北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました   作:ひいちゃ

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世界の枠を超え、この世紀末に降り注いだ存在があった!
その名を転生者!

天に連なる七つの星のもと、地に散らばった転生者たちを巡って、悲劇は繰り返される……!


(S・G編)第拾八話『中尉の肉体を撃て! 必殺・三位一体攻撃』

 暗闇の中。そこに一人の軍服姿の男がたたずんでいた。

 その男が敬礼をすると、眼前の空間が揺らめき、そこに同じ軍服を着た男の姿が浮かび上がった。

 

「報告は聞いた、特佐(スペシャル)。我らSin-GOLANに敵対する者が現れたそうだな?」

「はっ! 准尉の部隊が壊滅寸前の被害を受け、准尉も戦死したと。彼の部隊の生き残りからそう報告がありました」

「……」

 

 沈黙を続けたままの男。特佐と呼ばれた男もまた沈黙を保っている。その足元にはその部隊の生き残りの死体があった。

 男がしぐさで先を続けるよう促すと、特佐はそれを受けて報告を再開した。

 

「また、我らの理念に従わぬ街に送った部隊も、街の首脳陣を抹殺したと報告した後、消息を絶ちました。おそらく、それも奴らにやられたものと……」

「そうか。特佐、GOLAN(ゴラン)の末路は知っているな?」

「はっ。我らの理念を解せぬ愚劣な脱落者どもですが、大佐(カーネル)はかなりの力の持ち主だったと聞き及んでいます。ですが彼とその一党も、相手を爆裂させる謎の拳法を使う男に壊滅させられた、と。……まさか、その者たちが?」

「それはまだわからん。だがもしそうだとすれば、我がSin-GOLANの聖なる任務の支障となる可能性が高い。特佐、任務を与える。その准尉の部隊を壊滅させた者たちをせん滅せよ。そのために必要なオプションは全て許可する」

「ははっ、任務、承りました。お任せください、准将(オフィサー)!」

 

 そして准将と呼ばれた男の姿は掻き消え、特佐の姿も闇の中に消えた。

 

* * * * *

 

 某所にあるSin-GOLANの日本における拠点。その通路を、一人の若い男が走っていた。

 警備の目を盗んだり、足音を立てずに走ったりする様子は、彼が未熟ながらも、Sin-GOLANの戦闘術を身に着けていることを表していた。

 

 そんな男はひとりごちる。

 

「俺の腕では無理だが、GOLANを壊滅させたケンシロウとかいう男……あの人の力を借りれば……待っていてくれ、マキ……」

 

 そして一歩を踏み出した時。気が少し緩んでいたのか、高い足音を立ててしまった!

 

「しまった!」

「誰だ、脱走か!」

「ちぃ!」

 

 男は、ナイフを抜き、足音に気が付いた歩哨に飛び掛かった! そして歩哨がボウガンを構える間もなくつかみかかりナイフを振るい、腕の腱を切断して無力化した。

 

「悪く思うな、俺はなんとしても行かなくてはならないんだ」

「ふふふ……生命を奪わなかった、その甘さがお前の命取りよ……!」

 

 そう言うと、歩哨は奥歯を食いしばった。それと同時に、その身体が大きな音を出してはじけ飛ぶ! ボウガンの破片が、男の肩をかすめて浅く切り裂いた!

 

「くっ……!」

 

 しかも、それだけではなかった! 爆発音に気が付いたのか、こっちに向かってくるたくさんの足音が響いてきたのだ。

 

「なんだ!?」

「第九通路からだ!」

「くそ!」

 

 男が走り出すと同時に、歩哨が爆死した曲がり角に、兵士たちがたくさん駆け付けた。当然彼らは、男に気が付く。

 

「脱走兵か!」

「ボウガンを撃て! 逃がすな!」

「必ず殺せ!」

 

 そして男の背後から、ボウガンの雨を降らせる。それを男は稚拙ながらも軽やかな身のこなしでかわしていった。

 かわしていきながら逃げる男。だがもう少しで出口というところで、その前に別の兵士が現れた!

 

「どけ!」

「ぐあっ!」

 

 その兵士をもナイフで太ももの腱を切り裂いて無力化して突破した男。だが、それが彼の命とりだった。

 

「ぐ……!」

 

 彼の背中に一本の矢が突き刺さったのだ。その痛みと出血に耐えながら、男は必死に走る。

 基地の建物を脱出した男は、バイクに飛び乗り、そのまま走り去っていった。

 

 脱走者を出してしまった基地の内部はたちまち色めき立つ。

 

「おのれ、脱走者め!」

「裏切り者を逃がすな!」

「追撃隊を出せ! ジープの用意をしろ!」

 

 だがそれを一喝する声があった。

 

「待ちなさい!」

 

 そこに現れたのは、肥満という言葉では生ぬるいほど肥満した男だった。だがその外見に似合わず、数々の戦場を生き抜いてきたのが、その身からの気配で感じ取れた。

 

中尉(ファースト・ルテナン)! しかし……」

「奴を遠くから追跡するのです。きっと奴は助けを呼びに向かうはず。そうすればもしかしたら、ターゲットと接触するかもしれません。そこを一網打尽にするのですよ」

「な、なるほど……了解しました」

 

 部下の言葉に満足した中尉はぐふふふと笑って言った。

 

「狩りは慎重に行うものなのですよ、慎重に、ね。ぐふふふふ……」

 

* * * * *

 

「多分、こっちの方向であっていると思うんだが……フラニー、どうだ?」

「はい、たぶんあっているはずと思います」

 

 フラニーに確認を取りながら、俺はかろうじて道路が残っている砂漠でバギーを走らせていた。

 何しろ、道路がかろうじて残っている状態で、標識もほとんど倒れている有様なのだ。当然カーナビなんてあるはずもない。ナビゲーションは、地図と方位磁石を頼りにするしかないのだ。

 幸いにも、フラニーのナビゲーションはかなり的確なので、道に迷うことがなく進むことができている。本当にありがたい。カーナビフラニーと呼ぼう。

 

 さて、そんなカーナビフラニーのナビゲーションの元、砂漠をSin-GOLANの拠点に向けて進んでいくオレたちだが、その道中で……。

 

「あれ、ナノル兄ちゃん、前方から何かやってきてない?」

 

 アキの言葉に前方をよく見ると、確かに何かがこっちに接近してくるのが見えた。あれは……バイクか?

 バイクに乗っているのは軍服を着た若い男。肩が小さく切り裂かれ、その背中には矢が深々と突き刺さっている。良く見ると、身体のあちこちにも軽い傷が刻まれていた。

 そんな男は、傷の痛みか出血によるものか、身体がふらふらしている。目もなんか映ろなようだ。そしてとうとうオレたちのジープの前方で転倒してしまった!

 

「うわっと!」

「きゃっ!」

 

 慌ててバギーを急停車させる。隣の座席のココが悲鳴を上げ、後部座席のジャギやアキがのめりこんで顔をぶつけたりしたが、大きなけがなどはないようだ。

 

 バギーはかろうじて、男の眼前で止まった。ひき殺すことにならなくてよかった。バギーがとまると、オレたちはすぐに彼の元に駆け寄る。ココが彼の傍らにひざまづき、彼の様子を見る。

 

「うん、かなり重傷だけど、命に関わるほどじゃないみたい。アキちゃん、応急処置セットを持ってきて」

「う、うん!」

 

 ココに言われたアキが、急いでバギーから応急処置のための道具を持ってくる。それを手に取ると、ココは看護学生だった経験を活かし、男の手当を始めた。

 

* * * * *

 

 そのころ、その様子を遠くから見張る一団があった。その者たちはみな、S・Gと書かれたワッペンのついた軍服をまとっている。その中の一人、双眼鏡で見張っている兵士が、後ろの中尉に報告する。

 

「中尉の目論見通り、ネズミは奴らと接触した模様です」

「よしよし。うまくいって何よりですよ。さぁ、狩りの時間です。戦闘準備をなさい!」

「イエッサー!」

 

* * * * *

 

「うーん、こ、ここは……」

「あ、目を覚ました!」

 

 男が目を覚ましたことを気づき、アキが声をあげる。それを聞き、見張っていたオレも、見張りをカレンに任せて男のもとに駆け寄った。

 

「あんたたちは……俺を助けてくれたのか……」

「うん。傷の手当も済ませたよ。もう大丈夫」

「そうか……」

 

 男はそう言うと、オレのほうを見た。何か、オレを見定めているかのようだ。そして。

 

「うん、あんたなら任せられる。頼む、Sin-GOLANを潰し、俺の妹を助けてくれ!」

「あんたの妹をSin-GOLANから? どういうことだ?」

 

 男の話によると、彼はSin-GOLANの拠点の近くの村から徴兵されたのだが、その時に彼の妹も一緒に連れ去られ、人質も兼ねて、Sin-GOLANのNo.2である特佐の召使いとして、過酷な労働を強いられ、性のはけ口にされてきたという。

 

「それで、彼らを潰すことのできる人たちを探すために脱走を……。ですが、あんな恐ろしい組織から脱走するなんて、怖くはなかったのですか?」

 

 水の入ったコップを手渡しながら聞いてきたフラニーに対し、男は首を振ってこたえた。

 

「怖くないわけはない。Sin-GOLANでは脱走は死だ。だが、俺の命より妹の幸せが大事なんだ。それを考えた時、怖さより妹を助けたい気が勝ったんだ。そのためなら、俺の命なんか惜しくない」

「そうですか……」

 

 男の話を聞き、うなずくフラニー。彼の話はフラニーに感銘を与え、彼女の心に何かを芽生えさせた。

 

(彼は妹さんのために、命を賭ける覚悟をしている……。私は大切なもののためにその覚悟ができるの? 戦う覚悟が……)

 

 と、その時!

 

* * * * *

 

「お嬢さん、危ない!」

「え?」

 

 突然飛び起きた男が、フラニーをかばうように立ちはだかった直後、彼の身体に数本の矢が突き刺さった! 男は血を吐き出しながら倒れこむ。

 

「お、おい! ココ、彼を!」

「う、うん!」

 

 それと同時に向こうのほうから、軍服の男たち……Sin-GOLANの奴らがバイクに乗って襲い掛かってきた!

 

「ちっ、さっそくきやがったか!」

「ナノル、迎え撃つよ!」

「あぁ! ココ、フラニーとアキ、そして彼を頼む!」

「わ、わかった!」

 

 そしてあいさつ代わりとばかりに、先頭のバイク集団からボウガンが放たれた! それに向かってカレンが突撃する!

 

「そんなもので、私は殺せないよ!」

 

 そして手刀で矢を叩き落す。そして跳躍し、バイク集団と交錯!

 

「がわばっ!!」

「ごるがっ!!」

 

 二人のバイクに乗っていた兵士が、バイクごと細切れにされた!

 

 その哀れな兵士たちを後目に、三台のバイクが突っ込んできた。オレもカレンと同じようにバイクに突っ込み……。

 

「そりゃっ!」

 

 ジャンプと同時にダガーを振るい、兵士たちを切り裂く!

 そして着地と同時に……。

 

 ドゴオォォォ!!

 

 そのバイクに乗った兵士たちは転倒し、そしてバイクの爆発に巻き込まれた。

 

* * * * *

 

 フラニーは立ちすくんでいた。

 

 既に周囲は乱戦状態となり、ココも男性に治療を行いながら、ダーツで応戦している。

 その戦いの有様が、フラニーに何かを呼び起こされる。

 

 その時!

 

「は、放せー!」

 

 アキの悲鳴。そのほうを向くと、Sin-GOLAN兵の一人が、アキを捕まえていた。

 

「ぐへへ……これはいい手柄になるぜ」

「は、放せよ、このやろー!」

 

 アキは振りほどこうとしているが、さすがに大人と子供。いくらあがいても振りほどこうとしない。そして兵士の目に殺意が走る。

 

 いけない! このままでアキさんが殺される!

 

 そう思ったフラニーが足元に目を降ろすと、そこには倒された兵士が落としたボウガンがあった。

 

 戦うことに対する恐怖はまだ強い。だが、あの男性の話、そしてアキという大切な仲間の危機がフラニーの背中を押した。

 そして兵士がナイフを抜き、振り下ろそうとした直後!

 

「ぐあっ!」

「え……?」

 

 アキが頭上を見ると、彼を捕まえていた兵士の額に矢が突き刺さっていた。そして前方にはいまだ恐怖におびえた顔をしていながらも、ボウガンを毅然と構えたフラニーの姿が。 

 

 アキを捕まえていた兵士は、彼女から手を放し、あおむけに倒れこんだ。それと同時に、フラニーもボウガンを落として座り込み、身体を抱きしめてがくがくと震えだした。

 

「ありがとう、フラニー姉ちゃん。大丈夫?」

「わ、私、アキさんが殺されると思って必死で……でも……」

 

 そのフラニーの様子から、彼女がかなり無理をして、でも勇気を出して彼女を救ってくれたことがアキにもわかった。だからアキは、彼女の手を握って微笑んで言った。

 

「本当にありがとう、フラニー姉ちゃん。姉ちゃんの勇気のおかげで、ボクは助かったよ。本当にありがとう」

 

* * * * *

 

「えーい、見ていられないですねぇ。私に任せなさい!」

「中尉!」

 

 声がすると、中尉と呼ばれた、かなりの肥満体の男が、兵士たちを押しのけて進み出てきた。こいつがこの部隊の隊長みたいだな。

 それにしてもこいつぁ……。

 

「シンの部下にハートという、こんな肥満体の男がいると聞いたが、それ以上かもしれねぇな……」

 

 そうジャギが言う。オレもそれは思った。ということは……。

 

「ということは、突き系の攻撃は効かないと思ったほうがいいかもな」

「あぁ。多分、突きや打撃は、その脂肪の前に飲み込まれて防がれるだろうぜ」

 

 とすると残るは……。そこでカレンが一歩進み出た。

 

「なぁに、ならば斬ればいいだけさ。はぁっ!」

 

 そして高く跳躍して、舞い降り、蹴りを食らわせる。だが!

 

 ガキンッ!!

 

「何っ!?」

 

 その彼女の必殺の蹴りは、その肉体の前に防がれてしまったのだ!

 

「ぐへへ、私の肉は特別でしてねぇ。突きや打撃を包み込み、飲み込むのはもちろん、斬撃に対しては鋼のように硬くなって、はじき返すこともできのですよ」

 

 なんてこった。それは……。

 

「ハートに加えて、牙大王の特性持ちかよ。ちょっときついな……」

「あぁ。大胸筋を突ければいいんだが、北斗神拳は封印してるしな……」

「ぐへへ、しゃべっているならこちらから行きますよ!」

 

 そう吼え、中尉がこっちに突進してきた! 拳法家の鋭く速い踏み込みには遠いが、それでもその勢いは当たればただではすまないと思うには十分だった。

 

 とっさに左右に分かれて回避! 回避しざまにダガーナイフを投げつけるが、それは無情にも鋼の脂肪に跳ね返された。

 

「ぐふふふ、そんな攻撃は無駄ですよ」

「なんて奴だ……とんでもねぇな……」

「まったくだな。なんでこんな強い奴が、Sin-GOLANの手下になってるのかわからないぜ」

 

 これぐらいの力があれば下克上ぐらいできるだろうに。ということは、Sin-GOLANのボスはさらに強いということか。

 それは逆に言うと、こいつを倒せなければ、Sin-GOLANを潰すのは夢のまた夢ということだ!

 

「考え事してる場合ではありませんよ!」

「うぐっ!」

 

 そう考えているところに、中尉の張り手を喰らって吹き飛ばされる。とっさに自分からも飛んだからダメージは最低限で済んだが……。

 

 しかし、こいつを倒すには、この鋼の脂肪をどうにかしないと……。待てよ、鋼の身体といえば……。

 

「そうだ、一つ思いついた手がある。二人とも手伝ってくれるか?」

「なんだ?」

「こいつを倒せるなら、どんなことだってするよ!」

 

 そこでオレはある作戦を二人に伝えた。そしてそれを理解した二人とともに、オレたちは奴に襲い掛かった!

 

* * * * *

 

「それ!」

 

 ガキン! オレのダガーナイフが中尉の鋼の腹に炸裂した! ……が効果なし。

 

「ぐふふ、無駄だと教えたはずですよ!」

「ほざきやがれ!」

 

 ジャギもガンブレードを振るうが、やはり弾かれてしまう。

 

 それからも、オレたちは必死に奴に攻撃を与え続けた。だが、そのいずれも、奴に致命傷どころか、傷一つ与えることはできていない。

 その様子を見て、中尉は余裕の様子。だが奴は気づいていない。オレたちが奴の腹の一点に集中攻撃を加えていることに。

 

 そして、オレのダガーの一点が炸裂し、オレに今までとは違った手ごたえをもたらした! そしてかすかに見えた傷。

 

「こざかしいですねぇ!!」

「うぐ!」

 

 しかしそこで、またも中尉の張り手が炸裂した! 今回は飛ぶのが遅れてしまい、かなりのダメージを受けてしまう! だが布石は打った!

 オレは吹き飛ばされながら、カレンに言う。

 

「カレン、今だ!」

「OK!」

 

 そしてカレンは中尉に突進! そして奴に蹴りや手刀を次々と食らわせる。

 

「無駄ですよ、そんなものでは……なにぃ!?」

 

 うまくいったようだ。中尉の鋼鉄の腹にひびが入っていく。

 

「私たちの攻撃を、ただの水滴に過ぎないと甘くみていたねぇ。でもさ、そんな水滴でも、一点に落ち続ければ、どんな岩でも砕けるんだよ。とどめだぁ!!」

 

 最後に回し蹴りをひびの中心点にぶち当てる! そしてそれによって……。

 

「あ……あ……あわらばぁ~!!」

 

 奴の腹に無数のひびがまるで蜘蛛の巣のように入り、そしてついには粉々に砕け散ったのだ! 肉片と血が当たりに飛び散る!

 

「ジャギ!」

「おうよ!」

 

 そしてオレとジャギは中尉に突進!

 

「これで!」

「終わりだぁ!!」

 

 そして奴の横に通り過ぎざまに斬撃一閃!

 

「そ、そんな馬鹿なあぁぁぁぁ!?」

 

 中尉は身体をX字に切り裂かれて果てたのだった。それを見た兵士たちは、恐慌に襲われて逃げ去っていく。

 

* * * * *

 

 戦いを制したオレたちは、ココと兵士の元に駆け寄った。兵士はかなりの苦しみでうなされているようだ。

 

「ココ、彼は?」

 

 オレの質問に、ココは先ほどよりも表情を暗くして答えた。

 

「うん。一応手当は施したけど、助かるかどうかはわからない……。少なくとも、もう動くことはできないと思う……」

「そうか……まぁ、生命があっただけでもよしとしなきゃな」

 

 そう軽く言うジャギの言葉にも苦渋がにじみでていた。そこで男が目を覚ましたようだ。

 

「頼む……妹を……奴らを……」

「あぁ、わかってる。だから、もう何も話さない方がいい」

「奴らの拠点は……原発の……近く……」

 

 そこまで言って、兵士は再び気を失った。オレがココに目を向けると、彼女はこくんとうなずく。どうやら、意識を失っただけらしい。

 

「原発の近くってことは……かつての敦賀市ってことか?」

「間違いないだろうね。福井県で原発があったところって、そこぐらいしか思い浮かばないよ」

「へへ、奴らのアジトがわかって助かったじゃねぇか。シキニキ、フユ、あのガキ、そしてこの兵士の借りを一気に返しにいこうや」

「そうだね」

 

 オレたちはうなずき、男が教えてくれた奴らの拠点……かつての敦賀市の方向を向き、決意を固めるのだった。

 

 




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* 次回予告 *<テレッテー!!

牙をむいて襲い掛かる、Sin-GOLANの幹部・特佐の直属部隊!
奴らの拠点を目指して進むナノルたちに、凶悪な砲門が狙いを定める!

次回、『北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました』

第拾九話『不幸な時代だ! 良い奴ほど塵になる!!』

※次の更新は、2/16 13:00の予定です。お楽しみに!

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