ブラックアウト【完結】   作:一口さん

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思わぬ遭遇

「菊花前に2400がある、それを走ろう」

 

「了解、ならトレーニングはどうすればいい」

 

「前もいった通り、しばらくは持久力がメインだよ、スタミナは今後とも付きまとう課題になると思っていい」

 

 スタミナか……今のままじゃ長距離は厳しいだろうしな。

 

「メニューは渡しておくよ、先に行って始めててくれて構わないけど……柔軟をしっかりやってとにかく怪我に気を付けること、無理そうだったら休んで、その後報告してね」

 

「ああ、わかってる」

 

 マインショック……長距離でどう勝つかだな。

 

 ……

 

 さて、一応レースは選んだけども……。

 場合によっては色々考えなきゃいけないけど。

 ん?あれってマインショックさん?

 

「どうしたの?」

 

「あぁっブラックアウトのトレーナーさん!えっと……迷子になっちゃいまして」

 

「あぁ、まぁ広いからね……案内するよ、どこに行くつもりだったの?」

 

「出走用に手続きがしたくて……このレースなんですけど」

 

 そうか……このレースに出るのか、思いもよらない方向に面白くなってきたかもしれない。

 

「出走登録ならこっちだよ……やっぱりまだトレセン学園には慣れない?」

 

「はい……目新しいものばっかりでちょっと驚くといいますか」

 

「ここは広いからね、慣れてる人でもたまに迷子になるぐらいだよ……それに全くいかない場所もでてくるから、そこの知識はないとかね」

 

 こう会話してみるとやっぱり普通というか気弱って感じがするな。

 レース中とか集中すると何から何まで変わってるような気がするけど

 

「ここだよ、中にいる人に話を聞けばいいから、帰りに迷子にならないようにね」

 

「ありがとうございます!気をつけます!」

 

 ……一応ブラックアウトに聞いた方がいいかもなぁ。

 

 ……

 

「ブラックアウト!少し面白いことになりそうだけどどうする?」

 

「主語をつけろ主語を、何があったんだ?」

 

「君が出ようとしたレースにマインショックが出るみたいなんだけど……どうする?」

 

 はぁ?そんなこと聞くためにわざわざ戻ってきたのかよ。

 

「愚問が過ぎるだろ」

 

「了解、こっちでやっとくね、心構えからやっておきなよ?」

 

「いっとけ、俺は負けねぇよ」

 

 長距離ならまだしもまだ中距離だ。

 もしここで競って勝てるなら希望が出てくる。

 一度でも負ければ動揺は起きるだろうしな。

 

「油断はぜってぇしねぇ……!」

 

 俺の土俵なら勝てるはずだ。

 ここで格付け決めてやる。

 

 ……

 

「はい?私が出るレースとブラックアウトさんの出るレースがかぶった……?」

 

「あぁ、そうだ……見ておくか?あちらさんが3枠、こっちが11枠だ」

 

「外枠……ですか」

 

 内枠にブラックアウトさんがいるなら理想の位置について来そうだなぁ……。

 それに前のレースの時は私への挑発も含めてたみたいだから、理想の走りをしてるわけじゃなさそうだし。

 

「まぁ深く考えるな、お前からしたらさほど変わらん、開幕に勝負しなくていいだけ内枠より楽かもしれんしな」

 

「うぅ……」

 

 菊花賞は負けないって宣戦布告っぽいことしたのに……。

 

「もしかして菊花賞は負けないっていったのに別のところで当たったことを気にしてんのか?深く考えるなって言ってるだろ」

 

「な、なんでわかるんですか!」

 

「顔に出てるからな、出るレースは中距離で俺たちからすれば初の中央だ……リラックスしておけ、あくまで胸を借りるつもりで勝ちに行け」

 

 胸を借りるつもりなのか勝つ気なのかどっちなんでしょう……。

 でもできれば勝ちたいなぁ……。

 

「こっからのトレーニングは速さを求めたトレーニングだ、お前のスタミナは無尽蔵レベルだが、トップスピードに達するまでの加速が並だ、そこをなんとかしないとブラックアウトに逃げ切られるだろうな」

 

「無尽蔵ってわけじゃないと思いますけど……わかりました、頑張ります」

 

「トレーニングしっかりやった後に笑いながら走り回ってるやつのスタミナを無尽蔵って言わなきゃどんなやつに言うんだよ……まぁいい、怪我だけは気をつけてやれよ」

 

 ブラックアウトさんとの初勝負がこんなに早いとは思わなかったなぁ。

 落ち着かなきゃ……多分きっと大丈夫。

 

「まぁ多少距離が変わっても中距離は今のままなら負けると思っていいぞ、加速が間に合わないからな、早めに仕掛けるにしたってお前は包囲やブロックを抜ける手段が大外を走るしかないんだからな」

 

「もう少しでいいのでオブラートに包んでいただけませんか……」

 

「オブラートに包んだらオブラートに包んだままにするだろう?」

 

 ……もうすでに心配になってきました。

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