「最近ブラックアウトさんみませんよね、どうしたんでしょうか?」
「トレーナーはもともと有馬記念が終わったら走るのをやめるって言われてたみたいだし、トレセン学園から出てったのかもね」
ここ最近ずっとそうだ。
マインショックは事あるごとにブラックアウトの名前を出す、気になるのはわかるけど言われたら尚更気にしてしまうからやめてほしいんだけどな。
「トレーニングは順調か?」
「はい、大橋トレーナーはどうしてるんでしょうか……」
「先輩か、有馬記念の後地方に帰ったからね、まさか僕にマインショックを任せて隠居するとか言い出すとは思わなかったけど……まぁ地方でまた有力なウマ娘を見つけて中央に返ってくるんじゃないかな?あの人は根っからのトレーナーだしさ」
「……トレーナー、ブラックアウトが何してるかそろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」
「言おうと思ってた、というかそろそろじゃないかな?」
坂の上に見覚えのあるやつがいた。
車椅子に座ったままだったけど。
「久しぶりだな、ちょっと手間取ってよ」
「手間取ったって……あんたそれ」
手元に握っていたのはスタッフ研修生の編入試験の結果が書かれた紙だった。
「俺はまだここにいるつもりだ、もう走れはしないけどな」
「それで今日から僕のサブトレみたいな感じになるってこと」
「よかったです……私ずっとブラックアウトさんがいなくなるかと思ってドキドキしてたんですよ!?」
悪かったって平謝りしては笑ってる。
なんだかこれも懐かしい感じね。
「色々学びながらだけどお前らのことはビシバシやってやるよ、トレーナーにもなるかもな」
「あんたがトレーナーは想像つかないわね……」
「今すげぇ失礼なこと言った自覚あるか?」
それはそれとして……だけど。
「トレーナー、あいつ車椅子のままよね?治るの?」
「治らない、限界だった足にそれ以上の負荷をかけたんだ、形が元のままなだけ奇跡だよ」
そう……なのね。
こういう時負い目にしちゃいけないんだろうけど。
「気にするなってさ」
「え?」
「ここに来る前に言われてるんだ、もし俺の足に対してあいつらがなんか言ってきたら気にするなって言ってくれってよ、俺には絶対言ってこないからお前が答えてくれって……案外見透かされてるもんだな」
「なんだか悔しいわね……」
マインショックもあたしもあいつに負け越したし。
悔しいもんだわ。
どこかでリベンジできるかもね。
「よし、とりあえずひとしきり話もしたみたいだし、トレーニングやろうか」
「了解」
「「よろしくお願いします!」」
ブラックアウト、完結です。
長い間ありがとうございました。
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