我が名はベリアル!至高の41人が一人!   作:伊勢村誠三

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皆様お久しぶりです。伊勢村です。
神奈川は今春一番が吹いてきております。
これから暖かくなってくれるとありがたいんですけどね。
オバロ世界、もっと言えば転移後の世界の気候ってどんな感じなんでしょうか?
一応本作では四季がある体で書きますが。
今回は前回、というかあんまり書けてない気がしたナザリック地下大墳墓、そのなかでもほぼオリジナルの第三階層について書いていこうと思います。


14話 霊廟

ナザリック地下大墳墓第三階層。

ベリアルたち遺産愛好会とウルベルト派の人々が中心となって改装したこの世界はディストピアの具現にしてアインズ・ウール・ゴウンが目指すべき世界の真反対。

そして露骨な現実(リアル)への皮肉でもあった。

何処に視線をやろうと排ガスか、何か生き物だったかもしれない物か、壊れた機械が必ず目に付くこの階層には、NPCたちの居住スペース以外で、三か所だけ普通の完成の人間の心安らぐ場所がある。

ひとつは遺産愛好会が文字通りの掘り出し物の交換会に使っていたキャバレーを模した一角。

次に生け捕りにした子供を洗脳教育するための場所と言う設定で造った窓の無い託児所のような空間、プレイルーム。

そして最後に最奥、桜花聖域の分社、整合霊廟。

 

「ここもがらんとしちゃったなぁ」

 

かつてランペントライトとギガファイナライザーが飾られていた中央の土台。

そして終ぞ造られなかった13人のNPCたち、整合騎士が安置されていた十字架を見回しながら分社管理人の役割を与えられた巫女、ユイは生み出されなくとも、ようやく至高の御方の役に立っていることに喜びを覚えつつも寂しく思わずにはいられなかった。

この世界に転移する前、ユイの仕事は整合霊廟の管理、13人の整合騎士たちと保管されている武器のデータに不正なアクセスがないかを確認することだけだった。

今でも一応巡回の仕事があると言えば有るが、領域守護者としては間違いなく最弱の治癒魔法特化の信仰系魔法詠唱者の自分に出来ることなどたかが知れている。

 

「もう今日の仕事終わっちゃった……」

 

別に思考の御方々より与えられた仕事に不満はない。

だが、こうもやる事が無いと本当に自分は至高の御方々のお役に立てているのだろうか?と不安になって来る。

 

(もう部屋に戻るぐらいしか……)

 

なんて若干憂鬱を覚えながら部屋に戻ろうとした時だった。

 

「やっほーユイちゃーん!」

 

『邪魔するぞ』

 

「ヒヨリちゃん、ヤプールさん」

 

同じ創造主を持ち、親友でもあるヒヨリと、その相棒であるヤプールがやって来た。

 

「2人ともどうしてここに?」

 

「えへへ。お仕事今日の分は終わったからユイちゃんに会いたくて」

 

「私に?」

 

『御方々がいなくなって以来、人肌が恋しいのは我らも同じだ』

 

「あ……」

 

ユイと違い、ダークネスたちは階層守護者のF・Kを除き、複数人での運用を前提とされたスキル構成をしている。

が、常に一緒と言う訳でもなければ、言葉を交わす事も無い。

近くにいるだけの存在である。

もしかしたら自分よりずっともどかしい思いをしてきたのかもしれない。

 

「そっか。そうですよね」

 

『敬語でなくていい。貴様もまた栄誉あるダークネスの一人として生み出された者。いわば兄妹』

 

「じゃあ、ヤプールさんとは呼ぶけど、話し方はこれで」

 

『では私もユイと呼ばせてもらう』

 

そう言って二人は握手を交わした。

 

「それで、どうして私に会いに来たの?もうここには私しかいないけど」

 

「ユイちゃんが休みの時なにしてるのかなーって」

 

「休み?」

 

『ベリアル様がおっしゃられていたのだ。気を張りすぎてはつぶれる無理に休めとは言わないが、趣味ぐらい持ってみた方がいいと』

 

「趣味かぁ……二人は何かあるの?」

 

『私はやはり音楽だ。ベリアル様より賜ったこのギターや楽器で弾きたいように弾いている』

 

そう言ってヤプールはアイテムストレージからベリアルから渡されたギターを取り出し、即興でワルツを弾いた。

 

「いいですね。なんだか落ち着きます」

 

『F・Kの様に本を書いたりは出来ないが、』

 

 

「あたしはやっぱり体動かす事かな。

最近はベリアル様が整合騎士の身体に慣れるために訓練に付き合ってたりするし。

ヒールズやウォーリアーズ、あとプレイアデスの子たちともよく組み手したりするね」

 

「訓練って、私達ってレベル上がるの?」

 

「それ調べる為にもって面もあるかな。ユウキちゃんなんか必ず武技を覚えるんだ!って言ってすごい頑張るんだ」

 

「ブギって、この世界の前衛スキルだよね。

それって使える人が居ないのに覚えれる物なの?」

 

『現在シャルティア様を中心に、武技の使い手や実験用の人間を確保するための作戦が企画されているとの事だ』

 

「ふーん。前に捕まえて陽光聖典はどうなの?」

 

「なんか質問に来応えると死ぬ呪いだか魔法だかがかかってて難航してるんだって」

 

「ふーん。御方々のお役に立てずに死んじゃうなんてかわいそうだね」

 

「そう言えばユイちゃんって人間に対してどう思ってるの?

エントマちゃんみたいに食べ物としか思ってない子も多いけど……」

 

「別に?極論御方々に不利益や不敬が無ければどうでもいいかな」

 

『人によって違うモノだな』

 

なんてとりとめのない会話で有ったが、久方ぶりの他人との会話に充実感を覚えるユイだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、私に一体何の御用でしょう?第三の階層守護者殿?」

 

ところ変わってナザリック地下大墳墓最深部、宝物殿にて。

黄色いネオナチ式の軍服を身に纏った上位二重の影(ドッペルゲンガー)、パンドラズ・アクターを相手に、黒いレザー姿の偉丈夫、F・Kは最後の一手をうちながら口を開いた。

 

「F・Kでいい。立場上は階層守護者の方が上だが、この領域の守護者として裏から最も力をもつのはアインズ・ウール・ゴウンの盟主であるモモンガ様が唯一創造したお前だけだ」

 

「そうですか。では私の事もぜひ、んんパンドラッ!と、呼んでください。

そう、まるで旧来の友人の様に」

 

「そうしよう。それでパンドラ、ようと言うのはだな」

 

「はい」

 

「なにか御方々は我らに隠し事があると思わないか?」

 

「と、申されますと?」

 

「別にあの腐れペンギンの様に反意がある訳ではない。

が、どうにもベリアル様のお顔を見ていると……」

 

「ちょっと待ってください」

 

「なんだ?」

 

「ウルトラマンの表情って読めるものなんですか?」

 

パンドラがこっちの世界に来る前に最後にベリアルを見たのは、自分の誕生日の時だったと覚えている。

 

『ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデートゥーユー♪

ハッピーバースデーディア、パンドラ~……ハッピーバースデートゥーユー♪

……はぁ、一人でなにやってんだろ』

 

あの日自分の誕生日を祝ってくれた時も、最後に帝国に向かった時のお見送りの時も何か変わったようには見えなかった。少なくともパンドラには。

 

「オーバーロードよりは分かりやすくないか?」

 

「いや、我が創造主を始めとしたオーバーロードは最早表情どころか表情筋ありませんよね」

 

「まあ、そうだな……兎に角、私には時折ベリアル様が、我らや、特にモモンガ様と話しているときになんだか、良くない物を見るかのような目をする時があるように感じるのだ」

 

「ほう……それはあなたに反意があるというより、ベリアル様に反意があるかのような相談ですね」

 

「キャルやユージオ、あとヒヨリにも言うなよ?

あの3人のベリアル様への忠誠は私以上だ」

 

「意外ですね。普通はあなたとヤプール殿だと思いますが」

 

「それは他のダークネスにも言える。

ヒールズならばカルミラとレイ、ウォーリアーズならダーゴン、ヒュドラム、リーファが他の者より強い忠誠心の持ち主だ」

 

「……正に半々なのですね。あなたの中のベリアル様への忠誠と、このナザリックへの忠誠は」

 

「ああ。このゲームの様に引き分け(ステイルメイト)だ」

 

そう言ってF・Kは外出中に付き、ベリアルから預かった指輪を取り出す。

 

「何故この話を私に?」

 

「……もし、ベリアル様が何かをしでかした場合、安らかにトドメをさせるのはお前ぐらいだからだ」

 

「それがあなたの忠義ですか?」

 

「もしこのままアインズ・ウール・ゴウンが方向性を間違えればあり得る」

 

F・Kは指輪を指に通しながら続けた。

 

「例え悪になろうとも、正しいと信じたことを貫く。

誰か困っている人が居たら、助けるのは当たり前。

たっち様とウルベルト様の両方から教えを受けたあの御方なら、そう考えてもおかしくない」

 

そう言って今度こそ彼は宝物殿を後にした。




オリジナル要素解説 その7
・整合霊廟
…あまりにも悪趣味に造り過ぎた第三階層でも長時間滞在いてもストレスにならない場所を作ろうという事で造られた空間。
令和の時代のビル型の納骨塔や葬式場、教会などを参考に造られた。
一階に待合スペースのような集まれる場所とユイの居住スペースが、二階部分に13人の没NPCたちのデータを保管する場所を作った。
十字架に架けられているようになったのは、キャラクターのデータはそのままだと両手を真っ直ぐ伸ばすようなポーズになるので、霊廟なんだし十字架なんてよくない?と、ウルベルト派の誰かが言って、それをアスナが採用したのがきっかけ。
ランペントライトとギガファイナライザーを安置するための土台は、引退前にベリアルが増設したものである。
ちなみに安置されたNPCの内訳は

ベリアル作
・?????・?????@ウルトラマン?
・???????@ウルトラマン????
・?????@??・ウルトラマン

アスナ作
・??@SAO無印
・????@SAO無印
・???@SAO無印
・???@GGO
・アリス・ツーベルク@SAOUW

キャスバルやユイの創造主作
・コッコロ@プリンセスコネクト!Re:DIVE
・????@プリンセスコネクト!Re:DIVE
・???@プリンセスコネクト!Re:DIVE
・??@プリンセスコネクト!Re:DIVE
・????@プリンセスコネクト!Re:DIVE

と、なっている。
現在は全員分のデータをベリアルが所持しており、ベリアルは恐らくウルトラマン二次創作史上最多の13の人間態を所持するウルトラマン、変身後、強化形態やアーリースタイルも含めれば、変身可能な形態は軽く20を超える。
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