「あぁ、そうだ……言っておくがマインショックは中央に行くかわからん、現状は地方に残る予定だ」
「そうなんですか!?」
それだとしたらここにブラックアウトを連れてったのはまずかったかもしれない。
……ブラックアウトは沈黙したままだ。
「当人次第だからな、地方から出るのが怖いってのがメインだろうが」
「ブラックアウトの良きライバルになってくれると思ったんですが」
「そういうのは当人に言ってやってくれ」
扉が開かれて白い髪のウマ娘が入ってくる。
「トレーナー!勝ちましたよ!」
「おう、おめっとさん」
「もうちょっと褒めてくれてもいいじゃないですかー!あれ?この人達は?」
「中央のトレーナーとその担当バだ、俺たちの視察だと」
なんとういか結構陽気?な子なのかな?
「なんだか見たことある気が……ももも、もしかして新聞に載ってたブラックアウトって……」
「俺のことだ」
「わわわ私になんのようですか!?」
「お前、中央に来い」
「はいっ!?」
思わず頭を抱えそうになった。
流石によその事情にずかずか入るのはまずい。
「ブラックアウト、少し待とうか……僕は戸崎、ブラックアウトの担当でね、ここにはさっき説明された通り、視察に来た」
「は、はぁ……なんで私に?」
「君が中央にスカウトされるほどの実力があるからさ」
「でも私中央にいくつもりなくって……」
ふむ……これほどの実力を地方にくすぶらせたくはないんだけども。
「どうしてだい?」
「私なんかが中央に行ってもきっと勝てないじゃないですか……?」
あぁ、こういうタイプか……ブラックアウトは嫌いそうだな。
というかすでにキレかけてないか?
「それは自分のトレーナーに対しての侮辱か?」
「そんなことはないです!大橋トレーナーは私の為に頑張ってくれてます!」
「なら誇ればいいだろ、強者が自己を誇らないのは自己を支えたくれた者への侮辱だ」
押し黙ってしまった……最悪の雰囲気だ。
「ブラックアウト、ステイ」
「俺は犬じゃねぇ」
「やりすぎだ、それは押し付けとなにも変わらない」
そっぽ向いて静かになったな、舌打ちが聞こえたような気がするけど。
「すいません、大橋さん、マインショックさん……」
「俺は別にいいぞ、こいつのこういうところは俺も好きじゃねぇしな」
「えぇ!ひどくないですか!」
「直せっていってるだろ」
とりあえずは大丈夫か?
「本当にすいませんでした、俺たちはこれで失礼します」
「あぁ、次会うことがあればよろしく頼む」
……
「ブラックアウトか……獣みたいなウマ娘だったな」
マインショックは静かにうつむいたままでなにも話そうとしない。
「マインショック、どう思った?」
「はい、なんていうか……怖かったんですけど、レースに対して真面目というか、新聞と直接だとやっぱり違うのかもしれないって思いました」
「……どうする?」
俺が今回の話に乗ったのはマインショックに中央に行ったほしいと思ったからだ、だが俺が決めるんじゃない、マインショックが決めるべきことだ。
「……私、中央に行きます、ブラックアウトさんにけ、喧嘩売られたままなんて嫌です」
「本当にいいんだな?」
「はい、それに私も、戦ってみたいとは思ってましたから……!」
なるほどな。
ブラックアウトとマインショック、全く似てないように見えるが案外通じ合うところはあるのかもな。
「よーし、来月のこの日開けておけよ、俺たちからも吹っ掛けるから」
「はいっ!って、え?」
日本ダービー、やつの実力を直接見せてもらおうじゃないか。
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