だんだん寒くなると共に、年末の足音が聞こえてくるようになりましたね。
忙しい日々の中で、このつたない二次創作を閲覧してもらえる幸運に感謝です。
それでは、前置きもこれくらいにして、どうぞ!
ナザリック地下大墳墓は、未曽有の異常事態に見舞われている。
我らが造物主たる至高の御方々すら把握しえなかった事態、と言われてしまえばそれまでだが、それでも至高の御方々とその城たるナザリック地下大墳墓を守る使命と、それに見合うだけの力を与えられたはずの守護者たちの胸中は穏やかではなかった。
が、長らくナザリックを離れていた御方々が戻ってきていることもあり、うろたえる様な無様な姿は見せなかった。
故に各階層で異常を感じなかったことも皆、スラスラと述べたし、至高の御方々をどう思っているかという問いについても嘘偽りなく答えた。
「ふ、ふふふ。はははははははは!
素晴らしい!素晴らしいぞ諸君!
諸君らの協力があれば我らの望みは達成されるだろうと強く確信できた!」
「(あーあ。モモンガさん自棄になってるよ)そうだな我らが盟主。これは……想像以上だ」
「ええ。全く頼もしい限りですね」
「そうですね……ええ、もう、本当に」
と、御方々が言っている間に外の捜索に出ていたセバスとカルミラが戻ってきた。
「草原?」
「はい。捜索できた範囲は全て草原が広がっており、ナザリック地下大墳墓以外の人造物、知的生命体の存在は確認できませんでした」
「毒沼も……あと名前忘れちゃったけどカエルモンスターも居なかったのね?」
「はい、アスナ様」
「では空はどうだった?天気や時間は?」
「雲一つない晴れ空で、ここ第六階層と同じ星空が見えておりました」
「ええっ!?」
「ほ、星空ぁ!?今星空と言ったかセバス!?」
「はい、ベリアル様」
「スモッグで覆われていたり、暗くよどんだ色をしていたりしなかったのか?」
「申し訳ありませんモモンガ様。
無知な私ではスモッグなる物が分かりません。
どういった物でございましょうか?」
「とにかく、空を遮るものは何もなかったんですね?」
「はい、ヘロヘロ様」
「……モモンガさん、これ本格的に異次元とか異世界とかにナザリックごと飛ばされてませんか?僕たち」
「ですね。となると早急に防衛体制を整えなくてはなりません」
「ええ。今攻め込まれたらひとたまりもありませんものね。
アスナも良いか?」
「はい、ベリアル兄さま。その間になまった体を慣らさないともいけないですしね」
「よし……デミウルゴス!」
「はっ!」
「確か守護者統括はアルベドだが、防衛責任者はお前だったな?
ナザリック全域の警戒レベルを最大に上げるのだ」
「それは第八階層までという事でしょうか?」
「いや、第九階層までだ。
第八階層はギルメンでも危険な領域。
あそこは封鎖して、第七階層から第九階層まで直通で行けるようにしよう。
どうしても第8層に用がある者はギルメンの誰かの許可を取る様に。いいな?」
一同が一斉に返事をした。
「連絡網などはいかがいたしましょう?」
「お前とアルベドで全て見直し、より効率的な物を造り上げよ。
これから一週間、新たなこの地での最低限の防御力を得るための時間とする。
とりあえずはこんな所か。
皆さん、他に何かありますか?」
「特には無いですね。
それじゃあ俺はやまいこさんにここで決まったことを伝えてきます」
「お願いしますベリアルさん。
俺はその間に第八階層の子たちに話をしてきます。
アスナさんたちも来ますか?」
「んー…それもいいですけど、ちょっと第三階層に行って来ても良いですか?
ダークネスヒールズや他の子たちにも会いたくて」
「あ、それなら私も第九階層にもどってメイドたちに会って来たいですね」
「いいでしょう。では、何かあればまた円卓の間で」
そう言ってまずはモモンガが、次いでヘロヘロとベリアルが至宝、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンで転移する。
「シャルティア、
「ハイでありんす!」
アスナとシャルティアの間に黒紫色の門が現れた。
空間と空間を鍔ぐ魔法である。
「カルミラ、F・K。あなた達も来る?」
「よろしいのですか?
では私は戻らせていただきましょうか。
F・Kあなたは?」
「私はここで少し他の守護者と打ち合わせがありますので、遠慮させていただきます」
「そう。じゃあカルミラ、エスコートをお願い」
「はい!」
アスナとカルミラが転移すると、円形闘技場が一瞬だけ静寂に包まれた。
「今日は実にいい日だな、デミウルゴス。
最期まで残ってくださったモモンガ様のみならず、
至高の御方々が3人もお戻りになられた」
「全くだよキャスバル。
特に創造主に加え、仕えよと定められたアスナ様まで戻られたカルミラなんぞ、あの場で泣き出してしまうんじゃないかと思ったが、耐えてくれたようで何よりだ」
どちらかと言えば待っ正面からの戦いを好むキャスバルと、謀略、奸計を得意とするデミウルゴスだが、二人の仲はまあまあ良い。
創造主同士の仲が良かったからだろうが?
「そうだね~。あたしもあの場にもしぶくぶく茶釜様が居たらそうなってなかった自信ないし」
「ぶくぶく茶釜様と言えば、なんでヘロヘロ様はシャルティアにぶくぶく茶釜様の事を聞いたんだろう?」
エルフの双子たちの言葉に、F・Kが顎に手を当て考えこむ。
「ふむ……確かにベリアル様たちことならばあの場にいたからなのだろうが、ウルベルト様、たっち・みー様に、タブラ様、ぶくぶく茶釜様、ぺロロンチーノ様……一応、この場に集った誰かの創造主ではあるが……」
「モシカシタラ、確信ガ欲シカッタノヤモ知レヌ」
「どういうことでありんすか、コキュートス?」
「此度ノ異常事態ハ、御方々ノ御様子カラ察スル二、至高ノ御方々二トッテモ想定外ノ事。
ナラバ、我ラ下僕ニモ、記憶ノ齟齬等ノ自覚出来ナイ異常ガ起キタ可能性ヲ考慮シタノデハ?」
「ふむ、なるほど。あえて私以外の者たちに自身の創造主ではない御方について述べさせたのも、何か違和感があれば、直接創造された下僕が気付けるから」
「流石は至高の御方々!素晴らしき慧眼をお持ちでありんす!」
「で、でも……それって、僕たちの事を信用してないってことじゃあ……」
「は、はぁ!?マーレあんた何言って……」
「落ち着けアウラ。その言葉も間違ってもない」
「で、でもデミウルゴス!」
「それはこれから我々の働きをもって示せばいい。
ただでさえ非才の身である我らは御方々により与えられた身命を賭して仕える。
何時もと何か違うことが有るかい?」
そう言ってデミウルゴスはネクタイを正して言い切った。
「ならば御方々から賜ったご命令を速やかに実行せねばだな、統括」
「ええ、そうね。全ては至高の御方々のために!」
もし、何か一つでも歯車が掛け違ったら、世界が滅びかねない狂気の信仰が、より確実なものとなった。
その事をギルメンたちまだ知る事が出来なかった。
NPC紹介その4
名前 キャスバル・レム・ダイクン
レベル 37(種族レベル10+職業レベル27)
役職 第一階層守護者
住居 第一階層格納庫
属性 中立(カルマ値:-100)
二つ名 赤い彗星
創造主 遺産愛好会最後の一人
備考 機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルを模した姿をしている。