最近のニチアサはヤバいですね。
戦隊はモンスターより生々しい怪物が身内にいるし、仮面ライダーは相変わらずデスゲーム物の運営がゴミ過ぎるし。
大人『も』楽しめるのが令和特撮という事でしょうか?
まあ、面白いのなら良いんですが。
「ふぅ……」
どういう訳か大ダメージを負ったギルメンたちの治癒に当たってくれたNPCたちへの口止めを終え、やまいこは自室のソファーに体をうずめた。
あまりの座り心地の良さに、もうこのまま眠ってしまおうかとも思ったのだが、残念ながらモモンガたちへの報告も済ませなきゃなのでそれはもうしばらくお預けだ。
(モモンガさんたちは、指針を決めるとか言ってたし、円卓の間かな?)
『もしもしやまいこさん。ベリアルです』
「!? ベリアルさん?これ、
『ええ。ちょっと話したいことが有るんで、俺の部屋に来てもらえますか?』
「分かった。指輪でそっちのリビングへ転移で良い?」
『ええ。
出来るんだったらお茶でも用意しておきますが』
「あ、じゃあお願いしようかな?」
『分かりました。お待ちしてます』
声が完全に途切れたのを確認し、やまいこは立ち上がると、後ろに控えていたメイドのインクリメントに
「今からベリアルさんの部屋でちょっと打ち合わせがあるから、留守にするね。
もし他のギルメンがこの部屋に来たら、その事を伝えてくれる?」
「畏まりました、やまいこ様!」
返事を聞き終えると、今まで一度も入ったことは無かったベリアルの部屋に指輪で転移する。
やまいこの部屋と構造は変わらず、高級ホテルのスイートルームというコンセプトも同じだが、黒を基調とした部屋だ。
壁には見栄え優先で造っただろう聖遺物級の剣や槍が飾られていて、リビングの真ん中にはベリアルのエンブレムがでかでかと描かれた丸テーブと、それを挟んで向かい合うようにソファーが二つ。その片方にカルマ値が戻ったと同時に姿も元に戻ったのか、黒い姿になったベリアルが座り、その後ろにメイドのフィースが控えている。
「や、やまいこ様!?」
「フィース。これからやまいこさんと打ち合わせをするから飲み物と、なにか摘まめるものを用意してくれ」
「わ、私が至高の御方々に料理を!?」
「あ、ああ。頼むぞ」
「畏まりました!身に余る光栄でございます!」
フィースが綺麗なお辞儀の後にキッチンの方に消えていくと、ベリアルは大きなため息をついた。
「ベリアルさん、なんか疲れてますね」
「……レベル1の一般メイドさえあのレベルの狂信っぷりなんですよ。
それが階層守護者ともなればどうなると思います?」
「会って来たんですか?って、そりゃあそうですよね。
第三階層って、ベリアルさんたちの子たちがメインですもんね」
「それ以外の子たち……ガルガンチュアとヴィクティム以外の全員と会ってきましたよ。あとセバスとカルミラにも」
「どんな感じだったんですか?」
「試しに聞いてみたんですよ。
俺たちギルメンの事をどう思っているか」
~回想~
「キャスバル、お前はたっち・みーさんの事をどう思う?」
「この世の何もかもを何よりも大きく強く引き裂く騎士であらせられます。
心技体全てを兼ね備えたナザリック全ての戦士が手本とすべき素晴らしき御方と思っております」
「じゃ、じゃあ次はシャルティアに聞きます。
シャルティアは……そうですね。ぶくぶく茶釜さんのことをどう思っていますか?」
「この世のどんな宝石よりも美しき輝きを放つ御方でありんす。
いえ、宝石どころか、どんな星々のきらめきも、ぶくぶく茶釜様の輝きには及ばないかと!」
「お、おおう……では、F・K」
「はっ!」
「お前はウルベルト殿についてどう思っている?」
「我が創造主ベリアル様に魔法をお授けになられた偉大なる
「わー……こ、コキュートス」
「ハイ」
「……あなたはやまいこさんについてどう思ってる?」
「理知的ナ御方デス。ソノ一方デ勇猛二シテ、豪胆。
ソシテ御方々ノ中デ最モ慈愛ノ心二満チタ御方デモアラレル。
正ニアインズ・ウール・ゴウン最後ノ砦ヲ務メルに相応シイ方デス」
「……ではアウラ」
「はい!」
「お前はぺロロンチーノさんについてどう思っている?」
「あたしをお造りになったぶくぶく茶釜様の弟君であらせられ、
天空を自由自在に飛び回り、何物をも焼き尽くす凄まじきお方です!」
「では、マーレ君」
「は、はい!」
「あなたはアスナさんについてどう思っていますか?」
「とても速くて、奇麗で、流れ星な方だと思ってます!」
「ちょっとマーレ!それじゃあ消えちゃうじゃん!」
「あ、ああ!そっかぁ…じゃあ、えっと……えーっとぉ……」
「だ、大丈夫よマーレ?あなたの評価は伝わったから。
次は、デミウルゴス」
「はっ!」
「あなたはモモンガさんについてどう思ってる?」
「賢明な判断力と、瞬時に実行される行動力も有された方。まさに端倪すべからざる、という言葉はモモンガ様の事かと。ナザリックの最高支配者に最もふさわしきお方です」
「ではセバス。
お前はヘロヘロさんに付いてどう思う?」
「至高の御方々の中で最も敵の力を削ぐことに優れた御方です。
他の御方々共々、お帰りをお待ちしておりました」
「カルミラ」
「はっ!」
「お前にとってベリアルさんはどんな存在だ?」
「私にアスナ様へよく仕えよという命をもって、忌々しき人間のような姿をしていようと、心身ともに美しき御方が居るという事を教えてくださった慧眼の持ち主。
そしてたっち様や武人建御雷様が如き武術とウルベルト様やモモンガ様が如き魔法を併せ持つ御方です」
「……うん、ありがとう
では、最後になったが、アルベド」
「はい」
「お前にとってタブラさんはどんな存在だ」
「このわたくしに全てを与えてくださった父なる創造主様です。
この毛先から脳髄まで、何もかもを与えていただきました」
~回想終了~
「てな具合で、全員多分俺たちの事を神かなんかだと思ってるみたいなんですよ」
「うわ~。それは、大変だね」
「他人事みたいに言ってますけどやまいこさんもですからね!?」
「うっ!そっかぁ…ユリがボクを神様みたいに崇めるかぁ……」
「まあ、その話はひとまず置いておいて、ナザリックの外の事をお伝えしたくて」
「どうだったの?」
「セバスやカルミラが言うには、草原が広がってたそうです」
「草原?カエルモンスターの住んでる毒沼じゃなくて?」
「ええ。しかもナザリック以外の人工物は確認できず、知的生命体も居なかったそうです」
「……本格的にゲーム関係なさそうだね」
「ええ。因みに今は夜で、空には満点の星空が広がってるそうですよ」
「星空!?」
「ええ。
見に行きませんか?」
「もちろん!でもフィースのお茶を飲んでからにしない?」
「そうですね。誰かにお茶を入れてもらうなんて、いつぶりでしょうか?」
出されたお茶はハーブティーだった。
ギルメンたちの基準からすれば、奇麗すぎる水と、今まで味わった事のないすっきりした味わいが素晴らしく、感涙してしまったのは完全に余談である。
NPC紹介その3
名前 インクリメント
レベル 1(
役職 ナザリック地下大墳墓一般メイド
住居 不明(恐らくは第九階層?)
属性 不明
二つ名 なし
創造主 ヘロヘロ
備考 読書家。あまり群れない