくおっしゃったんだ」
瞬間、ユージオに嫉妬と羨望の視線の数々が殺到するが、それをキャスバルが咳払いで止める。
「それで、三人共、我らが銀河の闇を煮詰めたがごとし御方は何と述べられたのかな?」
F・Kの許可を得て立ち上がったキャルとユージオ、そしてデミウルゴスが前に出る。
「ベリアル様はおっしゃいました。
陸へ、海へ、山へ、そして地上を踏破したら空へ。
それも終わったらどんだけ時間をかけてでも星をよぎってその向こうへ
異形種ゆえに時間は無限にあるし、この力とこの土地で新たに見つける物を組み合わせればまた新しい物を創り出せるかもしれない、と」
「そしてこうもおっしゃられたわ。
この世界に着て、ナザリックの外に出ることが出来るようになった我々も供せよと。
奇麗も汚いも美味いも不味いも、ともに味わい尽くせと!」
「我々も!?」
「ああ、至高の御方は何と慈悲深い!」
「それほどの御慈悲を戴いても我らに返せるものなど……」
「あるじゃあありませんか。
この世界という、御方々の手に渡るべき無限の玩具箱が!」
王座の間がどよめきと高揚に満たされた。
流石は我ら全てを想像し、神をも凌駕する至高の御方々。
世界ひとつさえ、その御手には玩具箱なのだ。
自分たちを楽しませるための物なのだ。
「献上しよう!御方々に美しき玩具箱を!」
喝采と勝鬨が響き渡る。
あの日、遊びで造った超越者たちがこの世界最大の脅威となった瞬間だった。
その場に居合わせなかった俺は、間違いなく不幸だ。
オリジナル要素解説 その3
・
…ベリアルの習得した第七位階魔法の一つ。
ベリアルの持つレイブラッド因子と言う特別な因子を用いて怪獣を召喚、使役する魔法……と、いう設定の『
ベリアルはこれを攻勢防壁に設定しており、発動すると、ベリアルに対して情報系魔法を使おうとした者の場所に怪獣が出現する。
・リムエレキング
ベリアルが外装課金の無駄遣いで放電龍の幼体を改造して作った怪獣。
第7位階までの電系魔法を扱えるレベル70のモンスター。
よく見ると愛嬌のある顔で、ギルメンには好評。シズ・デルタも一匹欲しいと思っている。
多分、原作とは逆にスレイン法国では巫女姫以外が雷撃でこんがり美味しく焼かれている事だろう。