ブラックアウトは怪我をしているからこれからマインショックやルインローズに勝つのは無理。
妥当な記事だな。
「ブラックアウト、トレーニングはじめる……あ」
「気にすんな、いつもの記事だろう?それどころいつもよりマイルドじゃねぇか?」
「ごめん、片づけ忘れてた」
机にほったらかされた新聞、俺には見せるつもりはなかったんだろうが、今までも全部見てきてるからな。
流石に慣れたな、特になんとも思わねぇ。
「いくらなんでも不用心すぎた」
「気にするなって言ってるだろ?俺だって今の今までこういう記事が書かれてるのを知りませんでしたなんてありえないんだからな」
「……ジャパンカップの話をしようか」
「あぁ、そうしてくれ」
ジャパンカップ、ルインローズが走らないから俺とマインショックか……。
「2400で中距離、とはいっても長めではあるからかなりきついレースにはなるだろうね……」
「嘆いてもしかたないんだ、勝つ方法を考えなきゃな」
「どれだけ自由に動けるか、だと思う、もし少しの間ブロックでもされたらマインショックさんに追い抜かれる」
それはそうだ、おそらくマインショックは大外を抜けてくるからブロックをものともしない。
逆にこっちはブロックされたらそれをしっかり越えなければならない。
少しでもリードが長くなければ追いつかれてしまうだろう。
「だがどうするんだ?ブロックされないなら逃げをするという手もあるが、付け焼き刃じゃペース配分を間違えるオチしかみえないぞ」
「付け焼き刃でも武器は武器だからね……とは言ってもいい策とはいえないか」
どうしたものだろうか、今の天皇賞秋に出なかったのが長めの距離に集中するためなら……ジャパンカップで当たるのは仕上がった状態なのは確定だ。
「逃げとも先行ともいえないポジションを探してみようか、今までの走りは捨てずに、前めに走る……付け焼き刃でもこれなら戦える」
「いい策がないからそうするしかないか」
「真っ向勝負するしかないさ、とはいっても小細工をしないわけじゃない……逃げの知識も必要になるだろうけどね」
どうにか手本になるやつがいればいいんだがな……あ。
「いい手本がいたな」
「ルインローズなら逃げが専門だしいい手本になってくれるだろうね」
俺の努力しだいか……努力が足りなかった、なんていうのはできれば避けたいところだが。
……
「ペースが乱れてるわ、一定をキープして」
「意外と……難しいもんだな」
「まだまだね、もう一本いける?それとも終わる?」
「は、まだまだいける」
こうして一緒にトレーニングしてみるとわかる、いくら才能だなんだといってもブラックアウトは努力する側だ。
「とりあえず及第点ね」
「……そいつは嬉しい限りだ、少し休ませてもらうぞ」
「えぇ、わかったわ、まだ終わりじゃないから休憩終わったら教えて、再開するから」
返事の代わりに手を振って座り込んじゃった。
指導とかしたことないし、スパルタになっても仕方ない……よね?
とにかく体がペースを覚えてる間に走ってもらわないとね。
「……よし、やるぞ」
「根を上げなくて感激だわ、じゃあ再開しましょう」