マスコミに囲まれてる……中指立ててない?
え?あれ大丈夫なの?
「お疲れ様、どうだった?」
「いつも通り口だけだな、もっと張り合いが欲しいぐらいだ」
「マインショックさんが来るから今後張り合いは大丈夫なんじゃない?」
マスコミのはスルーなんですね。
というかブラックアウトさんと張り合いとかしたくないんですけど……。
「顔にやりあいたくねぇって書いてないかこれ」
「レースはしたいけどこういうのは嫌ってことじゃないかな?」
「あっいえ!あのっ!えっと……」
どどどどうしよう、何言っても逆鱗に触れそうな気がするっ!
「まぁ俺はレースができればいいんだよ、レースで強いやつと競いてぇからヘイトかってるんだ、全然強いやつはでてこねぇし、弱いやつも努力してくれねぇけどな」
「……レース以外にはあんまり興味ないんですね」
「俺にはそれしかねぇからな」
そういえばレースの後っていったらライブあったよね?
準備とかしてないけど大丈夫なのかな……。
「ライブいかないんですか?」
「当然の疑問だと思うけど、ここまでヘイトかってるブラックアウトがいくとどうなると思う?」
「ど、どうなるんですか?」
「ふっかけてなんだけど、わかんないんだよね、レースの実力があるからレースに出られてるけど、品位にかけるっていうのでライブは拒否されてるんだ」
「踊れないとかではないんですね」
「振り付けって意味なら完璧だと思うよ、どの曲も踊れるみたいだし」
ブラックアウトさんって思ったよりも努力家なのかも?
「まぁ……とりあえずこれで二冠だ、三冠目にはもっといい勝負ができるのを期待してるぜ」
「はい!菊花賞、楽しみにしておいてください……!」
……
「流石にそのまま菊花賞ってわけにゃいかねぇだろ、次はどうすんだ?」
「長距離のレース……は難しいから長めの中距離を一度入れようと思う、中距離ばかり走っていたからね、長距離に合わせてペース配分とか考えないと、菊花賞を勝つどころか走り切ることすらままならないかもしれないし」
「了解」
長距離か……。
持久力の課題はなんとかしなくちゃいけないな。
「とりあえず反省会しつつ今後の課題の確認をしていこう、時間はまだあるからね」
録画していたのかビデオをとりだす……ちょっとまてよ?
「なぁトレーナー、そのビデオってマインショックにも行ってたり、しねぇよな」
「よくわかったね、コピーを渡してあるよ」
こいつ……あっけらかんと言いやがった、何考えてやがる!?
「お前、担当に勝ってほしくないのかよ」
「何言ってんの、それとも映像一つ取られただけで臆しちゃった?僕の担当はそれで負けるぐらい弱気だっけ?」
「はっ!そんなわけねぇだろ……乗ってやる、勝つぞ」
「いいね、それでこそブラックアウトだ」
……
さて……。
「ブラックアウト、ビデオ見たわけだけど……一つ言わなきゃいけないことがある」
「なんだよ」
「マインショックさんが見ててテンション上がるのはわかるけど、この走りはいただけないな」
これだけは言っておかないとね。
「君には君の走り方だ、無茶をすれば今後に響く、次はしないこと」
「チッ……わかったよ」
「でも焚きつけるのは成功したかもね……マインショックさん、自覚してない気がするけど待ち切れない感じの顔してたし、挙動不審になる癖はあるけど、中身っていうか根は案外君みたいにレース馬鹿なのかもね」
「俺とあいつがか?」
「態度は真逆だけどね……とにかく、焚きつけたいっていうのはわかるけど自分の走りを重視すること、無茶な走りをすれば今後に響くだけじゃなくて最悪怪我だってありえるんだからね」
不機嫌って顔に書いてあるけど、ここで納得できないと言わないあたりしっかりしてる。
さて……長距離のことを考えなきゃな。
それだけじゃなくて対マインショックのことも考えないといけないのが悩みの種か。
少しブロックについても考えなきゃいけないか?いや……ブラックアウトの走りに合わないだろう、小細工より真剣勝負を好むだろうし。
「よし……長めの中距離から一度しぼるか」