北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました   作:ひいちゃ

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運命を切り開く者がいる! 天の道を外れ、欲望に生きる外道がいる!
それは、現れてから今まで続く、転生者の宿命!

見よ! 今、その長き転生者伝説に終止符が打たれる!!

* * * * *

旅を続けるナノルたち。彼らの前に現れたのは、南斗最後の将の使いを名乗る、ヒューイなる男であった!
果たして、彼はナノルたちに何を語るのか、そして何を望むのか!?


(南斗最後の将編)第参拾九話『眠れ、もう一つの監獄城塞へ!!』

「ナノルだな? 我が主、南斗慈母星の将の命により、あなたを迎えにきた」

 

 名もなき町を治めていた拳王の手下を倒したその男……風のヒューイは、オレたちに向かってそう言ってきた。

 というか、どうして南斗最後の将、つまりユリアがオレのようなただの転生者のことを知っているのか、まったく謎なんだが。もしかして、オレがラオウやサウザーと戦って生き残ってきたのが噂とかになってるのか?

 

 ……とりあえず聞いてみるか。

 

「あ、あぁ。確かにオレがナノルだが、なんでオレのことを……?」

 

 そう聞くと、ヒューイは不明を恥じるように苦笑を浮かべてうなずき、説明してくれた。

 

「我が主は、かなり前から転生者の存在を重要視しておられてな。彼らのネットワークを駆使して情報などを収集していたのだ。その中であなたの存在が脚光を浴びてきた。なぜかは言わずともわかるだろう」

 

 それを受け、オレは目を閉じ、久しぶりに転生者掲示板にアクセスした。

 そこには、かなりオレのことを評価するレスがずらずらと。

 

 ……うん。

 

「あぁ、よくわかった」

「我が主は、世に平安をもたらすため、多くの転生者の力を必要としておられる。無理強いはしないが、できれば私と同行して主のもとに参集し、力を貸してもらいたい」

 

 そう言って、ヒューイは深々と頭を下げた。

 うーん、こんなことをされたら引き受けないわけにはいかないよな。

 

「わかったよ。ある程度自由にさせてもらうかもしれないけど、それでもよければいくらでも力を貸すぜ。……っと」

 

 そうだ、彼のことを忘れてた。

 

「ジュウザ、お前はどうする?」

「行くのは構わんが、誰かのために働くなんて御免だぜ。俺は自由が好きなんだよ」

 

 ……聞くまでもなかったが。だけど、動かなければ彼は絶対に後悔すると思うんだけどな。

 とはいえ、同行するのを拒否しないあたり、彼もオレとの付き合いで丸くなってきたということだろうか。

 

 それを聞き、真顔になったヒューイが言う。

 

「まだ無頼を続けているのか。お前も五車星の一人なら主のために働く気になったらどうだ」

「うるせぇ。俺はもう縛られるのは嫌になったんだよ」

「そうは見えんがな。お前はやはりあのお方のことを……」

 

 あああああ! そんな地雷を踏みぬくようなことをーーーーーー!!

 案の定、ヒューイのその言葉を聞いたジュウザの表情が険しく変わる。

 

「なんだと……?」

「お前がいかに無頼を装っていても、我らにはわかる。その無頼は、あのお方とのことを忘れるための哀しい行動だとな」

「黙りやがれよ……!」

 

 そう言い捨てると、ジュウザは戦闘態勢をとった。おいおい、ヒューイとやりあう気かよ?

 さすがにそんなことをさせるわけにはいかない。オレは背後からジュウザの肩をがしっとつかんだ。

 

「なぜ止める? なんならお前もぶちのめすぞ」

「やめときな。今動かないとお前は一生後悔することになるぜ」

「なんだと……?」

「なんたって、南斗慈母星の将は、生きていたユリアなんだからな」

「なっ……!」

 

 それを聞いて、ジュウザの表情が、それまでの険しい表情から、戸惑いのそれに変わった。そして、ヒューイのほうに顔を向ける。

 

「おい、本当なのかそれは!?」

「うむ、その通りだ。あの時、我らはあのお方を間一髪助け出したのだ。そしてあのお方は宿命に従って、南斗慈母星の将となられた」

「……」

 

 戸惑い、揺れているジュウザに向かって、オレは言ってやった。

 

「どうする? 愛する女が力を貸してほしいと言ってるんだ。なら、それにのってやるのが男じゃないのか? それに、ここで動かず、ユリアがラオウにやられることになったら、お前はあの時と……ユリアを失ったときと同じ思いをすることになる。それでもいいのか?」

「……」

 

 黙ったままのジュウザを、ヒューイとともに黙って見守る。やがて、そのジュウザの身体から激しい闘気が吹きあがった。

 そう、それは原作でユリアと再会した時と同じように……。

 

「いいだろう。この俺の命、その将のためにぞんぶんに使わせてやるぜ!!」

 

 ついに、雲が蘇った―――!!

 

* * * * *

 

 かくしてオレたちはヒューイとともに、南斗慈母星の将が治める、かつての茨木県茨木市にあるという南斗の都に向かうことになった。

 

 なお、ラオウの手下に、慈母星の将の正体がユリアであると聞かれやしなかったかと思ったが、それは杞憂だった。ヒューイはここに来る前、部下とともに町にいる拳王軍の手下をせん滅してから来たそうだ。彼の話では、少なくともあの場には拳王軍の奴らはいない、とのこと。一安心だな。

 

 さて、でも問題はそこからだった。

 将の正体がユリアだと知り、魂が蘇ったのはいいのだが、ジュウザは今度は「将のためにラオウを倒す! 早くラオウのところへ行こう!」と勇みだしたのだ。

 だがさすがに、何の策もなしにラオウのところに行ったってただやられるだけだ。原作でも、ヒューイはワンパンだったし、ジュウザも健闘したが、結局は大ダメージを与えはしたものの、倒せはしなかったのだから。

 

 そんなわけで、オレたちはジュウザをなんとかなだめながら都への道を進んでいった。そこに。

 

 オレたちが乗るバギーに、一羽の伝書鳩がやってきた。それはふわりとヒューイの腕に止まった。リハクあたりからの伝令だろうか?

 ヒューイはその足にくくりつけられた小さな伝書筒を外し、その手紙を読む。 そして口を開いた。

 

「ナノル、すまないが、ちょっと寄り道してくれないか?」

「あぁ、構わないがどうしたんだ?」

「海からの指令でな。近くにいる拳王軍の施設を襲撃し、中の囚人たちを助け、戦力に加えてほしい、とのことだ」

「そんなところがあるのか。収容所のようなものか?」

「そうだ。そこは、拳王に捕まった拳法家たちが囚われている場所。人々には『第二のカサンドラ』と呼ばれている」

 

 それを聞いたジュウザがにやりと笑い、その身体から闘気があふれ出る。

 相変わらずぐで~っとしているが、実はやる気満々なようだ。

 

「第二のカサンドラか……面白そうじゃねぇか」

「決まりだな」

「あぁ。第二のカサンドラの近くには、既に海からの命を受けた風の旅団が待機しているという。彼らと合流してから襲うとしよう」

 

 そしてオレは、その『第二のカサンドラ』とやらに向けて、アクセルを踏み込んだ。

 

* * * * *

 

 そしてオレは、第二のカサンドラの近くにある丘にやってきたのだが……。

 なんということだろう!

 

「また会いましたね。あの時はありがとうございました」

 

 ヒューイに代わって風の旅団を指揮しているという彼の弟シオンとは、聖帝軍に襲われていた輸送部隊を救出した時、その隊を率いていた青年だった!

 ということは、シュウのレジスタンスに支援をしていたのは、南斗慈母星の将だったのだろう。

 

「あ、あぁ。こちらこそ、あの時は世話になったな」

「それでシオン、状況のほうはどうだ?」

 

 兄に問われて、シオンは建物のほうを向いて言った。

 

「ごらんのとおり、第二のカサンドラはかなり厳重に警備されているようです。力押しで挑めば、制圧することは可能でしょうが……」

「その間に、拳王に報告される時間を稼がれてしまう、か。それは、まだ存在を知られずに動きたい我らにとってはよろしくないな」

「はい。それに、拳王軍のほうでも、現在の状況に疑念を抱いているようで……はっ!」

 

 シオンがシュッ!と投げナイフを放った。それは見事に、物陰に隠れていた拳王軍の兵士の額に突き刺さった。そこにヒューイが襲い掛かり、風まとう手刀で一刀両断した。

 

「このように、物見を出しているようです。むろん、発見しだい始末していますが……」

「そうか……我らの存在は?」

「我らが南斗慈母星の将の軍であることは知られないようにしてきましたが、もしかしたら何かの武装軍団が拳王軍を襲撃している、ぐらいの情報はつかまれているかもしれません」

 

 そのシオンの報告に、ヒューイはうなずいた。

 

「そうか……。だが、それぐらいであれば、海がなんとかしてくれるだろう。あのお方もいることだしな」

「あのお方?」

 

 オレがそう聞くと、ヒューイはうなずいて答えてくれた。

 

「海の補佐をしてくれている者だ。都にたどり着けば、彼とも顔を合わすことがあるだろう。さて、それより問題はどうやってあの監獄を解放するかだが……」

「できれば、あまりこの軍のことを知られたくはないんだったか? そうなると……」

 

 そこで、今まで昼寝していたジュウザが起き上がり、にやりと笑って口を開いた。

 寝ているとばかり思っていたが、しっかりと聞いていたらしい。

 

「なぁに、心配はいらねぇよ。要は、軍を動かさなければいいんだからな」

 

* * * * *

 

「ん? なんだこの音は?」

 

 その時、第二のカサンドラの門の前にいる衛兵は、何かの物音。そう、大きなものが転がってくる音に気が付いた。そして目の前を見ると……。

 

「な、なんだあれは!?」

「お、大きな岩だ!!」

「逃げろ!!」

 

 慌ててその場から逃げる兵士たち。門に向けて転がった岩はそのまま門にぶつかり、門の扉を破壊した。

 

「だ、誰がこんなものを……」

「あそこだ!」

 

 兵士が指さした先。そこには、ヒューイとジュウザ、そしてナノルの姿があった!

 

「お前たちか! この岩を転がしてきたのは!」

「ここを拳王軍の監獄と知ってのことか!」

 

 そう警告を発する兵士たちに対して、ジュウザがきざったらしく、髪を手ですき、そして。

 

「あぁ、もちろんさ。下らん施設だってな……っと」

 

 そしてどこかから汚水を入れたタライを取り出すと、挑発するように前方に水をぶちまけた。

 

「ふざけやがって……やっちまえ!」

「増援だ! 増援を呼べ!!」

 

 襲い掛かる兵士たち。

 

「それでは行くとするか。ジュウザ、逸ってぬかるなよ」

「わかってるって。こんな奴ら、逸るまでもねぇ」

「お前が言うと説得力があるな。……シオンさん、ココとフラニーのこと、頼んだぜ」

「はい、わかりました」

 

 そして三人はカサンドラの兵士たちに襲い掛かっていった。

 

* * * * *

 

 そして、決着はあっさりと着いた。いくら第二のカサンドラを守る強者ばかりとはいえ、ヒューイとジュウザ、ナノルの敵ではなかったのである。

 彼らはみな、切断され、へし曲げられ、そして切り裂かれて倒れた。

 

 しかし、さすがに第二のカサンドラというだけあり、奥からさらに兵士がやってくる。

 

「第二陣が来たな。結構な数が詰めていると見える。これはちと骨が折れるな」

「なぁに、所詮はザコさ。てこずりはするだろうが、どうってことはねぇよ。ナノル、ここは任せな。お前は一足先に潜入して、囚人たちを助け出してこいよ」

「わかった、任せるぜ!」

 

 そして乱戦が始まる。ナノルは、その乱戦に乗じて、第二のカサンドラ内部に潜入していった。

 

* * * * *

 

 そしてオレは、なんとか乱闘に紛れて、第二のカサンドラに潜入した。

 さすがにほとんどの兵士たちがおびき出されたらしく、邪魔が入ることもなく探索することができている。

 

 そして監獄の中をうろうろしながら探索して、数十分……。

 

「さて、監獄への階段はどこかな……と」

「階段がどうした、と? ぐふふふ」

「へ?」

 

 その声と同時に、背後から迫りくる巨大な気配。それは跳躍し、頭上から襲い掛かった!

 オレはとっさにその場から離れ、それと同時に『それ』……いや、そいつがオレのいたところに落下してきた! 衝撃で吹き飛ばされるが、なんとか受け身をとり、体勢を立て直す。

 

 そこにいたのは……。

 

「あ、あんたは……ウイグル! あんたは死んだはずじゃ……!?」

 

 そう、既にカサンドラでケンに敗れて敗死したはずの、カサンドラ(いうなれば第一カサンドラか)の獄長、ウイグルだった! だがよく見ると、髪の色が少し違う。

 

「ぐふふ、我の弟のことを知っているのか。そうか、お前、拳王軍で話題になっているというテンセイシャだな。歓迎するぞ、我が死の監獄に」

「歓迎、ありがとうよ。あまりうれしくないがな」

「だが、お前はここで倒れることになる。このウイグルの兄、ソグドゥ様になぁ!!」

 

 そしてソグドゥと名乗るウイグルの兄は、大男ほどの大きさのある大金槌を取り出し、二刀流で構えた!

 

「食らうがいい! この華山奥義の一つ、華山双烈槌!!」

 

 そして振るわれる二本の大金槌。その勢いはすさまじく、その大きさや質量も加われば、当たればたたでは済まないと思わせるほどだ。しかも、その攻撃も全く隙がなく、オレはその攻撃をかわすしかできることがなかった。

 

 だが、かわす中で足を取られ転んでしまう。しまった!

 

「ぐふふ、あっけない。これで終わりだっ!!」

 

 そして、ソグドゥが大金槌を振り上げたその時! 何者かが奴の頭上を通り過ぎた! その次の瞬間、鋭い疾風の刃によって、金槌の一本が切断された!

 

「むむ!?」

 

 ソグドゥがその何者かが着地したところを見ると、そこに着地していたのは……。

 

「ヒューイ!」

 

 そう、風のヒューイだった。彼が、その五車風裂拳で金槌を切断したのだ。

 

「無事だったか? 外の奴らはあらかた片づけた。なんとか間に合ってよかった」

 

 そしてそれだけではない。

 

「大丈夫か? こいつらは外の奴らとは違うみたいだぜ。ま、俺にはかなわないだろうけどな」

 

 ジュウザも、ヒューイともに駆け付けていた。だが、その二人に対しても、ソグドゥの自信は変わらなかった。

 

「ぐふふ、お前らみたいなもやし野郎が加わっても、我を倒すことはできぬわ!!」

 

* * * * *

 

「ぐふふ、お前らみたいなもやし野郎が加わっても、我を倒すことはできぬわ!!」

 

 そう言って、ソグドゥがジュウザに対して大金槌を振り下ろす! だがジュウザは涼しい顔でそれをかわし、さらにその大金槌を振り下ろす左手に乗る。

 

「大男、総身に知恵が回りかね、ってな」

「そう軽口を叩けるのもそこまでだ!!」

 

 さすがは巨漢というだけあり、奴はジュウザが手に乗ったまま、その手を振り上げる! だがしかし。

 

「言っただろ? 総身に知恵が回りかね、とな」

「おのれ……ぐあっ!!」

 

 ジュウザが手から飛びのく。すると、ソグドゥの腕は、振り上げた腕の勢いと、大金槌の重さもあり、背中側にあり得ない曲がり方で曲がってしまった! その痛みのためか、手から大金槌が落ちる。

 

「うぐぐ……」

「これで、その大金槌は使えまい。もう終わりだな」

 

 だがしかし。

 

「ふふふ……それで勝ったと思うのが間違いよ! 我の奥の手を見せてやるわぁ!!」

 

 そう叫ぶと、ソグドゥは大きく飛び上がった! あれは、さっきの……!

 

「刮目せよ! これがわしの奥義、鮮卑破砕剛よ!!」

 

 そしてジュウザにめがけて落ちてくる。ジュウザが飛びのいた後、その位置に落下! すさまじい衝撃が周囲に炸裂する! その威力たるや、ちょっとした隕石が落ちてきたものに匹敵するようだ。その堕ちたところには巨大なクレーターが出来上がり、周囲の建造物はみな、瓦礫となって散らばっていた。

 

「なかなかやるじゃねぇか。品は全くなさそうだけどな」

「ふん、言ってくれるわ。だが、いつまでその軽口が叩けるか!!」

 

 そして再び飛び上がる! そして着弾すると、再び跳躍し、鮮卑破砕剛を炸裂させる!

 オレやヒューイもジュウザを援護するべく攻撃を仕掛けるも、その巨体と威力の前に全く効果がない。

 

 そうしている間も、奴は鮮卑破砕剛でオレたちを襲い続ける。その威力と隙のない攻撃の前に、オレたちは攻撃のきっかけをつかめない。

 

 だが、奴が何度目かの鮮卑破砕剛を放ったその時!

 

「け、拳王様!!」

 

 そう、とっさによけたジュウザの背後に、ラオウの石像があったのだ! ラオウへの忠誠心ゆえか、奴は破砕剛の態勢を解除し、脚でかろうじて石像近くの石壁を蹴ってその反動で反転した。だが、その隙をヒューイが逃すわけがなかった!

 

「そこだ!」

「ぐわぁ~!!」

 

 ヒューイの風裂拳が、ソグドゥの足首……アキレス腱のあたりに炸裂した!

 

「お前の足首の腱を切った。これで、鮮卑破砕剛は使えまい!」

「そして、これでおしまいだぜ!」

 

 ジュウザが掌を、何度もソグドゥにかすめさせた。そして。

 

「俺の我流の拳、あの世への土産に持っていきな」

「か……かつしごぉ~!!」

 

 ソグドゥは身体が異様にねじれ、そして肉片となって砕け散ったのだった。

 

「やっぱり、総身に知恵が回りかね、だったな」

「見事だったぜ。それじゃ、囚人たちを助け出しに行くか」

 

* * * * *

 

 一方の拳王府。

 あれからラオウのもとへは、例の問題について、続報がいくつか届けられてきていた。もっともそれも、『謎の武装集団に襲われた』という大雑把なものであったが。

 

 そして今も、そのレベルの情報がラオウに届けられていた。それを聞いて、ラオウは腕を組み、唸る。

 

「むぅ……。情報が少なすぎる。動くには不足しているが……」

 

 傍らの副官ザクがうなずき、あとを続ける。

 

「はっ。このままでは食料や物資が尽き、我が軍団の運営に支障が出てしまいます。早めに手を打つ必要があるかと」

「そうだな。だが、詳しい情報がないまま動くのは危険すぎる……ジョーカー!」

「はっ、ここにおりますよ」

 

 その声とともに、広間の片隅の柱の陰に一人の男があらわれた。独特の髪型をした緑髪の、中性的な顔立ちの男だ。

 

「用事はわかっております。我が軍を襲っている謎の武装集団の調査をすることでしょう?」

「そうだ。その調査も兼ねて、我が軍団に楯突く不届き者を叩き潰すために軍団を派遣する。お前はその軍団と同行して、任務を支援せよ」

「わかりました」

 

 そしてジョーカーと呼ばれた男はまるでかすみか幻かのように、その姿を消し去った。

 

「大丈夫でありましょうか?」

「あいつなら何かしらを突き止めてくれよう」

 

* * * * *

 

「それではシオン、彼らを南斗の都まで護衛する任、任せたぞ」

「わかりました。兄上こそお気をつけて」

 

 そして、囚われていた武道家たちを乗せたトラックを引き連れ、シオンたち風の軍団は去っていった。そして、ヒューイが言う。

 

「それでは我々も行こう。南斗の都へ」

「あぁ」

「あいよ」

 

 そう答えるジュウザの言葉はどことなく軽やかだ。生きていたユリアに会えるという喜びからか。

 そしてオレたちは、再び南斗の都へ旅を再開するのだった。

 

 と、そこで。

 

「……?」

「どうしたんだジュウザ?」

「なんか腕のアザがな……気のせいか」

 

* * * * *

 

 一方そのころ。

 

「ケンシロウ様。私は山のフドウ。あなた様をさるお方のもとへ案内するためにまいりました」

 

 山はすでにケンシロウと接触していた。その表情は、ジュウザが既に動いているのを察したからか、原作よりもいくらか柔らかい。

 

 




感想、ファンアート、そして『テテテUC』を書いてくださる方、募集中です! テテテUCを書いてみたい方は、ひいちゃまでメッセをくださいませ(平伏

それでは、次回予告をどうぞ!

*次回予告*<チャーチャーチャチャー

将の元へと旅を続けるナノルたち。
その途中、ある町を襲った惨劇に怒ったヒューイの疾風の拳が、拳王軍の者たちを寸断する!

次回、『北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました』

第四拾話『怒り空を裂く時!』

「……御託はいらん。とっととかかってこい。そして、我が疾風に切り裂かれるがいい」

※次の更新は、7/13 13:00の予定です。お楽しみに!

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