G1三回、どれだけの負担がかかるか……。
僕はどうでもいいが、ブラックアウトの足がな。
走り切れるならまだいいが、途中でダメになる可能性なんていくらでもある。
昔より調子がいいからと忘れられるものか。
「また悩みごと?まぁブラックアウトなんでしょうけど」
「そんなにわかりやすかったかい?あんまり顔に出してないつもりだったんだけどな」
「態度で丸わかりって感じね……何かあったの?」
「……問題ってわけじゃないんだけど、出走レースだね、ブラックアウトの要望に応えるべきか、否か」
足は完治していない、いわばバクダンを抱えたまま走っているような状態だ。
次に同じようなことが起これば、とはいっていたが、転ばなくても負担がかかればそうなってしまうだろう。
「不可能というわけじゃないけど、足への負荷はしっかり蓄積されそうだからね」
「……マインショックは天皇賞秋にでないみたいね、本人から聞いたわ、ジャパンカップ、有馬記念には出るつもりだって」
「なら天皇賞秋はブラックアウトと君か……」
天皇賞秋と有馬記念にルインローズを出す、ブラックアウトは三つのレース全て……意外だったのはマインショックが天皇賞秋にでなかったことだな。
「そういえばマインショックはなんで天皇賞秋にでないんだ?スタミナや怪我という意味ならあの子の問題にはならさなそうだけど」
「中距離から長距離側に力を入れたいとかそんな感じだと思うわ、2000だと負けなしだもの、少しでも伸びるとまた変わるけどね」
「あぁ、長距離だと逆になるけど中距離ならこっちの方が……確かにそれなら回避をする理由にもなるかもね」
三年が終わればある種のゴールだ、有馬記念に力を入れているとという意味なら納得だろう。
なおさらこのままブラックアウトを走らせていいのだろうか。
「私は関係ないところにいるからあんまりいうべきじゃないと思うけど、好きに走らせた方があいつはポテンシャル発揮できるんじゃない?最近、楽しそうに走ってるのよね」
「……よし、走らせよう、ケアは最大限やるし、怪我がないかは確認する、僕の方でできることを最大限やる、好きなように走らせてやりたいしね」
三年走り切ってやめるというなら、そのために支えるのがトレーナーの役目だから。
……
「本当に天皇賞秋に出なくてもよかったのかい?」
「はい、少し長めの方に力を入れて、最大限に走れる状態で勝負したいんです」
「……わかった、私も協力しよう、これも大分恒例になってきたね」
生徒会長と練習するのも一体何度目だろう?
私を気にかけてくれてるみたいで、相談とかも色々してしまった。
姉がいるならこんな感じなのかな。
「いつも、ありがとうございます」
「気にしなくていい……私は大橋トレーナーに恩を返したいからという理由だからね、感謝されるような立場ではないよ」
「それでも、助けてもらってますから」
「あまりなれないな……さぁ、もう一回行こうか、まだ時間はあるからね」
「はい、お願いします!」