北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました   作:ひいちゃ

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運命を切り開く者がいる! 天の道を外れ、欲望に生きる外道がいる!
それは、現れてから今まで続く、転生者の宿命!

見よ! 今、その長き転生者伝説に終止符が打たれる!!

* * * * *

ついに、ナノルたちは南斗の都へと到着した!
だが、ルブラからジュウザ復活の報を聞いたラオウも、南斗慈母星の将の領土を手に入れようと、その進軍を速める!
まだ完全に迎撃の準備ができていないナノルたち。その時間を少しでも稼ごうと、ついにジュウザがラオウの前に立ちはだかった!!


(南斗最後の将編) 第四拾陸話『我流拳堕ちる時!』

 会議室に駆け込んだバットの報告、それはオレたちに衝撃をもたらした!

 

「た、大変だぜ! ジュウザが、ジュウザがバイクに乗って、都を出て行ったんだ!」

 

 その報告を聞き、思わずオレは立ち上がってしまう。続いて、ヒューイも。

 

「なんだって!?」

「まさか彼は……時間を稼ぐために……!」

 

 戸惑い、色めき立ちはじめるオレたち。そこで、南斗ニキが冷静な口ぶりで口を開いた。その声はやはり震えていたが。

 

「できればもう少し態勢を整えたいところですが、ジュウザ殿を見殺しにするわけにもいきませんね……。ヒューイ殿、シュレン殿、お二人の軍団の準備のほうはいかがですか?」

 

 その問いに、まずはヒューイが答えた。

 

「この都に待機している部隊はまだ半分ってところだ。だが都の外には、拳王軍に対しかく乱工作を行っている部隊がいる。これらを加えれば6割ほどにはなるか」

「俺の炎の軍団は6割ほどだ」

「私たちの海の軍団も5割ほど出撃の準備ができていますから……盤石とはいかずとも、やりようによっては何とかなるかもしれません。戦力の逐次投入の愚を冒す危険性はありますが、今出陣できる部隊でジュウザ殿の救出に駆け付けましょう。残りの部隊は全部隊の準備が完了したところで、合流してもらうことに」

 

 その南斗ニキの提案に、リハクもうなずく。その様子からは、南斗ニキの戦略に全幅の信頼を置いている様子がうかがえる。

 

「うむ、それがよかろう。ケンシロウ様、ケンシロウ様のほうはいかがですか?」

「あぁ、大丈夫だ」

「よし、すぐさま出陣の準備を……」

 

 と、そこで、聞きなれた女性の声がした!

 

「待って!」

 

 声のしたほうを向くと、そこには甲冑を身にまとったユリアの姿が。

 

「私も連れて行ってください。ケンとジュウザを死地に送り出すのに、私だけが安全なところにいるわけにはいきません!」

「ユリア様、しかし……」

 

リハクがそう難色を示すが、逆に南斗ニキはしばし黙考した末、顔を上げて真剣の顔のまま口を開いた。

 

「ユリア様……前線に赴くからには、命を落としたり、ラオウの手に落ちる可能性も高いということです。その覚悟はおありですね?」

「えぇ」

「副軍師殿!」

 

 言い募るリハクに、南斗ニキは苦笑を浮かべ、諭すように話し出す。

 

「どうやら、ユリア様の意思は固いようです。私たちが説得したところで、翻しはいたしますまい。ここはご同行をお許しになり、私たちの手でお守りするが一番かと思います。リハク様も、風と炎の方も、ナノル様、そしてケンシロウさんも、ラオウの手にユリア様を奪われるつもりはないでしょう?」

「うむ……」

 

 リハクがうなずくのに引き続き、その場にいるみんながうなずく。その様子からは、全員がユリアを命を賭けても守り切る決意を固くしていることがうかがえる。それはもちろんオレもだ。

 

「南斗ニキさん、そして皆さん……ありがとうございます」

「いえ……ですが、先ほども言った通り、命を落としたり、ラオウの手に落ちる可能性は少なからずあります。その時の覚悟はお持ちください」

「はい……!」

 

 それで話がまとまったのを見て取ったリハクが立ち上がり、決然として言う。

 

「よし、それではただちに出陣の用意をいたせ!」

 

* * * * *

 

「ついに現れたか、ジュウザよ。うぬという門をこじ開け、その奥にある将という宝を手中におさめてくれよう!」

「そうはさせぬ! 我が命の全てを賭して、ラオウ、お前を葬ろう!」

 

 慈母星の将の領内にある地峡地帯。そこで、ジュウザと、ラオウ率いる拳王軍の軍団とがにらみあっていた。

 

 にらみあったまま動かない二人。その様子を、拳王軍の兵士たちは固唾を飲んで見守っている。

 そして。

 

「我が拳の威、その身で確かめてみよ、ラオウ!!」

 

 動いたのはジュウザのほうだった。一目散に馬上のラオウへと走っていく。

 

「な、なんだあいつは!?」

「守りなど考えずに、ただ拳王様に向けて走っていくぞ! 死ぬ気か!?」

 

 兵士たちがそう驚きの声をあげる中、ラオウは満足そうな笑みを浮かべていた。

 

「そう来るか、それでこそジュウザよ!」

「その通りよ! 俺の拳は我流! 守りなどない。ただ攻めることのみが我が拳の神髄よ!」

「ふんっ!!」

 

 そのジュウザにラオウは拳を放つ! ジュウザはそれを間一髪で跳躍してかわすと、その兜に脚で一撃を放つと、そのままラオウを飛び越えた。

 そして着地。しばしの間、両者は石像のように微動だにしなかった。そして。

 

 ビキ……バカンッ!!

 

「ああっ、拳王様の兜が!!」

 

 そう、今の一撃でラオウの兜が粉々に砕け散ったのだ。

 そんな中でも、ラオウの表情には不敵さが浮かんでいる。

 

「ジョーカーの知らせ通り、魂を取り戻したようだな。そうでなくては面白くないわ!」

「ふん、浅かったか。もう少し深ければ、お前の頭蓋を砕けていたものを」

 

 そして再び対峙し、互いにニヤリと笑ったところで、ラオウがついに馬から降りた!

 それを見て、ジュウザが再びニヤリと笑った。

 

「我が力を認めたか、ラオウ」

「うぬのような強敵、俺も地に降りて戦わなければ勝てぬのは重々承知よ。そして馬に乗って戦うのは、貴様ほどの男には失礼であろう!!」

 

 そして次はラオウのほうから動いた! 激しい拳打をジュウザめがけて浴びせる!!

 ジュウザはそれをアクロバティックな動きでかわしながら、変幻自在の蹴りで応戦した!

 

 そして互いにラオウの拳とジュウザの蹴りが同時に炸裂! すれ違い、再び硬直。

 

 ラオウの肩当てが破壊され、蹴りを受けた右腕を抑える。

 

「むぅ……まさにこのラオウをしても捉えきれぬ鮮やかかつ鋭く、読めぬ蹴りよ……!」

「しとめる気で打ったんだがな……ぐはっ!!」

 

 そこでジュウザが血を吐き、膝をついた。今の攻防で受けたダメージは、ジュウザのほうが圧倒的に多かったのだ。

 

「確かに変幻自在で強烈な蹴りだ。だが、その程度ではこのラオウを倒すにはまだまだぬるいわ!!」

「ほざけ……今のでぬるいと言われるんなら、お前を倒すには溶岩ぐらいじゃないとダメだろうがよ……」

 

(さすがに拳王と名乗るだけのことはある……今までの戦いでさらに力を身に着けたようだな……。となれば、俺の切り札の一枚をきるしかないか……)

 

 ぺっ!

 

 ジュウザは血を吐きだすと立ち上がり、そして防具を破壊し、服をも引き裂いた。

 

「ぼ、防具を!」

「何を考えているんだ、あいつは!?」

 

 部下たちがそう話している中、ラオウは表情から、それまでの余裕を消した。

 

「自ら窮鼠と化すか」

「我流の本当の神髄、それは背水の陣にある。俺ほどの男が窮鼠となった時に、どれほどの力を得るか、わからぬ貴様ではあるまい」

「確かにな。だが窮鼠は窮鼠。ネズミごときにやられはせぬ! そんなことでは、拳王は務まらぬわ!! 来い!!」

「おお!!」

 

 そしてジュウザは再び、ラオウへと走っていく。その彼にラオウが拳を放つ。

 

 だが、その拳はジュウザの体の表面で滑った。彼の体には原作通り、油が塗ってあったのだ。

 それを瞬間で見切り、攻撃の対象を切り替えたのは、さすがラオウというところだろう。

 

 そして、ついにジュウザの掌がラオウをとらえた!

 

「撃壁背水掌!!」

「うおおお!!」

 

 ジュウザが離れると同時に、ラオウの胴体から血が噴き出た!! 腹の肉が今の一撃で砕け散ったのだ。

 だが、その一撃を入れたジュウザも少し苦しそうだ。

 

「さすがだな、ラオウ。俺の体に油が塗ってあることを見切り、肩の秘孔を突くことに切り替えるとは……。切り札も見抜かれたか……」

「その通り。お前の拳の神髄は、身をすり合わせるほどの超接近戦にあると見た! そして今突いた秘孔は鏡明。そこまでだジュウザ、その手は砕け散る!!」

「!? うおああぁぁ!!」

 

 ラオウの言葉とともに、ジュウザの掌から血が噴出した。秘孔の効果で、ラオウの言葉通り、彼の手が砕けたのだ。

 それを見届けて、ラオウが一歩を踏み出す。

 

* * * * *

 

 一方、オレと南斗の軍勢は、ジュウザを追って荒野をひた走っていた。

 

 幸いにも、彼とジュウザが戦っている場所は、掲示板のメンバーの一人が教えてくれた。ちょうどそいつが、二人の戦いのものらしき闘気を見つけてくれていたのだ。

 かくしてオレたちはジュウザと合流し、彼を助けるべく、急いでいるのだが……。

 

「へっへっへっ……待ちな」

「お前たちをここから先に行かせるわけにはいかねぇ!!」

 

 オレたちの前に、拳王軍の部隊が立ちはだかったのだ! 大軍勢というわけではないものの、まともにぶつかり合えば、かなりのタイムロスを強いられてしまうほどの数だ。

 

「くそっ、こんなところで……!」

「むぅ……」

 

 顔をしかめて唸るリハク。南斗ニキも表情が険しくなるのを止められないようだ。

 

「仕方ありませんね。なんとかして、この敵を突破して駆け付けるしかありません……。ん?」

 

 南斗ニキが何かに気づいたように声をあげる。その次の瞬間! 周辺から矢が放たれ、拳王軍を襲ったのだ!

 

「うわあ!」

「な、なんだ!?」

「バカ者、隊列を乱すな!」

 

 突然の攻撃に、拳王軍は浮足立って、大いに乱れた。隊長がそれを制しようとするが、混乱の波及はとどまるところを知らないようだ。

 

「むむ、これは思わぬ助け! 今です。奴らの混乱に乗じて、一気に敵を切り崩し、突破しましょう!」

「うむ!」

「わかったぜ!」

 

 そしてオレたちは一気に、混乱する拳王軍へと飛び込んだ!

 

「せやっ!」

 

 南斗ニキが、水影心で習得したらしい南斗聖拳で、敵を切り裂きながら進む。

 

「はあああああっ!!」

 

 リハクは五車波砕拳で、敵を吹き飛ばしながら進んでいく。

 

 

「はあっ!」

「うおりゃあ~!!」

 

 ヒューイの風裂拳が敵を切り刻み、シュレンの炎情拳が兵士を焼き尽くす。

 

「とりゃとりゃっ!!」

 

 オレも負けてはいない。二刀流のダガーで、敵を切り刻みながら突き進む!

 

 そして戦っていくうち、ついにオレたちは敵の陣を突破することができた!

 後ろを向くと、全体の3割の兵士たちはまだ戦っているようだが、ケンシロウ、リハク、南斗ニキ、ヒューイ、シュレンは無事に突破できた模様だ。

 

「むぅ……まだ戦っている兵がいるか……」

 

 そう唸るリハクに、ヒューイが言う。

 

「それでは俺が、残っている兵たちの突破を援護し、しかる後に彼らを統率して後を追う。リハクたちは先に行ってくれ」

「うむ、あいわかった」

「よろしく頼みます」

 

 そう言ってうなずく南斗ニキとリハク。一方のシュレンも腕の星のアザを見せて言う。

 

「死ぬなよ。必ず追いついてこい」

 

 それにこたえてヒューイも腕のアザを見せて口を開く。

 

「あぁ、この五車の印に賭けて。お前も必ず生きて、ユリア様をお守りしてくれ」

「心得た!」

 

 そしてヒューイは、彼とともに突破してきた風の旅団の中から、強者を選りすぐると、彼らとともに後方の戦いの中へと飛び込んでいった。

 それを見送り、オレたちも先に進む。

 

* * * * *

 

 両手を砕かれたジュウザ。それに対して勝利の笑みを浮かべるラオウ。

 そのラオウが、一歩、また一歩と、ジュウザに対して歩を進める。

 

 そこでジュウザが両腕を広げて言い放つ。

 

「さぁ、撃ってこいラオウ!!」

 

 それを受けて、ラオウが足を止める。それと同時に後方の兵士たちからも驚きの声があがった。

 

「こ、今度は撃ってこいだと!?」

「あいつ、今度は何を企んでいる!?」

 

 その声を聞き流しつつ、ラオウはただにらみ合う。

 

(まだ何か企んでいるのか……? その目からは戦いを諦めた色は感じぬ……。こやつ、まだ戦いを捨ててはいない)

 

 だがラオウはそこから先の考えを切って捨てた。

 

(いや、こやつは既に先ほどのダメージと両手を砕かれたことで半死半生。大したことはできぬはず。何より、死にぞこないに躊躇したとあってはこの拳王の名がすたるわ!!)

 

「よかろう! うぬの希望に応えて、死を送ってやるわ!!」

 

 そしてジュウザに突き進み、そして拳を放つ!!

 

(ユリア……ありがとよ、お前からもらった切り札、役に立てる時が来たようだぜ……!)

 

「ヒュウウ!」

「なに!?」

 

 ジュウザは、その拳の勢いに流されるように、拳をバック転してかわした。そして!

 

「ぐおっ!!」

「ああっ、拳王様~!!」

 

 その動きのままに下から上に振り上げた蹴りが、ラオウの胸を縦に切り裂いた!!

 

「うぬ、貴様……!」

「これが俺が将から託されたもう一つの切り札よ。お気に召したか?」

「おのれ~!!」

 

 怒りのラオウがジュウザに対して、再び突き進む。そして掌を勢いよく突き出して闘気を放つ。しかし。

 

「……」

 

 ジュウザはその闘気の流れを最小限の動きでかわす。そしてすれ違いざま、砕けたままの手刀をラオウの脇腹に添える。

 

「ぬぅっ!」

 

 今度はわき腹を切り裂かれた。だがそれで、ラオウもジュウザの切り札の正体を見切ったのだった。

 

(なるほどな……。だがカラクリがわかればどうということはない!)

 

 再び突進していくラオウ。そして拳を放つ! ジュウザがその拳をかわした。その直後。

 

「ぬおおぉっ!!」

「ぬっ!?」

 

 ラオウは一度拳を引き、再び闘気を放ってジュウザを吹き飛ばした! ジュウザは吹き飛ばされ際に攻撃を放つが、それはかすり傷程度にしかならなかった。

 

「ジュウザ、お主が将から託されたという切り札。その神髄は、相手の攻撃の勢いを利用して、回避と同時にその勢いを利用して一撃を放つものと見た!」

「さすがだな、ラオウ……。そこで、あえて俺が攻撃する瞬間を見切り、そこで吹き飛ばすことでダメージを与えると同時に、距離を微妙に離して攻撃の威力を減じた……」

「ふん、お主も我が策を見切ったか。だがこれで終わりだ。カラクリがわかれば、貴様の切り札などただの大道芸と同じよ!」

「それはどうかな? お前もこれで終わりと甘く見ていたら痛い目見るぜ」

「ふふふ、よくぞ言ったわ!」

 

 そして再び戦いを再開する。豪拳と闘気をふるい、ジュウザを攻め立てるラオウ。それをなんとかいなしながら一撃を加えていくジュウザ。

 一秒とも一日とも思える長くて短い時間。両者は激しい静と動の戦いを繰り広げた。

 

 だが一瞬の攻防の後、再びジュウザがひざをついた。ユリアの拳……南斗鳩翼拳を操り、なんとか互角の戦いを演じたように見えていても、やはり受けるダメージはジュウザのほうが圧倒的に多かったのだ。

 それでもジュウザは震える足に喝を入れてなんとか立ち上がった。

 

「まだ立ち上がるか。見上げた根性よ」

「お前もな、ラオウ。こんな死にぞこないなど、雑魚に任せて先に進めばいいものを」

「ふん。将の正体など、お前がこのラオウの前に現れた時からわかっていたこと。だが!」

 

 そこで、ラオウはジュウザに対し指を突き付けた。

 

「お前をただ倒しただけではお前に勝ったことにはならぬ! お前の魂を折り、お前の口から将の正体を吐かせなければこの戦いは終わったことにはならぬのだ!!」

「へへ、おもしれぇ、やってみな……!」

 

 そう言って、ジュウザが渾身の力を込めて走り出す! 対してラオウも。

 放たれるラオウの豪拳! その攻撃をジュウザは鳩翼拳の動きを応用してかわし、その懐に飛び込む。また撃壁背水掌を使おうという構えだ。鏡明の秘孔で砕かれた両拳でもう一度無理に放てばどうなるか……。だがそれでも、彼にためらいはなかった。

 

(この一撃でこの拳どころか両腕が砕けても悔いなし……。頼む俺の拳、あと一撃、あと一撃だけでも持ってくれ……!)

 

 そして背水掌を放とうとするその時!

 

「もらったわ!」

「ぐあっ!!」

 

 突き出したジュウザの両手を、ラオウが左肘と突き上げた膝とで挟み込んだのだ!!

 

「雲のジュウザ、敗れたり!!」

 

 そう叫び、ラオウが右拳のアッパーでジュウザを吹き飛ばす!! そして落ちてくるジュウザに対し……!

 

「将の正体、吐いてもらうぞ! 秘孔・解亜門……!?」

 

 だがそこでラオウは一瞬動きをとめた。接近してくる者の気配を察知したのだ。

 それに対するべく、彼は落ちてきたジュウザを腕で払いのけた。そしてその気配のほうへと構える。

 

 そしてやってきたのは……。

 

 ナノル、ケンシロウ、シュレン……そしてリハクと南斗ニキ率いる南斗の軍団だった!

 

* * * * *

 

「狂える暴狂星、堕ちる時は来た!」

「来たか、ケンシロウ!! そして……」

 

 そのラオウの視線が、ケンからその隣の甲冑に身を包んだ人物……ユリアへと移る。

 

「南斗慈母星の将、いや、ユリア、うぬが自らノコノコと現れるとはな! ついに俺の手に落ちる覚悟を固めたか!!」

 

 ユリアへと一歩を踏み出すラオウ。だがそれを遮るように、ケンがその前に立ちはだかる。

 

「ラオウ、お前はユリアも天も握ることはない! ここがお前の果てる地だ!」

「ほざけ!!」

 

 そして対峙するケンとラオウ。その横で、オレ……ナノルと南斗ニキは倒れ伏したジュウザの元に駆け寄った。

 

「お前たち、なんでここに……?」

「オレたちを甘く見ていたな。オレも、五車星の奴らも、お前を捨て石にするほど薄情じゃねぇんだよ」

「ちっ、ほんとに甘い奴らだぜ……」

 

 そうあきれ笑いを浮かべるジュウザの目尻に涙が浮かぶ。そしてそのまま彼は意識を失った。その様子を見ながら、南斗ニキはジュウザの応急処置を始める。ココには遠く及ばないが、それでもたいした手際だ。

 

「かなりのダメージを受けていますが、幸いにも致命傷というほどではないようです。ココ様の手当を受ければ回復するでしょう。もっとも、あれ以上戦いを続けていたらどうなっていたかわかりませんが……」

「そうか……よかった」

 

 そう安堵し、オレは視線をケンとラオウへと向けた。両者から激しい闘気があふれ出ているのが見てとれる。それはまさに紅蓮の炎のようだ。

 そしてラオウが動いた!

 

「ケンシロウ、泣けい! ユリアはこのラオウがもらってやるわ!! ぬおぉ~~!!」

 

 ラオウがケンに突進し、豪拳を放つ。ケンはそれを両腕をクロスして防ぐが、防ぎきれず、大きく吹き飛ばされた。

 

「ふん、うぬのような者がこのラオウを倒すなど片腹痛い!! 自らの実力を読み切れなかった愚かさを嘆くがいい! うおおぉぉぉ!!」

 

 そしてなんとか立ち上がったケンに再びラオウが襲い掛かる! だが、ラオウが渾身の一撃を放った直後!!

 

「なに!?」

「……」

 

 その一撃は、なんとケンの体を突き抜けてそのまま素通りしたのだ。それはまさに、幻像を撃ったかのような。

 そして次の瞬間。

 

「ぬぅっ!?」

 

 ラオウの右胸に突かれたような傷が浮かび上がり、そこから血を吹き出した。これは……シンの拳?

 そして今、ラオウの攻撃をかわしたのは、まさに……。

 

 北斗神拳究極奥義・無想転生……!

 

 




感想、ファンアート、そして『テテテUC』を書いてくださる方、募集中です! テテテUCを書いてみたい方は、ひいちゃまでメッセをくださいませ(平伏

それでは、次回予告をどうぞ!

*次回予告*<チャーチャーチャチャー
北斗神拳究極奥義・無想転生の前に苦戦を余儀なくされるラオウ!
だが、ラオウの命を捨てる壮絶な覚悟が、思わぬ事態を呼んだ!!

次回、『北斗の拳世界に転生した転生者だけど、アイリを拾ったら心ならずも原作と関わることになっちゃいました』

第四拾七話『乱を呼ぶ覚悟!!』

「いくらうぬが無想転生をまとおうが、うぬがこのラオウを越えたなど認めぬ!! 俺は世紀末覇王、北斗の兄弟の長兄ラオウぞ!!」

※次の更新は、8/31 13:00の予定です。お楽しみに!

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  • 機動新伝説ガンダム
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